前回第33回「動乱」の感想はコチラ↓
関ケ原への道
今回は、関ケ原の戦いに至るまでのお話しです。
三成は謹慎をとかれて政務に戻りますが、加藤清正や福島正則の怒りが治まらず、結局は自領で蟄居という形になります。
三成は頭がいいけれどかしこくはない、という典型のような人です。
蟄居を申し渡されたときに「なぜだ」と言っていましたけれど、ここで「なぜだ」と言ってしまうところに、三成の最大の欠点が現れていると思います。
真田丸の石田三成って「世の中の理不尽さが分かったうえで、その理不尽さを認めず、自分の主張を貫く人」というよりは、「世の中の理不尽さが理解できない人」なんですよね。
世の中や人間が数式みたいに動くと、本気で信じているフシがあります。
そういうところが、頭のてっぺんからつま先まで感情で動く福島正則のような人間に好まれないし、細川忠興のように自分のプライドが一番大切みたいな人間の癇にさわるし、清正のように情が深い人間を寂しがらせるのだと思います。
この辺りの流れでは、福島正則と加藤清正はセットのように描かれることが多いですが、真田丸では清正は三成と敵対することには消極的です。
何を考えているのか、今回はよく分からなかったですけれども、
「自分は三成を理解したいし、仲良くもしたいのに、なぜそれが伝わらないのだろう」そんな感じなんですかね。
源次郎に「三成を切腹させる理由」を問われたときの答えも、加藤清正とは思えないくらい静かで理知的な感じでした。
三成が蟄居する前に何を言われたのかも、来週明らかになるんでしょうか。
人生を生き抜くうえでの「かしこさ」、この点においては、家康と三成では勝負にすらならないです。
春のことも、「お前の嫁は昔、勘違いしてオレに惚れていた」みたいな話をわざわざすることもないのに、と思っちゃいます。
そういう天然のような不器用さや未熟さが、三成のいいところだとは思うんですけれども。
直江状はノリノリMC
末代までの恥となりますゆえ♪♪
完全にライブのノリじゃないですかww
いま、真田丸のオフィシャルサイトで直江状の音読を聞いていますが、村上さんの声、素敵ですね。ニコニコ動画風に言うと、イケボです。
直江状といえば、司馬遼太郎の小説「功名が辻」で、この家康への宣戦布告ともとれる書状の内容を聞いて、千代が「上杉景勝さま、さすが軍神謙信公の末裔。千代は男であれば、景勝さまのように振る舞いたい」と、目をハートマークにさせて(たぶん)独白していたシーンが非常に印象的でした。
時の権力者に対して、義を盾に昂然と非を鳴らすって、女子のハートを射抜く恰好よさですよね。
演出の効果もあると思うのですが、ドラマを見ていると、この作戦なら西軍が勝てるのではと思ってしまいます。
もう結果は決まっているのが、辛いところですが。
今週の女性陣
真田丸の女性陣は……、考えているのか考えていないのかよく分かりません。
真田丸の北政所って、今後の豊臣家や秀頼をどうしたいのか、イマイチよく分からないんですよね。
割と家康と距離が近く、豊臣家は徳川政権下の一大名として生き残れればいいと考えていたというのが通説らしいですが、真田丸だと余り先のことを考えているように見えません。
自分の手の届く範囲(家族・親戚)のことしか興味がないように見えます。
その割には、政治的なことに口を出したりもするので、「何がしたいんだろう??」という感じです。
兄弟ケンカをしているわけじゃないんだから、「子供のころから知っているから、仲良くしてほしい」という言葉も場違い感しかないんですが。
北政所は聡明な女性だったと思っているので、こういう描き方をされると少しもにょります。
キリはまだ、源次郎に片思いをしているのか。
ここまでくると、一途を通り越して執念だな。
そろそろガラシャが死ぬはずだから、そこで源次郎に助けてもらうというベタな展開で結ばれるんですかね。
確かに、何がかんだ言って、源次郎にとって一番、役に立っている人ってキリのような気がします。
次回は第35回「犬伏」です。
いよいよ、真田家も二つに割れます。

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