うさるの厨二病な読書日記

生涯中二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好きも嫌いも全力で語るブログ。

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【ネタバレあり】「楽園追放ーExpelled from Paradise-」を見たので、良かったところと気になったところを語りたい。

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 他の人のレビューでちょくちょく目にして気になっていた、アニメ映画「楽園追放」をAmazonプライムビデオで見た。

 

主人公のアンジェラが「いかにも」なロリ巨乳美尻キャラなので「キャラありきの物語がうっすい映画だったらイヤだな」と思って少しためらっていたのだけれど、評判がいいことと、脚本が「まどマギ」を書いた虚淵玄だったので観てみることにした。

 

「独断と偏見による、こんな人におススメ」

可愛い女の子の活躍を堪能したい人。

魅力的なキャラによる王道の物語が好きな人。

迫力のあるバトルシーンが好きな人。

暗い物語や陰鬱な展開が苦手な人。

 

 

ネタバレ感想

キャラクターが良かった。

メインとなるキャラは三人と少ないのだが、この三人がとても良かった。

 

アンジェラは文句なく可愛い。特に最後の戦闘シーンでは、今までに見せなかった多彩な表情を見せてくれる。巨乳美尻の可愛いアンジェラが観れるだけで、十分、見る価値があると思う。

ディンゴは冷静で世渡り上手、それでいながら義理人情に厚く優しく、何かに夢中になれる少年のような面もある、絵に描いたような魅力的な大人の男だ。

自分がこの二人以上にいいと思ったのが、フロンティアセッターだ。

心優しく純粋で、人間以上に人間らしい。フロンティアセッターとディンゴが音楽の話題で盛り上がるシーンは泣ける。帽子をかぶってギターを背負っている姿も可愛い。

こんなAIと仲良くなったら、確かに「人間であるってどういうことなんだろう」と考えてしまう。

 

このテーマは今の時代、当たり前のものではないのかもしれないという怖さ

肉体やそこからくる感覚を「不便だから不要なもの」と切り捨てる「仮想空間で十分。むしろなぜ、肉体何ていう不便なものに縛られなくてはいけないのか」というのは、昨今の物語ではお馴染みのテーマだと思う。

「肉体に縛られないことが本当に自由なのか」現代のネット社会への問題提議も含めて、何度も描かれてきた。

 

ディンゴが言う「骨が鳴るような感覚を経験する」ことが、色々なことを知る、体験する、感じるということで、それは人間にとって不可欠な大切なことなんだ。それを感じることが「人間らしい」ということなんじゃないか。

創作物でそう語られるたびに、「それって当たり前のことじゃないか?」と思っていた。けれど、「それが当たり前ではない」、「楽園追放」で言うとディーヴァのようなあり方を「それが何で人間らしくないのか分からない。それの何が問題なのか分からない」と考えている層がいるんじゃないか、と考えるようになっている。

 

最近、びっくりしたのが「ネットオンリーの人間関係とリアルの人間関係の何が違うのか分からない」という意見を読んだことだ。

ネットというのは、自分の都合のいい部分しか出さなくていい、相手の都合のいい部分しか受け取らない、個人的にはそういう特性があると思う。

相手の反応を受け取るか受け取らないか選べるから、リアルではできないディープな話もできるのだ。

リアルとネットの人間関係はそれぞれいい面と悪い面があり、どちらのほうが優れているとも思わない。だがはっきりと違うものだ。

 

今まではこういうテーマの物語が語られるたびに「バーチャルとリアルの違いが分からない主人公が、その違いに気づき成長していく。お約束の展開だよね」と思っていたが、本当にそんな人が出てくるとは思いもよらなかった。

 

そういう意味では、今後こういう「人間である、とはどういうことなのか」というのは「お約束のテーマ」としてではなく、この映画のように「本当に分からない」という人に対して真正面から語られるようになっていくのかもしれない。

 

王道のストーリー展開

そういう風に考えたのは、「人間らしさとは何なのか」「人間である、とは一体どういうことなのか」ということが、王道から一歩もはみ出すことがなく語られていたことがすごく意外だったからだ。

「自我に目覚めたロボットと人間に違いはあるのか」や「肉体的感覚を捨てても(バーチャルな存在になっても)、人は人と言えるのか」などこの辺りは数々の物語で繰り返し語られているテーマだし、テーマの提示の仕方も語られ方も結論も、個人的には目新しさは感じなかった。

能力はあるのに、あえて不便で肉体で原始的な世界で生きるディンゴ、自我を持ち豊かな感受性を持っていて、人間以上に人間らしいAIフロンティアセッター。

そんな二人?と交流するうちに「肉体的な感覚を不便なもの、邪魔なもの」としか感じていなかった主人公が、今まで「不要なもの」と思っていた世界を知りたいと思うようになる。

 

「まどマギ」は見たことがないのだけれど、ダークな展開だと聞いていたので、この物語もダークになるに違いない、「ディンゴが最後に裏切る」くらいの展開になるんじゃないかと思っていたので、いささか拍子抜けした。

個人的にはメインキャラクターの三人が余りに善人すぎるので、もう少し人間の醜い面や弱い面、卑しい面を描写しても良かったのではないかと思う。

 

「肉体があることの理不尽さ」も、「傷つき、動けなくなるリスクがあっても、生身を選ぶ」という描写をして、初めて「生身であることの価値」が語れるのでは、と思う。(ディンゴが言葉では語っていたけれど。)

 肉体の不自由さや醜い感情、人間の負の側面を描かなければ「人間であることとは、どういうことなのか」ということは描ききれないのではないかな、と思っていた。

 

ただ前述したように、それが「お約束のテーマを深堀りする」のではなく「本当に分からない(ディーヴァ側の発想)の人に対して、それがどういうことなのか」を語ることを目的にしたからなのかもしれない。

この映画で(主にディンゴが)語っていることが本当に分からないという人が増えていると感じて、こういう物語にしたのかもしれない、と思った。

 

まとめ

「楽園追放」はとても魅力的なキャラクターによる、心がざらつくことがない王道の心地いい物語を存分に楽しむことができる。

バトルシーンなども見ていて楽しい。

もう少し深く掘り下げても良かったかな、と思う部分もあったけれど、その点を踏まえても十分面白い映画だった。

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