うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

そう言えば、冷戦下の白色テロを描いたコンテンツは「返校」くらいしか知らない。

先日買った「世界」3月号に、「冷戦期の大量殺害をグローバルに考察する」というタイトルで「ジャカルタ・メソッドー反共産主義十字軍と世界を作りかえた虐殺作戦」を紹介している記事があった。 共産主義思想への弾圧は戦前の話は比較的伝わってきている。…

伊藤昌亮「ひろゆき論ーなぜ支持されるのか、なぜ支持されるべきではないのかー」を読んだ感想。

世界 2023年3月号 岩波書店 Amazon 伊藤昌亮「ひろゆき論」を読んだ。 この記事で一番良かったところは、自分自身の感覚や感情はおいておいて、「ひろゆきの言動への支持が広がるのは何故か」という理由を解き明かすことを重視しているところだ。 記事を読も…

「他人から見た評価はわからないが、何故か心惹かれる創作」が、たまにある。

*本記事には「サマータイムレンダ」及び「君が獣になる前に」のネタバレが含まれます。 客観が主観を凌駕するとは限らんぜ。事実が妄想を吹き消すとは限らんぜ。 (引用元:「騎士団長殺し 第一部 顕れるイデア編(上)」村上春樹 新潮社 P256/太字は引用者…

【漫画感想】さの隆「君が獣になる前に」6巻まで。この話の面白さは、「物語が語ることができないもの」にある。

*ネタバレが含まれます。未読のかたはご注意下さい。 君が獣になる前に(1) (ヤングマガジンコミックス) 作者:さの隆 講談社 Amazon 読めば読むほど連載でサスペンスは難しいと思う。 一冊の本ならラスト手前まで伏線を張りつつ緩急をつけて最後にどんで…

【「エネアド(ENNEAD)」シーズン1考察】設定&疑問点からの考察まとめ。

「エネアド(ENNEAD)」のシーズン1を読み返して設定と疑問点のまとめ、そこから考察をしてみた。(*シーズン1のネタバレあり。注意) エジプト神話の死生観を頭に入れると、話が理解しやすい。 シュト(影)と鏡、セクメトとハトホルの関係。 太陽神ラー…

【小説感想】「クイズ」という異世界を描く、小川哲「君のクイズ」の三つの読みかた。

インタビューの答えがそのまま書いてあった。 www.saiusaruzzz.com 小川哲のインタビューを読んで、「君のクイズ」に興味を持ち読んでみた。 自分は創作を読む時には作者という概念が頭から消えるタイプなのだが、これは読み終わったとあとに「インタビュー…

「読者がどんな本を買うかは、僕が決めることではない」直木賞を受賞した小川哲のインタビューが凄く良かった。

"> ">2022年1月24日(火)に読売新聞掲載されていた小川哲のインタビュー「直木賞に決まって」がとても良かったので、特に印象に残ったところを抜粋して紹介したい。 高校生のころから、ずっと心に決めているルールがある。 「自分の力ではどうしようもない…

【映画感想】「THE FIRST SLAM DUNK」は、原作と何が違うのかを熱く語りたい。

*本記事には映画「THE FIRST SLAM DUNK」、漫画「SLAM DUNK」のネタバレが含まれます。ご注意ください。 【映画パンフレット】 THE FIRST SLAM DUNK 監督:井上雄彦 声の出演:仲村宗悟、笠間淳、神尾晋一郎、木村昴、三宅健太 スラムダン…

先日読んだ三角関係の恋愛漫画がすごく引っかかったので、何がそんなに引っかかるのか考えてみた。

とある短編恋愛漫画の三角関係に引っかかるものを感じたので、何がそんなに引っかかるのか考えてみた。 諸事情*1あってタイトルは出さないが、読んだことがある人は設定ですぐに気付くと思う。 そこまで複雑な状況ではないので説明する。 状況説明 クロ、モ…

【ゲーム感想&考察】「夜廻」 ゲームとしては難ありだが、「夜の町を一人で探検する怖さ」が秀逸すぎる。

*ネタバレあり。未プレイのかたはご注意ください。 夜廻と深夜廻 for Nintendo Switch - Switch 日本一ソフトウェア Amazon 感想:「夜」を怖さを「これでもか」と楽しめる。 「夜廻」の二周めをクリアした。 一周めは途中で嫌になるくらい死にまくったが、…

エジプト神話の構造や要点がとってものみ込みやすい。「ゼロからわかるエジプト神話」

「エネアド」にハマった勢いで、「エジプト神話について読んでみよう」と思い購入。 ゼロからわかるエジプト神話 (文庫ぎんが堂) 作者:かみゆ歴史編集部 イースト・プレス Amazon 作内で当たり前のように語られている「死者の魂を集めなければ呪いになる」な…

【漫画感想】モクモクれん「光が死んだ夏」2巻まで。ホラーではなく恋愛ものだった。

「このマンががすごい! 2023」オトコ編で一位になった「光が死んだ夏」を二巻まで読んだので、その感想。(ネタバレ注意) 光が死んだ夏 1 (角川コミックス・エース) 作者:モクモク れん KADOKAWA Amazon 二巻まで読んだ感想は、「ホラーではなく恋愛モノだ…

【映画感想】「罪の声」 前半はスピーディな謎解き展開が面白い。後半は犯人たちの行動に「?」となる。

*ネタバレあり。未視聴のかたは注意。 罪の声 小栗旬 Amazon 未解決のまま時効を迎えた「グリコ・森永事件」をモデルにした話。 前半は、一本の糸を引っ張ると芋づる式に謎が次々と明らかになっていくスピーディーな展開が面白い。 冷静に考えれば、いくら…