うさるの厨二病な読書日記

生涯中二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好きも嫌いも全力で語るブログ。

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「大家族石田さんち」にみる、大家族というユートピア

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2016年5月9日(月)に放送された「大家族石田さんち」の感想です。

 

大家族のドキュメンタリー番組をたまに見るのですが、石田さんちが一番好きです。ネットでの評判を見ると、そういう人が多いみたいです。

 

自分は家族というコミュニティの幻想をまったく信じていない人間ですが、(家族は好きで大切だけれど、別に家族だから好きで大切なわけではない、とか面倒くさいことを言います。)石田さんちを見ると素直に、家族っていいなと思います。

 

他の家族ものと比べてなぜ、そう思うのだろう?と考えてみると、石田さんちはあくまで、子供たちが「大家族の一員」ではなく、本人として生きているからだとと思います。大家族(組織)の一員というアイデンティティではなく、自分自身として存在している、これが石田さんちの一番いいところだと思います。

 

石田さんちは他の大家族ものと比べて、子供たちのキャラが立っています。

他の大家族ものだと、子供たちが似たような風貌をしていて、誰が誰だか分からないということがよくあります。

 

親の指導のもと、男の子も女の子も家族全員で柔道をやっていたりとか。

それが悪いというわけではないのですが、親の自我や価値観が、子供をのっとっているように見えてしまうのです。

 

誰かが誰かの自我をのっとる、他人に自分の人生を生きられてしまっている人がいる。

 

たとえ親子という関係であろうと、自分はその事実に強烈に嫌悪感を覚えます。それがコミュニティというものに潜在的に警戒心を覚える理由です。たとえ「家族」というパッケージをかぶせたものであろうと。

 

他の大家族ものと「石田さんち」の一番の違いは、あれだけたくさんの子供がおり、今どき珍しい大家族でありながら、両親である晃さんと千恵子さんが、自分自身の価値を「大家族の両親であること。子供たちの親であること」においていないことだと思います。(少なくとも番組を見た限りでは。)

 

「子供の親であること」に自分のアイデンティティを見出している親というのは、ほぼ確実に子供のことを息苦しくさせ、生きづらくさせます。

何故なら、子供の一挙手一投足で自分の価値がすべて決まる、と親が考えているからです。

 

子育てに費やす時間やエネルギーというのは、膨大なものなので、「自分の人生は子どもがすべて」と思ってしまうのも、仕方ないのかもしれません。

しかしそれでも、子供のためにも、

「自分と子供は別人格」

「自分は子どもとはまったく別に、自分自身の人生を生きる。そして、その姿を子供に見てもらうこと」

と常に心がけることが、個人的には真の愛情だと思っています。

 

石田さんちの両親は、「子供とはまったく関係ない、自分自身の価値観で自分の人生を生きる」姿を子供たちに見せたので、子供たちも「大家族の、たくさんの兄弟の中の一人」ではなく、自分自身として生きられたのではないかと思います。

 

 そう思った理由は、「子供たちの個性がはっきりしている」という以外には、

 

①子供たちの反抗期が激しかった

②子供たちの横のつながりが強い

③子供たちが大人になった時点で、親と対等の存在になっている。

 

などがあげられます。

これらが、子供たち自身の自我がはっきり確立している証左だと思います。

 

子供を九人の中の一人と考えず、一人一人を違う人間として尊重し育てる。

理想だけで考えれば、「子育てとはそういうものだろう」と思いがちですが、七男の隼司くんが成人するまでそれを続けてきたことは、驚異的なことだと思います。

 

だからこそ子供たちは、両親のことを心配したり支えたり感謝したり、自分たちの見方で考えを主張したり、兄弟同士で話し合ったりできる大人になったのだと思います。

 

長男の孝之さんと四男の智広さんが、両親のことで話し合う場面がありました。

智広さん「昔はずっと家にいるオカンを見ていたから、オカンの言うことが正しいのかな、と思っていたけれど、大人になって社会に出たら、オトンのいうこともよくわかる」

孝之さん「でもさ、オカンは社会に出ないで、子育てに人生を捧げてきたんだから。そこは、オカンのことも分かって、話を聞いてやらないとさ」

(うろ覚えですが、主旨はこんな感じ。)

 

大人として自分の客観的な意見も述べながら、子供としてちゃんと父親のことも母親のことも気遣えている。その気遣いも子供の親に対する気遣いであると同時に、大人として相手のことを尊重した節度ある気遣いである。

 

成人した大人として親の庇護下から出て自分の人生を歩みながらも、家族としての愛情を保ち続けているということが分かります。

 

これが家族というコミュニティ、大人同士になった親子の理想的な関係性だと思います。

 

番組をリアルタイムで見ているときは、

「お父ちゃん、面白いけれど、子供みたいでちょっと面倒くさそうな人だな」とか、

「お母ちゃん、確かに何を言っても通じなさそう」とか、

色々思いますが、

九人の子供たちをここまで立派な「大人」に育て上げたということに、本当に尊敬の念を感じます。

 

「家族」というコミュニティに縛られることに違和感を感じる、自分のような薄情な人間でさえ、石田さんちを見ると、

「たくさんの子供がいるっていうのもいいかもな。家族っていいな」

と思います。

 

お母ちゃんが言っていた、夫婦についての言葉。

「血がつながっていないと思えば、全部許せる。だって他人なんだもん」

って、すごい名言だと思います。(*'▽')

これを聞いて、この人はすごい人だ、と改めて思いました。

子どもの心に風邪をひかせない子育て 7男2女 一家11人の大家族 石田さんチ

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