ニコニコ動画で大人気のゲーム実況者ふぅについて語った記事です。
以前、ふぅについて、「動画でお金を稼ぐこと」と「嫌儲」という感情と合わせて語りました。
割と否定的なニュアンスで語りましたが、今でもふぅの動画は好きで、よく見ます。
何だかんだ言って、ふぅはやはり面白いです。
自分が初めて見たふぅの実況動画は、「デモンズソウルを一時間ちょっとでクリアしてみた」ですが、これを見ていなければ「デモンズソウル」をプレイしていなかったと思います。
実況動画でお金を稼ぐことにあれだけ否定的な発言を繰り返しながら、有料ちゃんねるを開設したことによって、ふぅに対して逆風が吹き荒れました。
「マリオメーカー問題」からの「手のひら返し」と言われるこの件も含めて、ふぅの魅力と功罪について語りたいと思います。
知らない人のために、ふぅについての記事を載せておきます。
ふぅ(実況プレイヤー)とはニコニコ動画にてゲーム実況動画の投稿を行っている
男性実況プレイヤーである。
2009年3月19日から動画の投稿を開始し、アクションを始めRPGや恋愛シミュレーションなど様々なジャンルのゲームを実況している。
なかでもダークソウルはRTA動やトロコン解説動、対人講座動など複数回実況シリーズを投稿し愛好しており、数々の名(迷)言を生んでいる。
(ニコニコ大百科より引用)
「マリオメーカー」問題
ふぅを語るにあたって外せないのが、「マリオメーカー問題」です。
もともと「ゲーム実況」という分野はメーカー側からの批判もあり、アングラの分野でした。
しかし最近、その影響力をメーカー側が認め出し、実況者に動画再生回数に応じて報奨が出るクリエイター奨励プログラム(クリ奨)の対象となるソフトも増えてきました。そのソフトのひとつが「マリオメーカー」です。
そういった事情があり、発売直後から「マリオメーカー」の実況が、ゲーム実況のランキングを独占してしまったのです。
メーカー側から思惑通りにランキングを支配されたその状態に対して、ふぅが運営と他ゲーム実況者に対して批判を展開したのが「マリオメーカー問題」です。
「 マリオメーカー問題」を全く知らない人でも、楽しく聞ける動画です。(自分も、この動画で「マリオメーカー問題」を知りました。)
これを見てもらうと、ふぅの魅力が分かると思います。思いますが……。
冒頭からびっくりするくらい、荒れてました(ノ∀`)アチャー
この動画を見ると分かるのですが、ゲーム実況という分野で利益をあげることについて、はっきりと批判しています。
「金儲けに走る有名実況者と自分は違う」
そんな発言もしています。
さんざん実況動画で利益をあげる有名実況者や運営を批判しておいて、自分が有料ちゃんねるを開設するとはどういうことだ、
それがまあ、沈静化したか絶賛炎上中なのか分かりませんが、ふぅに対して起こっている批判、通称「手のひら返し問題」です。
ふぅの「手のひら返し問題」について
この件に関しては、自分が調べた限りでは、余り本人も言い訳していないと思います。(「運営批判ではなかった」みたいな発言はしていますが。)
これだけ見事な手のひら返しもなかなかないので、本人としても言い訳のしようもないと思いますが。
ふぅの主張を支持していた人たちの怒りと失望は、自分も尤もだと思います。
それを踏まえたうえで、なぜこういうことが起こったのかということを、自分なりに考えていきたいと思います。
ふぅの動画を見ていて、ふぅという人について思ったことは二つあります。
ひとつは、とても頭がいい人なんだろうなということ。そしてもうひとつは、サービス精神がとても旺盛な人なんだろうなということです。
最近、イギリスのEU離脱問題で、離脱派のリーダー的存在だったジョンソン元市長が国民投票で離脱が決まったとたん、「自分は求められるリーダー像にはなれない」と言って、首相選には出馬しないことを決めて、離脱派の人たちを唖然とさせました。
その理由について有識者が、
「彼は本当は離脱派が勝つことを望んでもいなかったし、予想もしていなかった。
離脱派が投票で勝ってしまって、彼自身が一番驚いたと思う。
ジョンソンさんが望んでいたことは、僅差で離脱派が負けることで、離脱派のリーダーとしての自分の存在感が大きくなることだった」
この説明に、自分は「ああ、なるほどね」ととても納得しました。
ふぅの「手のひら返し問題」と構図が、すごく似ているなと思いました。
極端な主張を大声で発することで、自らのキャラ作りをして、多くの人に自分を印象づける。
そういうことなんではないかな、と思います。
極端なことを言えば、そういう人は、その主張の中身にはまったく興味がないのです。
「その主張を通すこと」が目的なのではなく、「主張することによって、自分のキャラ設定ができること。そのキャラ設定を多くの人に認知してもらうこと」が目的だからです。
この推論が正しいと仮定したときに、自分がジョンソン氏は許せないけれども、ふぅは許せると思える点が二点あります。
一点目は、明らかに問題の大きさが違うという点です。
仮にも政治家を名乗る人間が、あからさまに国益よりも自らのエゴを優先させることが許せません。
その点、ふぅはニコニコ動画内で有名だとは言え、運営関係者でもないし、他人に対して直接、被害を与えるわけではありません。
以前のふぅの主張を支持していた人は不愉快な思いをしたでしょうが、直接的な被害を被るわけではありません。
二点目はジョンソン氏は、恐らく政治的な思惑から意識的に行ったのに対して、ふぅは、この点に、本人もそれほど気付いていないのではないかと思うからです。
ふぅは、「自分が期待されているキャラ「求められているキャラ」を感じ取って、他者の期待から、自分のキャラを作っていく人ではないかと思いました。自分自身にはっきりとしたキャラ(自己)がある、という人ではないのだと思います。
もっと正確に言うと、「他人から求められる自分像」の集合体から自己を作る人なのではないかと思います。少なくとも、「ゲーム実況者ふぅ」というキャラクターの作りはそうだと思います。
IDネームをコロコロ変えるところにも、それが表れているような気がします。
IDネームやアイコンを頻繁に変える人は、「主張すべき自分を持っていない人」もしくは「分からない人」なのだと思います。
他人の期待から、自己を作り出す人たち
こういう風に言うと、「個性化」が強く叫ばれる現代だと悪いことのように聞こえるかもしれません。ただ自分は、これがまったく悪いことだとは思いません。
ふぅと言えば、「煽り芸」や「嫌腐」も有名ですが、自分はこれもキャラ作りの一環のような気がします。
「キャラ作りのために、思ってもいないことをやっている」
と言いたいわけではありません。
「自分がそう思っている」⇒「だからやる(言う)」
という、行動パターンをとっているのではなく、逆の行動パターンをとっているということです。
「人から何となく、そう期待を感じ取る(受けがいい、とか)」⇒「その主張をしてみる」⇒「その主張をしている自分が自分なのだと感じる」
無理やり言葉にすると、こんな感じだと思います。
なので、「自分がそう思っているから、自分はそう主張する」それが当たり前だと思っている人にとっては、ふぅの「手のひら返し」は訳が分からず、まさに「手のひら返し」としか言いようのないものですが、ふぅの中では、「手のひら返し」でも何でもなく、実は
「求められている自分像を、漠然と演じている。そして演じることによって、それが自分自身になっていく」
こんな感じで終始一貫しているのではないかな、と思います。
「言行一致」という言葉がありますが、この言葉には、心(自己)が抜けていると思います。
心(自己) ⇒ 言葉 ⇒ 行動
たいていの人は、これが当然だと思っています。
しかし、これが逆の人がいるのです。
(人から期待された)行動 ⇒ (人から期待された)言葉 ⇒ 自己
前者が当然だと思っている人は、(たいていの人はそうでしょうが。)
「あの時こう言ったのは、そう思っていたからだろう。(思っていないことを言うはずがない。)」
「あの時と言うことが違うということは、心が変わったということか。手のひら返しか」
という風に言います。
でも違うと思います。
変わったのは心ではなく、「周りの環境」もしくは「他人が自分に求めること」なのだと思います。
なので、そこから導き出される自己の言動が変わるのは、そういう人にとっては当然なのだと思います。
厳しい言い方を言えば、「その場その場に合わせて、適当な発言をしている」こういうことになってしまいます。
人の期待に応え続けて生きる人の生きづらさ。
たいていの人は、「心⇒言葉⇒行動」の行動形式が当たり前だと思って生きていると言いました。
実は世の中には、逆パターンの行動形式の人、「期待⇒行動⇒言葉⇒心」がかなり多くいます。
困ったことに、その人たち本人でさえ前者の行動形式が当然である、と考えているため、後者の行動形式の人にとっては、現代社会はなかなか生きづらい場所になっています。
「こだわるべき自己」がそれほどなく(たぶん)、人の期待に割とすいすい応えられるふぅは、まだしもマシな気がします。
それでも、結局はこういう困った羽目に陥りましたが。
ふぅの言葉を信じて支持していた人たちの怒りと失望は、自分も尤もだと思います。ただ、ふぅの動画を色々と見た自分としては、
「人を楽しませよう、期待に応えたいという気持ちが、とても強い人なんだろう」と思います。
なので、この「手のひら返し」騒動も、「ふぅというキャラ」の一環くらいに思うといいんじゃないかなと、個人的には思います。
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