うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

【漫画感想】既刊3卷までを読んで、東元俊哉「テセウスの船」の犯人を考察してみた。

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本記事は3巻までを読んだ時点での考察になっています。

2018年9月に発売した「テセウスの船」5卷までのまとめと考察はコチラ↓

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8巻までの感想

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東元俊哉「テセウスの船」を、既刊3卷まで読んだ。 

 

主人公の父親は、主人公が生まれる直前に「小学校の児童教職員、合わせて21人を殺害した罪」で捕まっている。父親は捕まってから28年間、一巻して無罪を主張している。主人公が28年前にタイムスリップして、事件の真相を解明しようというストーリー。

「僕だけがいない街」に似ている、という感想を見たが、個人的にはこっちのほうが好きかな。まだ完結していないので、何とも言えないけれど。

 

タイムスリップものにおいて、未来を変えようとしてどんどん予想外の出来事が起こるのはお約束だ。「テセウスの船」の面白いところはそれがいいことなのか悪いことなのか、はっきりしないところだ。

「恐らく悪いほうへ向かっている」という不吉な感じがあるけれど、はっきりとしたことが分からないのでとにかく起こっている出来事に対して、登場人物たちは最善を尽くす。しかしそれが裏目に出ている……というより、裏目かどうかもよくわからない。

どんどん主人公の心(シン)が未来で知っている事件とは、別のことが起こる。最初は少しずつ、そしてその違いはどんどん拡大していく。

 

最終的には、事件そのものがまったく別物になるのでは? だから「テセウスの船」か。

このどっちに転ぶか分からない緊迫感と不安が、ずっと続いて欲しい。

「テセウスの船」という題名はもうひとつ、主人公の心が、父親が付けるはずの名前だった「正義」に名実共になる過程を表しているのだとは思う。その展開も今から想像するだけで胸熱だ。

 

3卷まで読んだ時点での犯人予想

3卷までの情報で、犯人は誰かと考えてみた。

連載している最新話でも、たぶん犯人はまだ分かってないよね? 6月22日(金)に四巻が発売されるので、情報が増えたら考え直すかもしれない。

 

とりあえず三巻までを読んだ時点では…。

うーん、子供じゃないかと思うんだわ。

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 (引用元:「テセウスの船」2卷 東元俊哉 講談社)

「ウサギ殺し」の動機を田中に言った人物が犯人とは限らないけれど、とりあえずこの言葉の人物=犯人と考える。

この時点で田中の家にいたのは、子供たちと翼だけだ。長男の正志はいたのかもしれないけれど画面には出てきていないし、「田中のお爺ちゃん」という呼び方もしないと思う。

 

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 (引用元:「テセウスの船」1卷 東元俊哉 講談社)

カセットテープの文字を見ても、子供のもののように見える。

字の下手な大人もいるので一概には言えないけれど、自分も字が下手、とよく言われるけれど、さすがにこの字よりは上手いと思う。(たぶん) 

 

また心がいない歴史(正史)では、2月5日に死亡した田中義男を「近所に住む少年」が発見したことになっている。ミステリーでは第一発見者を疑えは鉄則だけれど、この「近所に住む少年」の名前はかすれて読めない。

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 (引用元:「テセウスの船」1卷 東元俊哉 講談社)

 

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 (引用元:「テセウスの船」1卷 東元俊哉 講談社)

 

鈴が明音とおそろいのキーホルダーをつけていることは大人は余り知らないんじゃないかと思う。このキーホルダーの件で鈴と明音がもめたときに、現場にいたのは子供だけだった。

鈴のキーホルダーを落としてあったのは、佐野に鈴を疑わせるためかなと思った。それを翼が明音の死体を持って行ってしまったために、「計画が滅茶苦茶になった」のでは。

翼は「お稲荷様に怒られるからね」と言ったり、最期もお稲荷さんの前で死んだ。

一巻で心が出会った男の子が「お稲荷様」なのかな?

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(引用元:「テセウスの船」1卷 東元俊哉 講談社)

 

髪型だけを見ると佐藤陽っぽい。ただ佐藤は6月24日のお泊り会で死亡している。

オレンジジュースに毒物を入れるのは、学校に忍び込んで誰でも入れられたのだろうか? その場にいた人間じゃないと難しくないか?

出てくる登場人物の中でお泊り会で死んでいない人間となると、消去法で加藤みきおになる。お泊り会で意識不明になったけれど、一命はとりとめている。

消去法以外にも、明音が発見された山小屋に佐野と心を誘導している。

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(引用元:「テセウスの船」3卷 東元俊哉 講談社)

 

翼が「もし三日後に運よく明音ちゃんが見つかっても…」という言葉を言っているので、三日後にこうやって誘導して発見させる手はずだったのかなと思う。

ただ実際に発見されたのは二日後。このタイムラグはよく分からない。

翼が犯人の手下になっているのであれば、青酸カリは紀子→翼→犯人のルートで手に入れられる。

 

翼がなぜ「お稲荷様」を恐れるのかはよくわからないけれど、「ウサギ死んだのってお稲荷様の祟りだったりして」「お稲荷様の祟りにあった一族が」という2卷にあった子供たちの雑談が、意外と重要なのかなと思った。

ただ他の村人は、まったくお稲荷様を恐れたり信仰している感じではないから、これもよく分からない。翼が個人的に脅されていただけなのかもしれない。

 

色々と考え合わせると、今のところ、加藤みきおが有力かなという気がする。

ただまだ色々と分からないことがある。

・2月5日(日)に明音と会ったあと、鈴はどこにいたのか? 何故何も話さないのか?

・子供が犯人だとすれば、あの大雪のなか、一人で山小屋まで行くことが可能なのか?

・正史で、なぜ佐野は鈴をお泊り会に参加させなかったのか?

 

この辺りも徐々に明らかになるのかな?

というわけで6月22日発売の四巻を楽しみにしています。