うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

「他人にとってリスクである自分」と正面から向き合った「赤ずきんの狼弟子」は、素晴らしい漫画だった。

評判が良かったので、茂木清香「赤ずきんの狼弟子」を既刊三巻を購入した。 赤ずきんの狼弟子 作者: 茂木清香 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 無力な人間、人間を喰らう獣人、獣人を狩る本能を持つ狩人の三種の人種が存在する世界で、「最…

神川県伊勢原市の大山を舐めて登ったら、死にそうになった。

先日、神奈川県伊勢原市にある大山に行ってきた。 www.ooyama-cable.co.jp 友達が子供のころ親と行ったことがあるという話から、都心からも近いし行ってみようということになった。 親子連れがハイキングを楽しむような山だろう、余裕余裕と舐めていた。自分…

七瀬夏扉「ひとりぼっちのソユーズ」の感想と編集者の「失敗だった」という言葉について勝手に考えた話。

kakuyomu.jp この記事を読んで、「ひとりぼっちのソユーズ」を即座に購入した。 共感したからとか同情したわけではなく、この文章を書く人の本なら面白いだろうと思ったからだ。 最初は他のコンテンツと同じように、作者や背景とは切り離して小説そのものの…

厨二病のバイブルとしてのJ・D・サリンジャー「フラニーとゾーイー」

厨二病とは「他人(社会)から見られている自分、求められている役割」と自分の内面とのギャップに折り合いがつけられない、もしくはつけていない状態だと思っている。 このブログに厨二病とつけたのは、書き手である自分は、社会から与えられた属性に縛られ…

ブログを書くのは、賽の河原で石を積む行為に似ている。

ブログを始めて三年経つので、今の時点で思っていることを書こうと思った。 昨年の記事を読んだら、考えていることが大して変わっていなかった。 自分にとってのブログ。 自分はブログを、仕入れた知識を独自の分類方法に基づいて区分けした、図書館みたい…

【Bリーグを初観戦したい人向け】Bリーグの魅力とおススメな観戦のしかたを話したい。

21年ぶりのバスケワールドカップ自力出場が追い風となってか、Bリーグの観客動員数が増えている。B1全チームの平均観客動員数が、初めて3000人を突破したそうだ。 千葉ジェッツはBリーグ通算観客動員数が40万人を突破した。 先日、千葉ポートアリーナで行…

ジョルジュ・バタイユ「眼球譚」を読んで、やりきれない気持ちになった。

ジョルジュ・バタイユの本はタイトルに心惹かれるものが多かったので、処女作の「眼球譚」を読んでみた。 眼球譚(初稿) (河出文庫) 作者: ジョルジュバタイユ,Georges Bataille,生田耕作 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2003/05/01 メディア: 文庫 …

松本清張「遭難」は、出題編のみにとどめておけば傑作だった。

先日、他の記事で紹介されていた松本清張の短編「遭難」が面白そうだったので、即購入した。 松本清張映画化作品集〈3〉遭難 (双葉文庫) 作者: 松本清張 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2008/07/10 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 5回 この商品を含む…

【漫画感想】望月峯太郎「ドラゴンヘッド」は、あの名作の熱い感想文として読んだ。

望月峯太郎「ドラゴンヘッド」全10卷を読んだ。 昔、読んでいたけれど、途中で買うか借りるかを止めてそのままだった。 過激な悲惨さや陰惨さを過剰に詰め込んだパニックホラーというイメージだったが、全然違った。 「ドラゴンヘッド」は自分が覚えていたよ…

「ラングリッサー」のキャラクターデザインの変更が残念な件と思い出話。

PS4で「ラングリッサーⅠ&Ⅱ」が4月に発売する。 www.langrisser.com たぶん買う。 Ⅲまでしかやっていないけれど、Ⅰ・Ⅱ・Ⅲはかなりのめりこんでやった。懐かしい。 Ⅰがメガドライブからプレステ(だったかな?)に移植されたとき、何かの事情で自分が一番好…

「蠅の王」の新訳と旧訳の読み比べをしながら、翻訳について考えたこと。

2017年にウィアリアム・ゴールディングの「蠅の王」の新訳が出たので、購入して読んでみた。 蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫) 作者: ウィリアムゴールディング,William Golding,黒原敏行 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2017/04/20 メディア: 文庫 …

第12回スーパーダッシュ小説新人賞優秀賞受賞作「代償のギルタオン」のいい点と問題点を勝手に考えた。

神高槍矢の「代償のギルタオン」の既刊三巻までがまとまった合本を読み終えた。 「え? ここで終わり?」というところで終わっている。三巻の初版が2014年7月なので、続きが出ることを期待するのは難しいかもしれない。 よく見たら、合本版も「全」3卷に…

読めば読むほど、何故冒険に行くのか分からない。角幡唯介「空白の五マイル -チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む-」

www.saiusaruzzz.com イギリスから北米大陸に出る航路を探す旅の途中で全滅したフランクリン隊の足跡を追う、北極探検記「アグルーカの行方」が滅茶苦茶面白かったので、続けて購入。 ツアンポー峡谷という場所自体、自分にとってはとても価値があるところだ…