うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

ドラマ

ドラマ「Nのために」雑談。「何もしないキャラ」成瀬の魅力、青景島編の強引さ、なぜ希美は最後に死ななければならないのか、など

www.saiusaruzzz.com 前回記事で入らなかった部分の雑談。 唯一の不満は、青景島編の展開の強引さ ドラマ「Nのために」は自分の中では傑作認定だが、「ちょっとここは…」と思う点もある。 つまらないとまでは言わないが、東京編からの吸引力に比べると青景島…

【ドラマ考察】「Nのために」のねじれまくっているストーリーの構造のすごさについて考えたい。

第1話 「セレブ夫婦殺人事件…15年前に隠された秘密」 メディア: Prime Video 湊かなえ原作・榮倉奈々、窪田正孝主演ドラマ「Nのために」を観終わった。 引きが強いサスペンスドラマとして面白いが、中盤からストーリー展開について「?」と思うことが多くなる…

【小説感想】高橋克彦「炎立つ」は、「この歴史の先に現代がある」ことを実感させてくれた。

高橋克彦の「炎立つ」全5巻を読み終わった。 炎立つ 全5冊合本版 (講談社文庫) 作者:高橋克彦 発売日: 2017/08/18 メディア: Kindle版 傑作と名高いのもうなずける。 すごい話だった。 「炎立つ」は、異なる年代の主人公三人の話を通して、奥州藤原氏の勃…

【「炎立つ」キャラ語り】「世界を変える異能を持ちながら、性格は小者」源頼義の人物像が面白い。

「炎立つ」第一部の粗筋は、俘囚と理不尽に蔑まれながらも、必死に自分たちの民や国を守る阿倍氏の領土に、朝廷や源氏が自分たちの欲望や保身のために攻め込むというものだ。 個人的には主人公サイドである阿倍氏陣営よりも、敵役である源頼義陣営のほうがず…

【「炎立つ」キャラ語り】世界が強いる「物分かりいい症候群」と戦う流麗がカッコいい。

前九年の役、後三年の役、奥州藤原氏の隆盛と滅亡がわかりやすく描かれている。 大河ドラマでも屈指の名作と名高い、「炎立つ」の小説版を読んでいる。 炎立つ 壱 北の埋み火 (講談社文庫) 作者:高橋 克彦 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1995/09/06 メデ…

【ドラマ感想】池井戸潤原作「ノーサイド・ゲーム」を最終回まで見た感想

昨日、池井戸潤原作、大泉洋主演「ノーサイド・ゲーム」が最終回だった。 【Amazon.co.jp限定】ノーサイド・ゲーム Blu-ray(オリジナルミニポーチ付) 出版社/メーカー: アミューズ 発売日: 2020/01/10 メディア: Blu-ray この商品を含むブログを見る ラスト…

【ドラマ感想】宮部みゆき原作「楽園」のここが気になる。

宮部みゆき原作、仲間由紀恵主演「楽園」を見た。 第1話 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る あらすじ 住宅街で発生した火事によって焼け出された土井崎夫妻は「16年前、中学生だった娘を殺害し、床下に埋めて生活していた」と告白した。 殺…

「ノーサイド・ゲーム」の第七話にモヤモヤする。「社会人としてどうなんだ」ってどうなんだ。

www.tbs.co.jp 第七話で、「サイクロンズに移籍する」と言い出した里村に対する君嶋の説得と、そのあとの展開にだいぶモヤモヤした。 君嶋は里村を説得するにあたって、里村がラグビーをするために会社や他の社員たちが払った労力を持ち出している。それを無…

大泉洋主演ドラマ「ノーサイド・ゲーム」の第三話を見て、千葉ジェッツのことを思い出す。

TBSの日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」を見ている。 www.tbs.co.jp 大手自動車メーカーのエリート社員・君嶋が幹部ににらまれて、左遷させられる。 左遷先が連敗続きでお荷物になっているラグビーチーム・アストロズのGMで、有能だがこれまたラグビー界では煙…

アガサ・クリスティ原作ドラマ第四弾「予告殺人」が原作以上に面白かった。

www.tv-asahi.co.jp 毎年恒例になりつつある、アガサ・クリスティ作品をドラマ化した相国寺竜也シリーズ。 今年は「予告殺人」かあ、と実はいまいちテンションが上がらなかった。 余り好きじゃないんだ。 親族内・家内・地域内の箱庭的な人間関係、ある気づ…

仲間由紀恵・阿部寛主演ドラマ「トリック」エピソードごとの感想

第1話 発売日: 2017/07/15 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る Amazonプライムビデオで、ドラマ「トリック」を見て、今さらハマっている。 劇場版を見て余り面白いと思わなかったので、長年「自分には合わないドラマだ」と思っていたが、ドラ…

MBTIのタイプにおける典型的なキャラとそれについての雑談。

MBTIの各タイプの典型的なキャラと、その類型について思いついたことを語っています。 創作の中の話に限定しています。書いてあることはすべて自分の個人的な考えです。専門家ではないので、雑談程度に読んでください。 参考文献は以下のものを使用しており…

【海外ドラマ感想】「カーニバル」 無難にまとまってはいるけれど…。

www.saiusaruzzz.com シーズン1は面白かったけれど…。 海外ドラマ「カーニバル」のシーズン2を見終えた。 謎をばら撒く段階、人間関係を説明するために不穏な雰囲気を漂わせながら淡々とカーニバルの一座の日常を描いていたシーズン1は、なかなか面白か…

ダークファンタジー系日常ドラマ「カーニバル」シーズン1が面白かった。

Amazonプライムビデオで放映されている、2003年の米ドラマ「カーニバル」シーズン1を観た。 巡業見世物小屋一座との旅立ち 発売日: 2017/05/12 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る 世界恐慌後のアメリカ南部の話 「カーニバル」は、世界恐慌…

野沢尚が描く長く濃密な人間関係が苦手だ、ということから気づいた野沢作品のすごさ。

*この記事には、野沢尚「砦なき者」の内容が含まれています。未読のかたはご注意ください。 野沢尚の「砦なき者」のノベライズを読んだ。 「砦なき者」は短編二つ、中編ひとつのオムニバス形式で構成されている。テレビドラマを見たのはかなり前なので、粗…

北川悦吏子脚本ドラマ 「半分、青い」とは何だったのかをもう一度考えてみた。

shinonomen.hatenablog.com 東雲長閑さんに、言及していただきました。ありがとうございます。 東雲さんの記事を読んで、「半分、青い」を前回とは違う角度から眺めてみたくなったのでそれを話したい。 東雲さんの記事から色々と考えるきっかけをいただいた…

【朝ドラ感想】北川悦吏子脚本ドラマ 「半分、青い」とは何だったのか。

北川悦吏子脚本の朝ドラ「半分、青い」が終わった。 このドラマが「自分にとって」どんなドラマだったのか、という感想を語りたい。 放映中の脚本家のツイートは見ていない。小説も読んでいない。 「半分、青い」という物語の個人的な見方 「半分、青い」は…

【ユングのタイプ論を基にしたMBTIでキャラクター&ストーリー考察】「ゲーム・オブ・スローンズ」

MBTIを使ったキャラクター&ストーリー考察シリーズ。 お遊び程度に考えてください。 参考図書はコチラ。 MBTIタイプ入門(第6版) 作者: 園田 由紀 出版社/メーカー: JPP株式会社 発売日: 2011/01/25 メディア: 大型本 この商品を含むブログを見る MBTIへの…

NHKスペシャル未解決事件「警察庁長官狙撃事件」ドラマ版は、ベテラン俳優の演技が圧巻だった。

9月8日(土)に放送された、NHKスペシャル未解決事件「警察庁長官狙撃事件」のドラマ版の感想。 www.saiusaruzzz.com ドラマ版ではより一層、警察組織の問題点が浮き彫りになっていた。 一週間前に放送されたドキュメンタリー版を見て、「一度、一定の方向…

【ドラマ感想】アガサ・クリスティ原作/三谷幸喜脚本ドラマ「黒井戸殺し(アクロイド殺し)」

2018年4月14日(土)に放送されたアガサ・クリスティの有名作「アクロイド殺し」を原作にしたドラマ「黒井戸殺し」の感想。 原作・ドラマを未読・未視聴のかたはご注意ください。 www.fujitv.co.jp 黒井戸ときたか 安久路さんとかかと思っていたけれど、黒…

アガサ・クリスティ原作ドラマ「パディントン発4時50分~寝台特急殺人事件~」が予想と違っていたので感想を述べたい。

2018年3月24日(土)に放送された、アガサ・クリスティ原作「パディントン発4時50分~寝台特急殺人事件~」の感想を述べたい。*ネタバレ注意 www.tv-asahi.co.jp 実は余り期待していなかった。 正直なことを言うと、「鏡は横にひび割れて」に比べて、…

アガサ・クリスティ原作ドラマ「大女優殺人事件~鏡は横にひび割れて~」について、原作と比較しながら感想を述べたい。

2018年3月25日(日)に放送された、アガサ・クリスティ原作ドラマ「大女優殺人事件~鏡は横にひび割れて~」の感想及び、原作との相違点についてなどを語りたい。 www.tv-asahi.co.jp 原作及びドラマのネタバレをしています。未読未聴の方はご注意くださ…

【海外ドラマ感想】愚かで正しくない人たちが必死に生きる物語だからこそ、「ゲーム・オブ・スローンズ」は面白い。

『ゲーム・オブ・スローンズ』が描く「独りよがりな正義や愛の衝突」と「罪や後悔から生まれる本物の絆」の世界 対談:☆Taku Takahashi(m-flo/block.fm)×田中宗一郎 | FUZE この記事を読んで、改めて「ゲーム・オブ・スローンズ」って面白いよなあと思っ…

「ヒロインが、主人公ではない別の男と結婚する物語」という増田からの派生妄想。

anond.hatelabo.jp この記事には、「この創作物は、上記の定義に該当すると考えられる」「こういう内容だった」というネタバレが含まれます。 一切のネタバレを回避したい方は、この時点でのブラウザバックをおススメします。 「ヒロインが、主人公ではない…

閉ざされた陰鬱な町で起こる閉鎖空間系ミステリー「BLACK SPOT(不感地帯)」3話までの感想。

Amazonプライムビデオで「BLACK SPOT(不感地帯)」を見ている。 フランスのミステリードラマで、ルクセンブルクとの国境近くにあるヴィルフランシュという架空の小さな街で起こる事件や不可解な出来事を描いている。 ヴィルフランシュは暗く深い森に包まれ…

【Amazonビデオ】ホラー伝承を探求する「ロア~奇妙な伝説~」は、万人におすすめはできない。

Amazonプライム会員なら課金なしで見れる、Amazonオリジナル「ロア~奇妙な伝説~」のシーズン1全6話を見た。 ロア?奇妙な伝説? シーズン1 予告編 (吹替版) メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログを見る 生き埋め、ロボトミー手術、チェンジリング、…

【実際にあった高校生遭難事件を描く】「空と山のあいだ -岩木山遭難・大館鳳鳴高生の五日間-」

高校生五人が地元の山で遭難。ドラマ化もされた。 昭和39年の正月に起こった、「津軽富士」として有名な青森県にある岩木山の遭難事件を描いている。 2001年にNHKがドラマ化している。このドラマをたまたま見たことがこの事件を知ったきっかけだ。 遭難事…

「ゲーム・オブ・スローンズ」を「父性」「母性」「男性性」「女性性」というキーワードで読み解く

7月17日(月・祝)についに「ゲーム・オブ・スローンズ」シーズン7が公開される。シーズン7の副タイトルは、原作タイトルの「氷と炎の歌」なので、クライマックスなのかもしれない。 「ゲーム・オブ・スローンズ」をシーズン6まで見て、「母性」が非常に…

ドラマ「銀と金」第13話「殺人鬼有賀編」が色々と残念だったので、その理由を書きたい。

Amazonプライムビデオでドラマ「銀と金」の第13話「有賀編」を視聴しました。 第13話 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログを見る 地上波で放送されたドラマが満足の出来だったので楽しみにしていましたが、非常に残念な内容でした。制作スタッフは…

【小説感想】宮部みゆき「火車」は、クレジットカードを持つ前の十代に読んで欲しい小説。

仕組みを知らずにローンを利用するのは怖い。 ネットを見ていると消費者ローンの仕組みを知らないで、リボ払いなどを利用して、のちのち高額な手数料を払っていることに気づいたり、返すのに長い年月がかかったという話を目にする。 新卒で入社した会社の後…