うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

【漫画感想】「モンキーピーク」6卷。猿との総力戦であの人も犠牲に。その結末は? 

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この記事は原作志名坂高次、作画粂田晃宏「モンキーピーク」6卷のネタバレ感想です。

未読のかたはご注意ください。

 

2018年7月発売の7卷の感想はコチラ↓

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  [:contents] 

 

「メモは罠だ」って、何の罠だよ。

思わず突っ込んじゃったよ。

そもそも自分たちよりも圧倒的に人数が多い相手に問答無用で襲いかかってきて殺戮しまくっているのだから、罠にかける理由がないだろう。もう人数もだいぶ少なくなってきていて、体力は激減、怪我人までいる相手を罠にかける必要がない。

自分たちの手の内がバレ出して、相手も窮鼠の状態になっている。だから一人ずつおびき出して殺したい、と言ってもなあ。皆殺しにしたいのならば、遠野が言う通り、封鎖して餓死するのを待てばいい。

 

そもそも「罠にかける」のは、保身しつつ相手を殲滅したいときだけで、猿側は四十人相手に一人で襲撃をしかけている時点でそんなことを考えていないでしょう。

物事を隠蔽するために、自分たちの保身のために、巧く綺麗に殺そうとする人間の発想じゃない。

今までの経緯を考えると「罠だ」って考えること自体がナンセンスなんだよね。

 

という風に考えれば、安斎が「猿の仲間」説もどう考えてもおかしいだろう。

それなら宮田たちが出て行った時点で佐藤たちを皆殺しにしているし(猿に襲われて、一人だけ生き残れた、とかいくらでも言えるだろう。実際に猿の仲間なら、猿を引き入れて殺してもらえばいいし。)氷室や早乙女も拷問なんてしないで「怪しい」と難癖つけて殺しているだろう。

これを主張しているときの宮田は、明らかに疲労で感情的になっておかしくなっている風なので、人間追い詰められるとこうなるという描写なのは分かるけれど、八木や早乙女、林まで同調してしまうのは解せない。

 

特に林は5卷で「それに…変だと思わない? 猿たちは私達を皆殺しにしようと思えば出来たのよ。そのチャンスも方法もあった…っ。私達は生かされたのよ。その事には必ず意味がある!」って言っていたのに。

猿の行動を見ていると、たぶんこの林の考えが一番正しい。

ただ皆殺しにしたいだけならば、こんなまだるっこしい方法をとらなくても、いくらでもやり方はあるし、第一「今夜襲う」なんて宣言しないだろう。

林はこんな状況でもしっかり自分の頭で考えられる人だったのに、どうしたんだよ急に。

相手が安斎になると、急にしっかりと物事を検証して考えるのが面倒臭くなる、というのならば、それはそれでリアルな気もするけれど。

 

八木もそれくらい分かると思うのだけれど、むしろ「安斎猿の仲間説」に宮田を誘導している。

「戦っているフリ」をしていたのは、あんたじゃないのか?と言いたいところだが、薫が死んだときの様子は演技とも見えないしなあ。他の人間が見えないところでも、ショックを受けている描写もあるし。

この辺りは、八木の目的はよくわからなかった。

 

このあと、佐藤を人質にして「逃げようとしている」ことを見ても、猿の目的は皆殺しではない。ただ「目的は皆殺し」と錯覚させたい。そういうことだと思う。

動機から足がつくだろうから動機を隠蔽したい、長谷川が仲間にいるのならば、関係ない人間はなるべく殺したくないと思っている、というところなんだろうけれど、犯人視点で見るならば事ここに至ってはもう腹をくくって皆殺しにしたほうがいいような気はする。

関係のない登山者まで殺してしまっているんだから、なるべく殺しはしたくないとか絵空事にすぎないでしょう。

 

メモの目的は何なのか?

田中に対するメッセージではないか、という仮説を立てた。

田中は矢ノ口落としで実は猿に連れ去らわれていた、もしくは一緒に崖から落ちていたかで猿に脅されている。

その時に内部の情報を得て、それを話せば逃がしてやる、という取引が成立していた。あのメモを見て田中は猿にそれを話しに行き、逃がしてもらう、と見せかけて猿は田中を口封じのために殺している。

なので、当然助けはこない。

そんな感じじゃないかな? 

そもそも田中は崖から落ちて怪我ひとつなく元気、というのも不思議だったし、佐藤や遠野、南がハンガーノックに陥っていたときに、田中は特にそんな様子もなく安斎についていけていた。田中は開発室の人間で、特に身体を鍛えていそうにも見えないし、他の人間よりも年齢も上に見える。

猿に接待?されていたから、比較的元気なのではと考えた。

 

遠野の確証バイアス

「自分が信じたい結論ありき」で、その結論の根拠となりそうな事象だけを取り上げて、結論と矛盾する事象は無視してしまう。

宮田が「安斎猿の仲間説」を信じこんでしまったときは、この確証バイアスに陥っていたけれど、遠野もそっくり同じことをやっている。

追い詰められた環境下だから仕方ないのかもしれないけれど、理系としてそれはマズイのでは? と思う。実験などでは一番やっちゃいけないことじゃないのか? 

 

何で「自分が役立たず」な情報ばかりを拾い集めるかな。

「外人に絡まれた同級生を助けられなかった」云々の話ひとつをとったって、そのフリーターの彼が凄いだけであって、役立たずだったのはその場にいた全員同じだろう。

その論法でいくなら絡まれたあげく、その対処を自分でできなかった奴らが一番の役立たずだろう。

何で、「自分一人がダメ」という結論になるかな。

自分の役立たずぶりを棚に上げて、他人を「役立たず」なんて責める奴らが一番どうかと思う。

 

「自分は役立たず」だという結論ありきで、そのための「自分がダメだった」ときの事象ばかりを拾い集めて、負の確証バイアスに陥って自爆行為、死に際のセリフが「理系をなめるな」ってひどすぎるだろう……。

遠野の生き方をないがしろにしすぎだと思う。

自分はこういう「いい話風にするために」キャラを粗末に扱うってすごく嫌いなので、このエピソードはかなり残念だった。

個人的には納得いかないけれど、これで佐藤が覚醒して、生き残った暁には罪を受け入れる覚悟で、前向きに生存のために戦って欲しい。

そうじゃないと、遠野…可哀相すぎる…。

 

メインの話は次回に持ち越し

展開は面白かったけれど、メインの話はほとんど進んでいないな。

日本刀は、出てこなかった。もしくは、猿の中身だったのか。

寺内の靴の行方も行き詰っているし。

とりあえず真相については、次巻以降に持ち越し。

 

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