うさるの厨二病な読書日記

生涯中二の着ぐるみが、本や漫画、ドラマなどについて好きも嫌いも全力で語ります。【ネタバレ前提です。注意してください】

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【ネタバレ感想】アニメ版「シュタインズゲート」は、すぐに二回目が見たくなる。

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アニメ版「シュタインズゲート」全24話を見終わった。

とにかく色々と考えたくなる面白さで、二週目はメモを取りながら見た。作中の時系列や考察についても記事を書いた。

www.saiusaruzzz.com

こちらは考察などはナシの感想だけを書く。

 

10話くらいから急激に面白くなった。

厨二全開、ネット用語や漫画用語全開のノリについていけるかどうかが序盤を楽しめるかどうかの鍵だと思う。

自分は見ているのが辛かった。

キャラもセリフも会話も全てが寒い。厨二全開の会話を客観的に見ているのが、こんなに辛いものだとは思わなかった。ギャグもまったく笑えない……。

 

特に主人公の岡部のキャラクターは、もう少しどうにかならなかったのかと思う。仲間のため、好きな人のために必死でタイムリープを繰り返す姿は胸を打つけれど、それはそれとして、最後まで好きになれなかった。

前評判で「とにかく序盤は我慢してくれ。10話くらいから面白くなるから」ということを聞いていなければ、確実に見るのを止めていたと思う。

 

序盤は冗長だけれど、面白い部分も多い

とはいえ、そういったキャラクターの寒さや冗長さを除けば、序盤も面白い要素はあった。「刺されたはずの紅莉栖がなぜ生きているのか」という謎にも引きつけられた。

序盤で一番良かったのは、セルンの実験データの恐ろしさだ。

一体何の実験なのかという謎、実験結果のおぞましさ、セルンという組織の怖さや主人公たちの恐怖がよく伝わってきた。個人的には、こういうサスペンステイストの方向性でやってくれたらなあと思った。

 

「シュタインズゲート」は、中盤から終盤までの息をつかせぬ展開がすごく、十分楽しめる物語だった。まゆりに死の運命が訪れる13話から先は、途中で見ることを止めるのが難しいほど面白い。

 

テーマは、絞り込んだほうが良かったかもしれない

ひとつ残念だったのは、全体的にテーマがぶれていると感じた点だ。あれもこれも詰め込んだせいで、SFなのか恋愛なのか、サスペンスなのか、運命の悲劇性なのか、どれもこれも今ひとつ食い足りない気がした。

和やかな日常とシリアスな展開の対比を見せるのはいいと思うけれど、それが余りに行ったり来たりで、数話の中ですら一貫性がないと、さすがにもう少し統一したほうがいいのでは、という気になってしまう。

まゆりの死の運命、鈴羽の絶望を表した手紙、萌郁との攻防、萌郁の殺害など中盤の暗い展開が好きなので、どうせだったら最初から終わりまでメインはこの雰囲気でやって欲しかった。

 

また原作のゲームがそういう作りだからなのだろうけれど、まゆりのためにあれだけタイムリープを繰り返し、色々な思い出を反すうしながら彼女の大切さを改めて確認していた岡部が、唐突に紅莉栖に好きだ、と言い出した時は驚いた。

えっ??? まゆしいルートじゃなかったの??

しかも紅莉栖を選んでおきながら、紅莉栖が死に、まゆりが生きるβ世界線を選ぶのもいまいち納得しづらい。

過去を変える、運命を変える、自分の選択が人の生き死にまで左右してしまう、というのはとてつもない重みを持つと思う。

既存のタイムトラベルものの主人公たちは、たった一人のために、他の全てを切り捨てて自分の身にあらゆるリスクを背負い、その力を行使することが多い。

「自分の全てを捨てて、他のありとあらゆるものを犠牲にしてでも、たった一人のために過去を変えるという本来は人間に許されないことをやる」

からこそ、その力の重みやその対象の大切さを描写できるのではないかと思う。

岡部がまゆしいを仲間、幼なじみとして非常に大切に思っていることは分かる。他の世界線の記憶を持つ自分の孤独をたった一人分かって常に支えてくれた紅莉栖に好意を持つのも分かる。

そういった心境は十分、描写もされているとは思うけれど、「過去を繰り返し改変する」という禁忌を犯すには、通常の描写では足りないのではないか、というのが個人的な意見だ。

 

α世界線の鈴羽に、タイムリープものの残酷さがよく表れていた。

自分の中でこの作品の中で、一番、その重みを背負っていたのは、α世界線の鈴羽だ。

自分の今までの生活を全て捨てて、使命のために戻れない過去へたった一人で行く。

そういうリスクを背負っているからこそ、その使命感に胸を打たれるし、0.337187の世界線で彼女が味わった絶望のすさまじさが分かるのだ。

「シュタインズゲート」で自分の中のベストは間違いなく16話であり、鈴羽からの手紙だ。「無意味だった」という言葉に「そんなことはない」と言うことすらできない、深い絶望感。

あのシーンだけ、別の物語のようだった。

ああいうのを見たあとに、β世界線の鈴羽を見ると、その様子に拍子抜けしてしまう。同じように人類の未来がかかっているけれど、αの鈴羽は、そんなものじゃなかったぞ。

まあ、幸せそうでよかったな、とは思うけれど。

 

キャラクターについて

というわけで、キャラクターは圧倒的に鈴羽が好きだ。

α世界線の鈴羽は強い使命感と責任感を持っており、過酷な境遇で育っただろうに、明るく朗らかな性格をしていていい。「失敗した」の手紙はグッときた。

シュタインズゲートの世界では幸せになって欲しい。

まゆしいと紅莉栖も好きだ。

何だかんだ言ったけれど、幼なじみでずっと側にいた女の子と、天才でありながら抜けているところもあり、いついかなる時も自分の味方でいてくれる女の子では、そりゃあどちらかは選べない。

苦手なのは岡部とフェイリス。好きな人には申し訳ないが、この二人の会話は聞いていて辛い。全部カットして欲しいくらいだ。

橋田はそうでもないので(むしろ面白い)不思議だ。内容ではなく、芝居がかっているか否かが大きいのかもしれない。

 

色々書いたけれど、とても面白かった

不満点も書いたものの、「シュタインズゲート」は、謎を説き明かすために何回でも見たくなるような、そしてそれが苦痛ではない、とても面白い物語だった。

一回目を見た後に二回目を見ると、細部までよく考えられていることが分かる。

パズルのような構造も楽しめるし、残酷な運命に大切なひとのために何度でも立ち向かうタイムリープもの特有のテーマもあますことなく味わえる。

 

序盤の苦手な展開に屈せず、見てよかったなと思った。