うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

アニメ

「鬼滅の刃」を23巻まで読んだので、感想の付けたし。

最終巻23巻を読んだので、前回の感想で入れられなかったことを雑談風に話したい。 www.saiusaruzzz.com 家に帰る話 「お願いします、神様。家に帰してください」 「俺は妹と家に帰りたいだけなんです」 炭治郎のこのセリフを読んだとき、こういう話だったな…

黒死牟こと継国巌勝についての話の続き。継国縁壱について少し考えてみた。

www.saiusaruzzz.com 前回の話で入れられなかった箇所があるので続き、というか補足。 巌勝というキャラは、ほぼすべてが弟・縁壱に対する感情のみでできているキャラなので、縁壱について考えてみようと思った。 縁壱というキャラは、把握するのが少し難し…

【「鬼滅の刃」キャラ語り】黒死牟こと継国巌勝は、一生懸命すぎてはた迷惑なところが魅力だと思うのだ。

「鬼滅の刃」の鬼サイドで一番好きなのは、圧倒的に黒死牟こと継国巌勝だ。 この人のどこが好きかを書こうとすると、なぜか悪口みたいになってしまうのだが、とりあえず自分が巌勝のどこが好きかを語りたい。 自分から見た巌勝は、ひと言で言うと「思い込み…

【「鬼滅の刃」キャラ語り】「伊黒小芭内はなぜ甘露寺蜜璃に靴下を贈ったのか?」という疑問から、二人の関係について考えた。

*ネタバレ注意。 *(11年2月6日追記)公式ファンブック2の情報について末尾に追記しました。 (引用元:「鬼滅の刃」14巻 吾峠呼世晴 集英社) 「なぜ、伊黒は蜜璃に靴下を贈ったのか?」がすごく気になる。 「伊黒がなぜ蜜璃に靴下を贈ったのか?」は…

【漫画感想】「鬼滅の刃」22巻まで読んですごいと思ったところを、黒死牟のエピソードを例に話したい。

鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) 作者:吾峠呼世晴 発売日: 2016/06/17 メディア: Kindle版 今さらだけど、「鬼滅の刃」の既刊22巻までとアニメシーズン1を観た。 もうさんざん色々と言われつくされていると思うが、それでも自分の感じ方を書きたく…

【アニメ感想】「刻刻」のここが面白かった。

*ネタバレがあります。「刻刻」を未読・未視聴のかたはご注意ください。 堀尾省太原作「刻刻」のアニメを見た。 㐧壱刻 メディア: Prime Video 同じ作者の「ゴールデン・ゴールド」が好きなので、アニメを見てみた。 無茶苦茶面白かった。 アニメは原作と…

【銀河英雄伝説キャラ語り】ビュコックとメルカッツはどちらが強いのか? から始まる雑談。

銀河英雄伝説の同盟側ではビュコックとアッテンボローが好きだ。 昔々メルカッツが一番好きな兄ちゃんと「ビュコックとメルカッツは、艦隊戦で戦ったらどちらが強いのか?」というテーマで語り合ったことがある。 子供のときって本当暇だったよなあ、と言い…

「鉄血のオルフェンズ」を題材に使って、「テロルの現象学」の感想を述べたい。

笠井潔の「テロルの現象学」を読んだ。 「観念」とは何でありどこから発生し、歴史上どのように変異していったか、というかなり漠然とした話が、例示や引用をあげて説明されている。 部分部分の賛否はともかく、この話はどう展開するのだろうと読んでいるあ…

「かぐや様は告らせたい」19巻のカップル論争に参戦したい。

かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 19 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) 作者:赤坂アカ 発売日: 2020/07/17 メディア: Kindle版 (引用元:「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」19巻 赤坂アカ 集英社) 基本的に「公式で固定され…

「信頼のできない語り手」と「信頼のできない視点」についての雑談

先日見た「かまいたちの夜」の解説動画の中で、「『かまいたちの夜』は選択肢を間違うと、主人公がプレイヤーにとって『信頼のできない語り手』に変貌する」という考えが述べられていて面白いなと思った。 「信頼のできない語り手」は何か作為があったり、も…

【「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」キャラ語り】バランが嫌いだったのは、どこまでも「父親」だったからなのかもしれない。

www.saiusaruzzz.com アルガスを含め男キャラの場合は「なぜそんなことをするのか」という経緯の説明(共感措置)も省かれていることが多い。 訳もなく人を傷つけ貶める嫌な奴として描かれ「何という哀しい笑い声や…」と言ってくれる人も現れない。 前回の記…

「雲のように風のように」と「後宮小説」の思い出

*ネタバレあり。 www.twellv.co.jp 懐かしい。 もう一度見たくて、ずっとアマプラ対象にならないかと思っていたら、BSで7月1日(水)に放送されるそうだ。 「後宮小説」との出会いは、うちの親が仕事関係の付き合いで「第一回日本ファンタジーノベル大…

【「かぐや様は告らせたい」キャラ語り】子安つばめ先輩に見る「私の価値の耐えられない軽さ女子」の闇。

「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」の16巻の石上とつばめ先輩のエピソードが、読んでいてぞわぞわしたのでちょっと考えを整理したい。 かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 16 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) 作者:赤坂アカ 発…

【映画感想】「ヱヴァンゲリヲン新劇場版Q」を観た雑感+TV版、旧劇場版、「序・破」の個人的なまとめ。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 発売日: 2019/12/01 メディア: Prime Video 「序・破」の感想。 www.saiusaruzzz.com 「ヱヴァンゲリヲンQ」を見たので、とりあえず「シン」を見る前の雑感を書いてみた。 「エヴァンゲリオン」は(あくまで自分から見ると、以…

【アニメ感想】「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」を四話まで見た。

魔法少女まどか☆マギカの外伝の「マギアレコード」を四話まで見た。 第01話『やぁやぁ、知ってる?魔法少女のその噂』 発売日: 2020/01/05 メディア: Prime Video ゲームは未プレイなので、今後もネタバレなしで楽しむ予定。 四話まで見た段階では、「まどマ…

作品を解体して考える。新海作品の大地は丸く、思考しているのか。

「レヴィ=ストロース入門」を読んだ。 レヴィ=ストロース入門 (ちくま新書) 作者:小田亮 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2013/11/08 メディア: Kindle版 レヴィ=ストロースの思想や業績がわかりやすくまとめられている。 「神話論理」で書かれている…

アニメ版「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」に、物語の凄みを見た。

アニメ版「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」の感想。他の版は未視聴、未読。劇場版はこれから見る予定。 #1 超平和バスターズ 発売日: 2015/12/18 メディア: Prime Video ずっと見たいと思っていたので、プライムビデオ対象になっていたのを見つけ…

「物分かりいい症候群との戦い」としての「進撃の巨人」を語りたい。

www.saiusaruzzz.com この記事の続き。 上の記事で「『進撃の巨人』は世界に対する怒りそのものと感じる」と書いた。 根底にあるその怒りのエネルギーがずっと持続しているところが、「進撃の巨人」のすごいところだ。怒りが払しょくされていく話なのかと思…

【漫画感想】諌山創「進撃の巨人」30巻 理想という欺瞞に満ちた世界への怒り

「進撃の巨人30巻」を読んだ。 かなり衝撃を受けていて、モヤモヤをそのまま語るのであまりまとまっていない。 モヤモヤしたまま語りたい。 進撃の巨人(30) (週刊少年マガジンコミックス) 作者:諫山創 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/12/09 メデ…

女の子の力を信じて応援する「荒ぶる季節の乙女どもよ。」が素晴らしかった。

荒ぶる季節の乙女どもよ。DVD 第四巻 出版社/メーカー: DMM pictures 発売日: 2019/12/27 メディア: DVD この商品を含むブログを見る アニメ「荒ぶる季節の乙女どもよ。」がよかった。 「異性相手では物理的には受容的にならざるえない女性が、性的に主体的…

MBTIのタイプにおける典型的なキャラとそれについての雑談(その2)

www.saiusaruzzz.com 前に書いたこの記事の続き、というか補足。 記事を書いたあとに思いついたことやキャラについて。 *創作の中の話に限定しています。書いてあることはすべて個人的な考えです。専門家ではないので、雑談程度に読んでください。 NTJ世界…

「鉄血のオルフェンズ」なぜ、雪之丞は鉄華団を止めなかったのか?という疑問から、物語を支配する恐ろしい回路の存在を妄想する。

これまでの感想の変遷 (一期を観終わった直後) www.saiusaruzzz.com (全話観終わった直後) www.saiusaruzzz.com www.saiusaruzzz.com (全話観終わった一年後) www.saiusaruzzz.com これだけ書いても「オルフェンズ」について、腑に落ちない部分がある…

新海誠監督「天気の子」を他の作品と比べて、あれこれ考えた。

*内容のネタバレを前提にして書いています。未視聴のかたはご注意ください。 しつこく「天気の子」の話を続ける。 www.saiusaruzzz.com www.saiusaruzzz.com 「天気の子」を観ているあいだ、色々な作品が頭に浮かんだのでその話。 その1「火垂るの墓」 前…

新海誠監督作品「天気の子」で一番衝撃を受けたシーンと作品に感じるモヤモヤについて。

*内容のネタバレを前提にして書いています。未視聴のかたはご注意ください。 www.saiusaruzzz.com 前回、観終わった直後に感想を書いたが、まだモヤモヤしている。ずっとそのモヤモヤについて考えている。 前の感想記事では「自分の望みのために、その望み…

【映画感想】新海誠監督「天気の子」 世界は俺の思い通りになるという傲慢さ

新海誠監督の「天気の子」を観に行ったので、とりあえず初見の感想を書きとめておきたい。 tenkinoko.com 観終わった直後は、かなり腹を立てていた。 何故なら途中までは、これぞ自分が見たかった新海作品だと期待値がすさまじく上昇していたからだ。 www.sa…

【MBTIを用いてキャラ語り】創作における内向感情型について INFP(ロイエンタール)対ISFP(尾形)

MBTIを用いたキャラ語り。 *創作の中の話に限定しています。専門家ではないので、雑談程度に聞いてください。 参考文献は記事末尾に掲載。 内向感情を主機能として使うINFPとISFPのキャラについての、個人的な考え。 内向感情型のひとには、「静かな水は深…

新海誠監督「雲のむこう、約束の場所」は反世界系の物語ではないか。

雲のむこう、約束の場所 発売日: 2014/12/19 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る 「雲のむこう、約束の場所」は、やや設定がややこしく、作内ではそれほど細かい説明がない。 あらすじとアニメの作内設定(小説版や設定資料などは読んでいな…

「言の葉の庭」を見て、新海誠監督作品の何が気持ち悪く感じるのかやっとわかった。

言の葉の庭 発売日: 2014/11/15 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る 「ほしのこえ」に引き続き、「言の葉の庭」を視聴した。 今までずっと自分がうっすらと感じていた、新海誠監督作品*1に対して感じていた気持ち悪さが何なのかがようやくわ…

「人目につかぬよう、勇作殿を裏からお見送りしろ」を当たり前と思うかどうかで見方が変わるのが、物語を読む面白さ。

www.saiusaruzzz.com この話の続き、というか補足。 尾形に対しての見方が変わるまでの過程のメモだ。 前回に引き続き、11巻と17巻の尾形の過去のエピソードがメインの話になっている。 最初に尾形が↑の記事のような人では、と思ったのは17巻を読んだときだ…

新海誠監督「ほしのこえ」を見たら、「秒速5センチメートル」のすごさがさらにわかった。

Amazonで新海誠監督作品「ほしのこえ」を視聴した。 以下、アニメ版のみを見た感想で、「秒速5センチメートル」の自分の個人的な解釈を前提として感想を述べている。 「秒速5センチメートル」の感想を読んでいないと意味がわからない可能性が高いので、良…