うさるの厨二病な読書日記

生涯中二の着ぐるみが、本や漫画、ドラマなどについて好きも嫌いも全力で語ります。【ネタバレ前提です。注意してください】

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「ティーンズ・パンタクル」Kindle版発売記念。ゲームブックの神・鈴木直人について全力で語る。

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以前、このブログの記事でも紹介したゲームブック「ティーンズ・パンタクル」がKindleで発売されたので、さっそく購入してやってみた。

ティーンズ・パンタクル (幻想迷宮ゲームブック)

ティーンズ・パンタクル (幻想迷宮ゲームブック)

 

 

 

ゲームブックの名作「ティーンズ・パンタクル」

「ティーンズ・パンタクル」は、自分が子供のころ熱中したゲームブックの中でも、一、二を争う名作だ。

「スマホでいくらでも無料で遊べるゲームがあるこの時代に、紙媒体のゲームブック??」

と思われる人もいるかもしれないが、やってみるとゲームブックは「ゲームブック」という電子媒体のゲームとは違うジャンルとして楽しめる。

自分の感覚で説明すると、電子媒体のゲームは自分がそのゲームの中にそっくりそのまま入る感覚だが、ゲームブックは自分の頭の中に世界が広がる感覚だ。

文章とイラストしかないからこそ、それを自分の想像力で無限に補える楽しさがある。

 

以前、少し紹介したが、「ティーンズ・パンタクル」は全寮制の学校に通う女子高生の大島いずみが、学園にやってきた魔女と戦う物語だ。

魔女は人間をさらい、レプリカンと呼ばれるその人間そっくりの化け物と入れ替えて少しずつ学園を支配していく。

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 (引用元:「ティーンズ・パンタクル」鈴木直人 幻想迷宮書店)

下段真ん中が、主人公のいずみ。剣道部で超能力少女。

上段が魔女の氷室京子。どこかで聞いたことがある名前だ。

 

物語はノベルゲームのように、「昼間のお出かけパート」と「夜の学園探索パート」に分かれており、自分が行きたいと思ったところに行き、行動を選ぶ。

図書館に行って本を読んだり、デートに行ったり、友達と遊んだり、色々なことができるのだが、ここで様々なヒントを得て、それに基づいてフラグを立てなければならない。

6日めの夜に魔女との決戦になるのだが、それまでにすべてのフラグを立てておかないと相棒の魔導士メスロンを召喚できず、魔女のいる世界に行くことができない。

 

このフラグ立ての条件がとにかく厳しい。

恐らく一回目でこの条件を揃えるのは、ほぼ不可能だと思う。

「この条件を満たさないと、このフラグが立たず、そのフラグを踏まないとこの選択肢が出てこない」

と下手な電子ゲームなどよりも、よっぽど込み入った作りになっている。

 

物語は学園ホラーで、スリルがある。

誰が本物で、誰がレプリカンとすり替わっているかが分からない。

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(引用元:「ティーンズ・パンタクル」鈴木直人 幻想迷宮書店)

夜、A、B、C、Dの子、どの子を信用して一緒に過ごすかなどのイベントがある。

それまでの物語でヒントを得ていれば、誰と過ごすのが正解かきちんと分かるようになっている。

 

あてずっぽうに選択肢を選ぶのではなく、文章を読み込んでヒントを拾い、考えて選択肢を選んでフラグを立てなければ、ゲームをクリアすることができない。

そんな歯ごたえのあるところが「ティーンズ・パンタクル」をはじめとする、鈴木直人のゲームブックの面白さだ。

 

今回、三回やり直してやっと「ティーンズ・パンタクル」をクリアすることができた。うろ覚えの記憶があったにも関わらず、かなり難しかった。(こんなに難しかったっけ??)

 

鈴木直人の他の作品も面白い。

「パンタクル」

「ティーンズ・パンタクル」は、もともとは「パンタクル」という天才魔導士メスロンが主人公のゲームブックのスピンオフとして発売された。

パンタクル1 メスロンサーガ (幻想迷宮ゲームブック)

パンタクル1 メスロンサーガ (幻想迷宮ゲームブック)

 

ちなみに「パンタクル」は、魔法システムが非常に独特で面白い。

よくある

「〇〇を唱えるなら(一)へ。▲▲を唱えるなら(二)へ。◇◇を唱えるなら(三)へ」というものではない。

 

「パンタクル」の魔法にせよ、「ティーンズ・パンタクル」のアドベンチャーゲーム顔負けの複雑なフラグ立てにせよ、「こんなことが紙媒体のゲームブックで可能なのか」というシステム を一冊ごとに組み込んでくるのが鈴木直人のすごいところだ。

 

面白いゲームブックはたくさんあるのだが、やはり自分の中で一番のゲームブック作家はこの人だ。

 

「スーパー・ブラックオニキス」

鈴木直人のゲームブックで一番有名なのは「ドルアーガの塔」だと思うが、この「スーパーブラックオニキス」も面白かった。

もともとはパソコンのゲームらしいが、そちらはよく知らない。

レベル別になっている5つのダンジョンを巡るゲームなのだが、単純な迷路ではなく、飛び石があったり、回転扉だらけの迷路があったり仕掛けが豊富で飽きることがない。

 

「スーパーブラックオニキス」で一番いいと思ったことが、ダンジョン探索の拠点となるウツロの街の住民の性格が悪かったところだ。

どいつもこいつも抜け目がなく、油断するとひどい目に合う。すぐに街を警護する黒騎士に通報されて捕まる。

そういう現代の日常で生きていると余り感じられない、容赦のないダークさが良かった。

「ソーサリー」もそうだが、やはりファンタジーは、現代社会の常識や感覚に縛られない世界観のほうが面白い。

スーパー・ブラックオニキス (創元推理文庫)

スーパー・ブラックオニキス (創元推理文庫)

 

 

まとめ

「ゲームブックって適当に選択肢を選んで、詰まったら前のページに戻って別の選択肢を選んでいけば、いつかはクリアできるでしょう?」

そんな風に思っている人にこそ、ぜひ、鈴木直人のゲームブックをやってみて欲しい。

クリアしたときは、大作ゲームをやり終えたのとまったく同じ達成感を味わうことができると思う。

 

余談:Kindle版のここがちょっと・・・。

選択番号をタップすると、その番号に飛ぶのですごくプレイしやすい。

ただ、その選択肢でたまにタップしても飛ばないものがある。組み込みミスだと思うのだけれど。

あと選択肢の抜けや記号の間違い、番号の記載ミスが何か所があった。一か所、すごく重大なミス(だと思う)を見つけた。クリア不可能ではないけれど、この選択肢がなくなるとクリアがかなり難しくなる。自分の記憶が正しければ、原本にはきちんとあったと思う。

移植するときに、しっかりチェックして欲しかった。

 

フラグがすごく複雑だから、一か所でもミスがあるとクリア不可能になる可能性もある。

この複雑さこそ、鈴木直人のゲームブックの面白さなのだから、それが台無しになってしまうようなことがあると非常に残念に思う。

 

*あくまで個人的な感想ですが、Kindle版をプレイするうえでこういう不具合を感じました。購入される場合は、こういったことを考慮したうえで、自己責任でご購入くださいますようお願いいたします。

 

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