うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

≪ドラマ≫ 「ゆとりですがなにか」 第9話感想

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宮藤官九郎脚本、「ゆとりですがなにか」の第9話の感想です。

第8話の感想はコチラ↓

saiusaru.hatenablog.com

 

道上一家の闇の歴史

まあ、自業自得だわな。ほとんど麻生さんのせいじゃんwww

 

「レンタルおじさんだったら、とっくにチェンジだよ。でも、親なんだから、チェンジできねーんだからよ」

 

親は自分のことを棚にあげても、歯を食いしばってでも、子供が子供のうちは親でいるしかないんですよね。

子供もだんだん成長してくれば、

「お前、自分のことを棚にあげてどのツラ下げて言ってんだ???」

くらいは言ってきますけれども、それでも、子供のことを最後まで叱り続けられるのは親しかいないんですから。

自分もこの手のことを、親に言ったことはありますけれどもwww。

 

麻生さんは優柔不断で、家庭内のごたごたはほとんど全部麻生さんのせいだし、まりぶのお母さんもお母さんで、

「あんたがお兄ちゃんに勝たなきゃ、私の人生、大失敗」

とかいうクソみたいな信じられないセリフを、まりぶに向かって言っているけれども、それでも、子供を叱るときは叱らなきゃいけないんですよね。

 

「お前は、自分が不倫しておいて何を言っているんじゃあ」とか

「俺も自分の人生の道具みたいな言い方しておいて、偉そうなことを言うな」とか

反発されても、それでも子供が間違っていると思ったら、最後まで叱り続ける、受け止め続ける、それが親であり続けるってことなんですよね。

 

丸く収めようなんて、思っちゃいけないんですよ。

丸く収まらない子供を、丸く収まらない自分自身でそのまま受け止め続けるのが親の役目なんですから。それが真の愛情なんじゃないかな、と思います。

麻生さんも、これからはすぐに謝るんじゃなくて、

「てめえが言ってんじゃねーよ」

って言ってくるまりぶを、何度でも受け止めて叱ってくださいね。

 

浮気して離婚と結婚を繰り返して、そのたびに家族を辛い目に合わせて、そんなクソみたいな麻生さんでも、まりぶの父親は麻生さんしかいなんですから。

 

 「社会がマトモじゃないから、彼が変人に見えるのでは?」

正和は、相変わらずいいことを言うなあ。

 

「誰がマトモかを決めるのは、社会とか法律では?」

と言った、まりぶのお兄さんの言葉に対しての、正和の返答です。

このお兄さんの言葉って、すごい危険な言葉だと思います。

 

こういうことを言う人が、ナチス支配下のドイツでヒトラーを支持して、平気でユダヤ人の虐殺に参加したり、太平洋戦争中には、「非国民」とか「お国のために死ね」とか他人に平気で言っておいて、自分は戦後ちゃっかり生き残って、政治家になったりするんだと思います。

それで、「あの時はそういう時代だったから」とか平気で言うんでしょう。

 

自分の思考や感性や価値観を一切持たないで、自我を完全に社会に預けている人たち。

そのくせ、自分ではちゃんと自分の考えを持っていると考えているから始末が悪いです。

 このテーマについては語ると無茶苦茶長くなるので、今回はおいておきます。

こういうセリフや思想を、エンターテイメントの中にさらりと組み込めるという一事だけでも、すごいドラマだなあと思います。

 

自分にとって、仕事とは何か。

退職した茜ちゃんの空虚感、身につまされます。

会社っていうのは不思議な場所で、退職したとたん、アッという間に自分とは関係のない場所になってしまう。7年半の時間のほとんどを仕事に費やしてきたのに。

 

「会社に、いなくなって困る人なんていないんだよ。誰がいなくなっても、組織っていうのはそれなりに動くから」

 

会社勤めをしていたころ、会社の先輩にそう言われました。

大きな組織であれば大きな組織であるほど、「いなくなって困る人」なんていないんですよね。(個人事業は、もちろん自分がいなくなったらできないでしょうが。)

 

でも、だから「必死になって働くなんてバカバカしい」と思う人は、「自分のために」じゃなく「会社のために」仕事をしている人なんだと思います。

「自分のために」仕事をしている人は、そこから何かを得て、自分の人生に生かしていこうと思えると思うんですよね。

それこそ正和みたいに、「元はとった」っていう発想になると思うんです。

「自分のために」仕事をするのであれば、どこで働こうが一緒ですから。

 

むしろ会社って、固定給がもらえて、スキルと経験がつめるんだから、(特に新卒にとっては)めちゃくちゃありがたい場所だと思うんですよね。

自分は技術職で、その業界の職場はだいたいブラックな環境のところが多いので、余計そう思うのかもしれません。自分が教える立場になったら、むしろ教えるぶんお金をもらいたいくらいです。

 

仕事と自分との関係性って、人それぞれだと思うんですよね。

「働くことにあんまり向かいなあ」と思える人が、そこそこ働けば生きているような選択肢がもっとあってもいいような気がします。様々な選択肢や価値観が生まれれば、「社畜www」「ニートwww」って貶め合うこともなくなると思うんですよね。

なんかこういう罵りあいみたいなのをネットでしょっちゅう見るんですけれど、

 

他人の生き方なんて、社畜だろうがニートだろうが、どうでもよくないですか??

 

税金や社会保障費の問題はあるとは思いますが、たぶん、ネットで他人に対してそういうことを言う人はそこを問題にしているようには思えないので、今はおいておきます。

社畜からニートになることもあるだろうし、ニートから社畜になってもいいし。

色々な生き方で、そこそこ生きられる世の中になって欲しいです。

 

茜ちゃんもなあ、

「結婚したら、空っぽになっちゃうんじゃないか」

「仕事以外で、満たされたことがないから」って思うなら、もっと正和と話し合ったほうがいいと思うんですけれどね。

この二人って、なんで話し合わないんだろう??? と見ていていつも思います。

 

 改めて、坂間正和はすごい人だと思う

今まで見たドラマの主人公の中で、一番すごい人だと思います。

 

確かにスーパーマンみたいじゃないし、医師でも弁護士でもないけれど、自分の与えられた環境をしっかりと受け入れて、そこで文句を言わずに最善を尽くすところとか、自分の器を見極めて、

「自分の器はこれくらいだけれど、この器の自分で生きていく」

って言えるところとか、茜ちゃんやゆとりとか、自分の大切な人をちゃんと大切にできるところとか、自分にひどいことをしたまりぶとか山岸のことも、受け入れられる寛容なところとか、こんな人がリアルでいたら、心の底から尊敬します。

自分は不寛容な人間なので、見習いたいと思います……。色々と。

 

来週は、茜ちゃんが早川さんとのことを、話しちゃうみたいですね。

何で肝心なことは話し合わないで、こういう余計なことを話しちゃうかなあ。