うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

2018-01-01から1年間の記事一覧

【朝ドラ感想】北川悦吏子脚本ドラマ 「半分、青い」とは何だったのか。

北川悦吏子脚本の朝ドラ「半分、青い」が終わった。 このドラマが「自分にとって」どんなドラマだったのか、という感想を語りたい。 放映中の脚本家のツイートは見ていない。小説も読んでいない。 「半分、青い」という物語の個人的な見方 「半分、青い」は…

【漫画考察】東元俊哉「テセウスの船」5卷までの情報を整理して考察

東元俊哉「テセウスの船」の情報の整理及び考察です。 現在、既刊の5卷までの情報に基づいた考察です。本誌の内容や他のかたの考察及び感想は読んでいません。 3卷までの情報での考察はコチラ↓ www.saiusaruzzz.com 8巻までの感想はコチラ↓ www.saiusaruz…

【ザ・ノンフィクション】「男と女の婚活クルーズ」を見ていて思ったこと。

2018年9月23日(日)に放送された「ザ・ノンフィクション 男と女の婚活クルーズ」の感想です。 44歳舞台俳優のテキサスが、五泊六日の婚活クルーズに参加する。 最も安いプランでも18万円弱の費用がかかるこのクルーズに参加しているのは、高収入の男性ば…

エドガー・アラン・ポー「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」感想

エドガー・アラン・ポーの「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」が、ラブクラフトの「狂気の山脈にて」に影響を与えていたり、大岡昇平の「野火」の外枠になっているという話を聞いたので読んでみた。 ポオ小説全集 2 (創元推理文庫 522-2…

【漫画感想】道原かつみ版「銀河英雄伝説」を読み直して、最高だと思った。

新作アニメを見たこともあり、「銀河英雄伝説」の原作及び道原かつみ版を読み直そうと思って購入した。記事を書くにあたって、ところどころ記憶が薄れているところもあったというのもある。 藤崎竜版も一巻を購入して読んだけれど、イマイチ合わなかった。画…

【ユングのタイプ論を基にしたMBTIでキャラクター&ストーリー考察】「ゲーム・オブ・スローンズ」

MBTIを使ったキャラクター&ストーリー考察シリーズ。 お遊び程度に考えてください。 参考図書はコチラ。 MBTIタイプ入門(第6版) 作者: 園田 由紀 出版社/メーカー: JPP株式会社 発売日: 2011/01/25 メディア: 大型本 この商品を含むブログを見る MBTIへの…

「電子書籍は嫌い、本を読むなら絶対紙だ」という人間が、kindleを購入したので感想を語る。

本を読むなら紙媒体派だった 今まで、「本を読むなら絶対に紙だ。電子書籍で本は読めない」と思っていました。 理由は色々あるのですが、一番大きな理由が とにかく目が疲れて、読み続けられない。 です。 紙媒体だと「目が疲れて読み続けられない」というこ…

【小説感想】推理小説は文学か否か。大西巨人「三位一体の神話」

江戸川乱歩と木々高太郎の「探偵小説論争」に答えた小説 知らないで手にとったのだけれど、「三位一体の神話」は雑誌「ロック」の誌上で行われた江戸川乱歩と木々高太郎の「探偵小説は文学か否か」論争に対する、大西なりの答えとして書かれたらしい。 上卷…

NHKスペシャル未解決事件「警察庁長官狙撃事件」ドラマ版は、ベテラン俳優の演技が圧巻だった。

9月8日(土)に放送された、NHKスペシャル未解決事件「警察庁長官狙撃事件」のドラマ版の感想。 www.saiusaruzzz.com ドラマ版ではより一層、警察組織の問題点が浮き彫りになっていた。 一週間前に放送されたドキュメンタリー版を見て、「一度、一定の方向…

NHKスペシャル未解決事件「警察庁長官狙撃事件」を見て、組織の怖さを思う。

この番組を見て、「そういえばそんなことがあったなあ」と思い出した。 www.nhk.or.jp 1995年3月、地下鉄サリン事件の直後に起こった「警察庁長官狙撃事件」。 2010年に時効を迎えたこの事件の真犯人を名乗る男から、2013年にNHKに手紙が届く。 手紙の主は…

考察亡者のための備忘録「DARK SOULS  TRILOGYーArchive of the Fireー」を購入!

楽しみにしていた「DARK SOULS TRILOGYーArchive of the Fireー」が8月31日に手元に到着した。 DARK SOULS TRILOGY -Archive of the Fire- 作者: 電撃PlayStation編集部 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2018/08/31 メディア: 単行本 この商品を含むブロ…

気分が悪くて最後まで読めなかった。ジョン・クラカワー「信仰が人を殺すとき」

「荒野へ」の作者ジョン・クラカワーの本 ジョン・クラカワーの「荒野へ」が大好きで、何回も繰り返し読んでいる。 先日「何か面白い本はないかな」と思ったときに、同じ作者の本を読んでみようと思い本書を購入した。 信仰が人を殺すとき 上 (河出文庫) 作…

「恐すぎる‼」と大反響 松原タニシ 事故物件怪談「怖い間取り」

日曜日の昼間にやっている「ニノさん」だったと思うが、一度だけこの本の作者である「事故物件住みます芸人」松原タニシを見たことがある。その時の話は怖いものではなく、ほのぼのとした話だった。 なので、この本についている「『恐すぎる‼』と大反響」と…

【アニメ感想】「魔法少女まどか☆マギカ」に違和感を感じたのは、男の美学の物語だからかもしれない。

「魔法少女まどか☆マギカ」のテレビ版についての話です。 男女の違いについての主語デカい系の話です。苦手なかたは、ブラウザバックをお願いします。 「魔法少女まどか☆マギカ」を見た。 今さらだ「魔法少女まどか☆マギカ」を見たが、巷で聞いていたとおり…

【漫画感想】「憂国のモリアーティ」を6卷まで読んだので、良かった点と気になった点を語りたい。

コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズシリーズ」を原作・原案にした「憂国のモリアーティ」を既刊6卷まで読んだ。 憂国のモリアーティ 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) 作者:コナン・ドイル,竹内良輔,三好輝 発売日: 2016/11/18 メディア: Kindle版 原…

「自分の育成に失敗した」増田を読んで思い出した、中学校時代の先生の話。

anond.hatelabo.jp この増田を読んで、学校の先生のことを思い出したのでつらつら書く。 増田の内容とあまり関係ないかもしれない。 自分は学校の先生に対する思い出が薄い。存在自体はさすがに覚えているが。 保育園、小学校低学年のときはほとんど記憶が…

ポル・ポト政権下のカンボジアと、物語論の接続を試みた野心作 小川哲「ゲームの王国」感想

小川哲「ゲームの王国」を読み終わった。 ゲームの王国 上 posted with ヨメレバ 小川 哲 早川書房 2017-08-24 Amazon Kindle この本はとても不思議な本だ。公式のジャンルはSFなのだが「どういう本か?」と言われるとひと口では説明ができない。 レビュー…

【ユングのタイプ論を基にしたMBTIでキャラクター&ストーリー考察】「銀河英雄伝説」

ユングのタイプ論を取り入れたMBTIについては、前にも記事を書いた。それを用いて銀河英雄伝説のキャラクター考察をやってみた。自分は専門家ではないので、あくまで個人の遊びだ。 ユング心理学入門―“心理療法”コレクション〈1〉 (岩波現代文庫) posted wit…

「アンネローゼというキャラの面白さに今さら気づいた」&銀河英雄伝説プチ物語論

先日、「アンネローゼは大人しくて穏やかで控えめで自己主張もせずつまらないキャラだな、と思っていたけれど、よく読んだら自分の意志を曲げない強いキャラだ」という記事を書いた。 www.saiusaruzzz.com その話の続き。 相変わらず独断と偏見に満ちた内容…

【映画考察】難解な謎だらけ映画「メメント」を考察&解説してみた。

Amazonプライムビデオで「メメント」を見た。 メメント (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログ (1件) を見る 最初は物語を逆再生しているだけで、元の筋を再生し直せば意味が分かるだろうと思っていた。 ところが物語を…

広島・原爆ドーム~宮島・厳島神社~しまなみ海道に行ってきた。

お盆休みに広島、宮島、尾道から今治に続くしまなみ海道に行ってきました。 暑かった……。 広島 原爆ドームを見学 お昼に広島についたので、さっそくお好み焼を食べようとお店を探す。 ガイドブックに載っている店は、みな長蛇の列だった。地元の人だけが知…

【銀河英雄伝説キャラ語り】大人になって分かったアンネローゼのすごさ

長い間「アンネローゼは、つまらないキャラだな」と思っていた。 15歳のときに権力者の後宮に入らざるえなかったことには同情するけれど、その後はずっと「何とかパイ」とか「ケルシーのケーキ」を焼いて、黙って微笑んでいるだけ。 いつの時代も、こういう…

庵野秀明監督「シン・ゴジラ」を見たので、良かったところと気になったところを語りたい。

庵野秀明監督の「シン・ゴジラ」がAmazonプライムビデオで視聴できるようになったので、見てみた。 個人的に良かったなと思ったところと、気になったところを語りたい。 *未視聴の方はご注意ください。 気になったところ 映画自体はとても面白かった。 気に…

「サリン事件死刑囚 中川智正との対話」 感想及びメモ

本書は、松本及び地下鉄サリン事件の解明に大きく貢献した、生物兵器化学兵器の専門家アンソニー・トゥーが、中川智正との交流内容を明かした本だ。 松本サリン事件発生時、日本にはサリンに関する知識がほぼなかった。 トゥー氏が書いたサリンについての論…

「杉田水脈氏を支持する人」や「ルカクをコンゴ系ベルギー人と呼ぶ人」は、自分の中にもいるのかもしれない。

「LGBTには生産性がない」という言葉が批判されている、杉田水脈氏の主張を全文読んだ。主張の是非以前に論旨が混乱していて、何が言いたいのかよく分からなかった。 本人は「切り取って批判するな」と言っているようだが、読んでも主旨が分からないので枝葉…

【漫画感想】「モンキーピーク」7卷。あれ? あの人は猿の仲間じゃないよね?

この記事は原作志名坂高次、作画粂田晃宏「モンキーピーク」7卷の感想です。 未読のかたはご注意ください。 モンキーピーク 07 (ニチブンコミックス) posted with ヨメレバ 粂田晃宏 志名坂高次 日本文芸社 2018-07-27 Amazon Kindle うん? 八木、その考え…

何度読んでも面白い! おすすめの田中芳樹作品10選

田中芳樹の作品の個人的なおすすめランキング。 古いもの多めです。 10位 西風の戦記 敵味方に分かれた男女の戦いと恋愛に、現代からトリップした少女が巻き込まれるというラノベの王道展開。そして王道のロミジュリ路線。 田中芳樹の恋愛描写はかなりぎこち…

「同じ星の人間とは思えない」から話すのだ。ろびこ「僕と君の大切な話」

ろびこ「僕と君の大切な話」の最新刊4卷を読んだ。 だいぶ登場人物が増えて、話が広がってきている。 これはこれで面白いのだけれど、最初のころの東くんと相沢さんが駅のベンチでひたすら二人で会話をする、というシチュエーションが面白かったのでちょっ…

恋とは何かを知りたければ、中野純子「ヘタコイ」を読むといいよ。

以前、感想を書いた「ちさ×ポン」はすごい話だと思うけれど、好きか嫌いかと言われれば実はそんなに好きではない。 www.saiusaruzzz.com エンターテイメントにしては重すぎる。 「恋愛に憧れて付き合ってみたら、こういう問題に直面する現実を描いているんで…

地下鉄サリン事件を実行したエリート医師の恐るべき純粋さ 林郁夫「オウムと私」感想

地下鉄サリン事件の実行犯の中で、ただ一人、極刑を免れた林郁夫が自らの生い立ちとオウムに入信した経緯、出家したあとのオウムでの日々をつづった本。 林郁夫は医者の父親と薬剤師の母親の間に生まれ、慶應義塾中等部、高等部を経て慶應大学の医学部に進み…