うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

【小説感想】村上春樹「沈黙」。ネットでは「顔というものを持たない人々」にならないようにしないといけない。

突然、村上春樹の「沈黙」が読みたくなったので再読。 短編集「レキシントンの幽霊」に収録されている短編。 レキシントンの幽霊 (文春文庫) 作者:村上春樹 文藝春秋 Amazon 村上春樹の作品にしては珍しく、起こる事象が現実的で具体的、抽象度が低いので読…

【ドラマ感想】山里亮太と若林正恭の青春を描いた「だが、情熱はある」が、上質なルサンチマン文学すぎる。

南海キャンディーズの山里亮太とオードリーの若林正恭の半生を描いた「だが、情熱はある」の第三話を見た。(一話と二話は見損ねた) 山里と若林はもちろん知っているけど、それ以上のことはほとんど知らないので、完全にドラマとして楽しんでいる。 創作と…

変化が速い時代だからこそ、スルメゲーをじっくりやりこんでしゃぶり尽くしたい。

「九龍妖魔學園紀」を購入したまま忘れていた、とふと思い出した。 九龍妖魔學園紀 ORIGIN OF ADVENTURE -Switch アークシステムワークス Amazon 2004年に発売されたゲームだが、switchとPS4に移植されて評判も良い。 元々、アトラスの学園ジュヴナイルもの…

対話型AI「チャットGPT」に小説のあらすじを考えてもらったら、思った以上に学びが深かった。

shinonomen.hatenablog.com ↑の東雲さんの記事を読んで滅茶苦茶面白いと思い、自分も「Chat(チャット)GPT」に「400字で小説のあらすじを考えて」と頼んで三種類出してもらった。 タイトルのみ自分で考えた。 あらすじ① 世界にひとつだけの美術品 "> ある日…

筒井康隆「虚人たち」を読みながら「去人たち」を読む。物語とはつくづく「現実的ではない」

kyojintachi.k2cee.com 最初「去人たち」を読んだ時に、よく意味がわからなかった。確か「Ⅱ」の途中で読むのを止めたと思う。 筒井康隆「虚人たち」のオマージュだと聞いたので、「虚人たち」を読めばわかるのかなと思っていた。 最近そのことを思い出して「…

【漫画感想】残酷歌劇「ライチ☆光クラブ」 暗い世界に閉じ込められた少年たちが辿る残酷な運命。

ライチ☆光クラブ 作者:古屋 兎丸 太田出版 Amazon ぼくらの☆ひかりクラブ 全2巻セット Amazon 既に映画化されていることも知らず表紙買い。 江戸川乱歩に代表される、退廃的で耽美で残酷描写があるインモラルな世界観だ。「グランギニョール」というジャンル…

「実際の物事や人物を元にしたフィクション」は、自分の中で「名作・傑作」であるほうが問題が根深い。

「フィクション」と銘を打っている場合は、まずはフィクションとして読む。 問題があれば指摘すると思うが、自分は自分にとってつまらない作品はすぐに忘れるので「フィクションと、モデルとおぼしき実際の物事や人物との関係性の問題をどう考えるのか」とい…

【小説感想】実際の事件を基にして発刊中止になった「パルチザン伝説」 これを「個人的な物語」と読めないところに分かり合えなさを感じる。

文藝賞の最終候補になり単行本化が決まっていたが、抗議によって急遽発売中止になったいわくつきの作品。 パルチザン伝説 作者:桐山 襲 河出書房新社 Amazon 東アジア反日武装戦線が起こした事件をモデルにしているため、抗議を受けて発売が困難になったらし…

「忌録 document X」の考察をしてみた。

忌録: document X 作者:阿澄思惟 A.SMITHEE Amazon そういえばkindleで購入したなあと思い出し読んでみた。 考察をやってみたが、うまくつながらない部分が多い。細部を詰めるには材料が少なすぎるので、これは細部を詰めると迷路に迷い込むパターンかなと思…