うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

≪ドラマ≫ SKE48松井珠理奈主演ドラマ「死幣」 第7話あらすじ&ネタバレ感想

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深夜ドラマ「死幣」の第7話のあらすじ&ネタバレ感想です。

前回第6話の感想はコチラ↓ 

saiusaru.hatenablog.com

 

 

「死幣」第7話あらすじ

真理は交際している財津のポケットから、心臓病の薬を発見する。

財津を問いつめると、「自分は心臓の疾患があり、アメリカで手術をしなければあと半年の命である。手術費用に一千万かかる」という答えが返ってくる。

真理は仕事を探したり、母親に頼んだりなど金策に奔走するが、お金を得ることができない。

絶望にうちひしがれる真理の下に、死幣が届く。

由夏は死幣で財津を救おうとする真理を止めようとするが、真理は由夏の制止を振り切り、財津に死幣を手渡す。

死幣の呪いにより、財津は誤って真理を殺してしまう。

 

由夏は若本に助けを求めにいくが、若本は伊織によって捜査権限を取り上げられ、江栗馬村にいた駐在員高山に取り調べを受けることになった。

若本に会いに来た由夏に、伊織は「警察は死幣の存在を認めない」と言い放つ。

一方、事故にあって入院していた小夢は、原因不明の吐血をしていた。

 

第7話ネタバレ感想

今週も面白かったです。

ベタベタで、お約束の展開の連続。

ただ「死幣」の場合は、物語の骨格がしっかりしているので、ベタベタな展開でも楽しくみれます。

 

「物語の骨格がしっかりしている」というのは、どういうことを言っているのか。

例えば真理が財津が心臓病であることを知ってしまい、財津の命を助けるために金策に奔走するという展開。

ここだけを切り取るならば、「こんなお涙頂戴てきな嘘に騙されるなんて、真理はバカなの?」という感想しか出てきません。「こんなアホみたいな話に騙されるなんて、物語の都合乙」と思うわけです。

「死幣」の場合は、「真理は父親を母親とともに見捨てた、という過去が、母親と絶縁するくらいトラウマになっている」「父親を見捨てた、という事実の象徴である母親を強烈に拒絶するほど、父親に対して罪悪感がある」という設定が、事前にきちんと盛り込まれています。

そして、「父親の葬儀のときに助けてくれて、父親と同じくらいの年代の財津を好きになった」ということは、財津と父親を重ね合わせている部分があるのではないか、と見ているほうは気づくわけです。

ああ、だから真理は財津を好きになるのね、と。

真理が財津を救おうとする心理の中には「父親への罪悪感及び贖罪」の意味合いが含まれているのではないか。

ということを想起させるために、さらに「お父さんと同じ心臓病で同じ薬を飲んでいる」というキーワードも入れてくるわけです。

 

財津が普通の人であれば、「財津も父親も同じ病気って、そんな偶然あるわけないだろ」という突っ込みを入れるところですが、財津は死幣について調べるために真理を利用しているのでは?という前提があります。

「これも財津が真理の父親のことを知っていて(調べていて)、真理に死幣を使わせるために仕組んだことではないか」という推察が成り立つわけです。

全ての因果関係を、説得力を持って説明ができるようになっています。

 

確かに展開や設定はコテコテのベタベタなんですけれど、「お約束」という言い訳をしてやっつけで作らず、設定のひとつひとつを丁寧に積み上げています。

主はこのドラマの、こういうところがとても好きです

ベタベタな展開で、ステレオタイプのキャラクターでもきちんと一人の生きた人間として描こうという姿勢があります。

こうやって書くと、第一話の三浦先輩はなんだったんだろう?という気がしますが、あれは導入だったから仕方なかったのだろうということで。

 

今回は、真理のお母さんの演技もよかったです。

言葉ではすごい嫌味なことばかり言うのですが、表情や仕草で娘を気遣っていることも伝わってきます。だから、否定しきれない不思議な説得力があるんですよね。

言っていることは、完全に正論だしな。

父親との間にもお金をめぐるいざこざがあり、真理が知らない父親の姿をたくさん見たのだろうということを伺わせます。

きっと真理の父親が「女にお金をせびるろくでもない男」だったのであり、母親が最後の最後まで踏ん張ったけれどダメだったのではないか。

もしかしたら、この母親は真理に罪悪感を感じさせないために、必要以上に嫌味に振る舞っているのではないか、そんなことまで感じさせる演技です。

セリフにはない「行間の言葉」を演じてこそ、役者ですよね。

脚本にもこういう「行間の言葉・設定」がもりこまれていて、役者さんもきちんとそれを読み取って演じています。

いいドラマだなあと思います。

 

「自分がこれだけ止めていて、使えば死ぬと分かるのに、なぜみんなが死幣を使うのか理解できない」という心境の由夏に対して、「小夢の病気」という事態を突きつけて、「自分も死幣を使うかどうか」という葛藤を味合わせる点もうまいなあと思います。

たぶん、母親とは連絡がとれないか何かで、由夏が考えざるえない展開になるんじゃないかな。

 

今回少し気になったのは、警察って都道府県ごとの採用だから、高山さんが赴任してきたことは旧江栗馬村は東京都内なんですかね? 

もしくは「警視庁」ではなく「警察庁」になっていたので、「現実の制度とは違う」という設定なのかもしれません。

 

 「死幣」は確かにストーリー展開はコテコテの安易なものかもしれませんが、「オリジナリティを出そう」「ドラマ界に爪痕を残そう」などという欲をかかずに、丁寧に作られたとても良質のドラマだと思います。

俳優さんたちの演技も素晴らしいです。

 

評判がイマイチなことが残念です。もっと評価されてもいいと思うのですが…。

とりあえず自分は、来週も楽しく見ようと思います。

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