うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の原作「氷と炎の歌」がすさまじく面白いので、全力でおススメしたい。

【スポンサーリンク】

 

先日、注文したドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の原作、「氷と炎の歌」の一巻「七王国の玉座(上下巻)が届きました。

 

f:id:saiusaruzzz:20161216102933p:plain

(引用元:「七王国の玉座」ジョージ・R・R・マーティン ハヤカワ文庫)

 

今は、空いている時間は「ゲーム・オブ・スローンズ」を見ているか「氷と炎の歌」を読んでいるかどちらかです。

頭の中には常に「ゲースロ」のオープニングテーマが流れています。

ワクワクしながらページをめくります。

 

 

原作には設定資料がついている

自分が買ったのは新装版の文庫ですが、冒頭にウェスタロス大陸の詳細な地図が載っていました。

 

キターーーー!!!!(゚∀゚)

これが欲しかったんだよ~~~!!!!

 

設定資料集出ていないか、と探したので嬉しかったです。

スカイリムに代表されるエルダースクロールシリーズもそうですけれど、設定資料集を出して欲しいです。

年表とか歴史上の人物、宗教の成り立ちや言語解説や衣装解説や武器解説、建物の設計図や都市マップ人口分布、動植物分布図とか、庶民の暮らしとか風俗の違いとかぜんぶ載せて欲しい(´・ω・`)

もちろん、相関図及び家系図も。

 

絶対、需要あると思うんだけどな…。

少なくとも自分は、一万円以内なら確実に買うんでよろしくお願いします。

 

f:id:saiusaruzzz:20161216102517p:plain

(引用元:「七王国の玉座」ジョージ・R・R・マーティン ハヤカワ文庫)

 

これでドラマで地名が出ても悩むことがありません。

今まで、「ハレンの古城ってどこよ?」「リーチより南って言われても、リーチがどこか知らん」など色々ありましたが、これで安心(?)です。

 

北部の地図もあります。

北部はほとんどスターク家の領土なんですよね。「他の六王国を合わせたよりも広い領土」というセリフが出てくるのですが、地図を見るとなるほどと思います。

 

ドラマでもたまーに出てくる、名家の旗印とモットー。

シーズン2でタイウィン公がアリアに言わせていました。

登場人物の一覧と一緒に巻末に載っています。

ラニスター家の「訊け、我が咆哮を!」ってめちゃくちゃ格好いいな。

 

登場人物の年齢に衝撃を受ける

主な登場人物の年齢が書いてあるのですが、ドラマは大幅に年齢をあげているようです。

 

ジョン・スノウとロブが十四歳??(゚Д゚;)

ドラマだと、どう見ても二十歳はすぎているだろ~~。

 

ただ「周りがやたら小僧扱いしているな」とか「この世界観で、二十歳すぎていて〇貞なのも不思議だな」とか、色々違和感はありました。

成人前の十八くらいの設定だけれど、ちょっと年のいった俳優さんを使っているのかな、と思っていました。

 

十四だとすると、ジョンが友達のサムとかわす会話が中学生みたいなところや、ロブが旗手たちからやたら小僧呼ばわりされることが納得できます。

ドラマはシーズン3の時点で、サンサが十四歳だと言っているので、たぶん原作より年齢が上の設定にしているんだとは思います。

 

上巻の表紙の黒い服の男の子が、ジョン・スノウですかね?

ドラマのジョン・スノウにはまったく興味がわかないのですが、(こいついい年して、何でこんなにすねて甘ったれているんだとイライラしていた。)十四歳だと、無理もないかと応援したくなります。

 

もっと驚いたのが、ネッド・スターク三十五歳。

絶対、嘘だろう。

 

ドラマと原作のイメージの違い

年齢設定ですでにイメージがまったく違う原作とドラマですが、「ちょっとイメージと違う」という人もいれば、「よくこんなピッタリの人を見つけてきたな」という人もいます。

 

生まれつき発育不全で小人症のティリオンを演じているピーター・ディンクレイジは本人もティリオンと同じ症状を持っていますが、顏はかなりのイケメンです。

原作のティリオンは発育不全以外にも、足がねじれていたり、瞳の色が違ったりドラマ以上に外見に恵まれていないんですよね。

f:id:saiusaruzzz:20161216111719p:plain

(引用元:「七王国の玉座」ジョージ・R・R・マーティン ハヤカワ文庫)

 

原作の風貌だと父親のタイウィン公や姉のサーセイが、何であんなにティリオンを嫌悪しているのかとか、いい人だと分かっていてもサンサがティリオンを忌避する理由とか分かりやすいと思います。

だから余計にシェイとの恋愛が、胸に迫ってくるんじゃないかなあと。

 

ドラマのティリオンは発育不全以外は外見も格好いいし、頭も切れるし、心も優しいから、周りのティリオンに対する反応がイマイチピンとこないんですよね。

言葉で「ティリオンが生まれたときに母親が死んだから」と言われても、「そういうケースはいっぱいないか??」と思ってまったく腑に落ちない。

見ている方としては、周りの人間が偏見にこりかたまった心が狭いだけのやつら、という平板な解釈をせざるえません。

 

もし、愛する妻や母親が死んだのと引き換えに、この外見の子が生まれてきたら、もしかしたらそういう気持ちになってしまうかもしれないという説得力はあります。

 

視覚的説得力は大事だなあと思いました。

 

ピーター・ディングレイジは自分の外見や出生に劣等感を持つこともなく、かといってそれなりに葛藤も持っている、おおらかで皮肉屋で心優しいティリオンをうまく演じていると思います。ただ、もう少し原作によせた外見だとよかったんじゃないかなあと、個人的には思います。

 

逆に他のキャラはほぼ原作のイメージ通りです。

デナーリスに関しては、原作以上ですね。

よくこんなにピッタリの人を見つけてきたなあ。

 

原作は、登場人物の心情がよくわかる

「ゲーム・オブ・スローンズ」はすごく面白いドラマなのですが、海外のドラマのせいか

「登場人物がこの行動をしたときの真意が分からない」

「このとき、この登場人物が本当はどう考えていたのかわからない」

ということがたまにあります。(自分だけ?)

 

ネットで

「シオンはジョン・スノウをどう思っていたか?」

という点で、意見が割れているのを見かけました。

「ロブのように、普通に兄弟みたいな友達付き合いをしていたんじゃないの?」

という意見もあれば、

「いやいや、被後見人の自分よりも下の立場だって見下していたんだ」

という意見もありました。

自分は後者だと思っていたのですが、ドラマではそれほどはっきりと描かれていません。

 

この二人の関係性は、「シオン・グレイジョイはどういう人間か?」ということを考えるうえで、すごく重要だと思います。

シオンは劣等感の塊みたいな性格をしていて、それが原因でシーズン2のときに、ある行動に出ます。

スターク家にいるときから「自分より下の立場の奴がいて安心している」みたいな描写をしておくと、シーズン2のシオンの行動がすごく説得力を増すと思うんですよね。

 

原作は三人称だけれども、それぞれの章がそれぞれの人物の主観で描かれているので、登場人物の心情がすごく分かりやすいです。

ちなみにシオンは、ジョン・スノウを見下していてかなり冷たいです。

 

他にも、ドラマではジェイミーがブランを突き落としたとき、ジェイミーに罪悪感があったのかどうかということがすごく分かりにくいです。

ドラマでは葛藤もなくあっさり突き落としたように見えるので、自分はずっとジェイミーのことが嫌いでした。

原作では「少し嫌悪の表情を浮かべて」となっています。

「イヤだけれど、やらざるえない」そういうニュアンスです。

後に出てくる「サーセイ以外の女と寝たことがない」という言葉と合わせると、ジェイミーは心の底からサーセイを愛していて、ブランを突き落としたのも、自分の保身というよりはサーセイのためという理由が大きいのかなと思えます。

 

そういう目でジェイミーを見ると、シーズン3のブライエニーを命を賭けて助けたシーンなどが「ああなるほど」って腑に落ちやすくなります。

ふざけてばかりいるし利己的なところもあるけれど、高潔な心も持っている人物なんだ、という風に人物像が変わるわけです。

 

「壁」でのティリオンとスノウの交流もドラマでは好感を持ちあった程度ですが、原作だとかなり深く分かり合えた描写になっています。

 

モーモントがもつ「壁」の状態の危機感がすごいとか、ロバートのリアナに対する愛情の深さが、今のロバートに悪い影響を与えているとか、結婚式当初からドロゴがデナーリスをいたわっていたから、デナーリスもドロゴに心を開いたんじゃないかとか、原作だと色々なことが読み取れます。

 

「ロバートって、ネッドの親友のわりには何でこんな無能なクソ野郎なの?」ということや「デナーリスはあんなにおびえていたのに、どうして急にドロゴのことを好きになったの?」という「そういうものだと言われればそうかもしれないけれど、イマイチ納得がいかない」ことが、原作ではかなり丁寧に説明されています。

 

ドラマが好きな人はもちろん、見たことがない人にも読んで欲しい

「ゲーム・オブ・スローンズ」はすごく丁寧に作られたドラマだし、見出したら止まらないくらい面白いです。

それでも原作を読むと「あれだけ壮大に作られているドラマでも、かなりはしょられているんだ」という事実に驚愕します。

 

ドラマはドラマで、「壁」の壮大さや、ウェスタロス大陸の各地の文化の違いなどが視覚的に楽しめます。

 

どちらも面白いし、両方体験することで二倍も三倍も楽しめるので、ぜひ、見て欲しい読んで欲しいなあと思います。
 

 

 恐ろしいことに未完らしい。

頼む、自分が生きている間に完結してくれ…。