NHKドラマ「夏目漱石の妻」のあらすじ&ネタバレ感想です。
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第二回あらすじ
結婚して三年目、金之助と鏡子の間に長女・筆子か誕生した。親子三人、つかの間の幸せを味わうが、金之助は、国からの辞令で二年間、英語の研究のために渡英することになる。
金之助がイギリスにいる間、鏡子は筆子を連れて実家の中根家に身を寄せる。
慣れない留学生活で、金之助は神経症を患う。二年後に帰ってきた金之助はカッとなりやすく、鏡子と子供たちに事あるごとに暴力を振るうようになる。耐えきれなくなった鏡子は、子供を連れて実家の中根家に帰る。
しかし、金之助が自分に暴力を振るうのは、金之助が自分を嫌っているわけではなく病気のせいだと医者に言われたことにより、再び夏目家に戻る。
中根家は重一が官職を追われ、徐々に生活が困るようになっていた。相場に手を出した重一は、ついに鏡子に「金之助に借金の保証人になるよう頼んでくれ」というようになる。鏡子は父の頼みを断るが、それを知った金之助は、鏡子の父親に自分がかき集めた四百円(現代の四十万円くらい)を渡す。
重一は、失意の貧困の中で死ぬ。
夏目家には黒い猫が頻繁にやってくるようになった。
高浜虚子から「気分転換のために、自分たちの雑誌に何か寄稿しては」と勧められた金之助は、猫の目から見た人間世界を描いた風刺小説「吾輩は猫である」を書き上げる。
第二回ネタバレ感想
うわああああ、DVかああああ。
コミカルな音楽で何とか誤魔化そうとしていますが、ぶっちゃけドン引きですよ。(;一_一)
夏目漱石が若干、神経症気味だったのは知っていましたが、ここまでマジもののDVと虐待としてドラマ内で描くとは想像外でした。
また、長谷川さんが激昂する演技が上手いんだわ。
「これは何か言ったら、何をされるか分からない」という感覚が、身をもって味わえます。こんなものを、平和そうな家庭ドラマで味合わされるとは思いもしなかったよ。野島伸司のドラマじゃないんだからさ。
このドラマは鏡子の視点から見ているので、金之助がただの神経質なDV男にしか見えないんだけれど、色々な情報を見るとたぶん、相互作用だったと思うんですよね。
メンヘラVSメンヘラみたいな。
そうじゃないと「お前の親はお前を甘やかしすぎた」とか「絶対に離婚してやる」とは、言わないと思うんだよなあ。
DV野郎は、自分が虐げる相手を手放したがらないはずなので。
実際問題、前回、鏡子は自殺未遂しているし、これも自分はある意味精神的DVだと思っています。
恐らく本当のところは、目には目を歯には歯を、メンヘラにはメンヘラを、DVにはDVをみたいな感じだったんだと思います。完全にただの推測ですけれど。
この時代だと問題にされにくいだろうし、子供が気の毒ですね。
金之助の取り扱い方については、正岡子規が言っていたとおり、おおらかに優しく接してあげることが一番なのでしょう。問題は鏡子がそういうことができる人間じゃないっていう点でしょうね。それができる人なら、もう少しマシな状況になったような気がします。
ただドラマを見た限りは、金之助の症状って統合失調症のような感じがするので難しい気もしますが。
何とかいい話風に見せようと、
「私の顔を見て、とてもいい顔で笑ってくれるときもある。そういうときは、私たちってやっぱり夫婦なんだと思う」
「きっと、この人もつらいんだろう。家族と幸せになりたいけれど、どう振る舞っていいか分からないんだろうと思う」
とか鏡子に言わせていますが、典型的な共依存に陥ったDV被害者の言葉にしか聞こえません。
猫まっしぐら、共依存まっしぐら、みたいな。
今回を見ると、前回の「心が通じ合った」風に終わったのは何だったんだという感じがします。物語なら完全に、起承転結がおかしいだろうと思いますが、事実の脚色だから仕方がないのか。
お父さんもお父さんで、娘婿に借金の保証人の判を押すように娘に頼んでくれって言うって、どういう神経しているんだろうと思います。
この時代だと、この辺りの感覚も現代とは違うんですかねえ。
こんだけ男運がない人も珍しいな、という印象しか持てない回でした。
内容は、自殺未遂、DV、共依存、実家の破産、など昼ドラばりにドン暗なのに、ハートフルホームドラマとして仕上げようとしても無理がありますよ。
こんな地獄絵図のような話を、サザエさんのような音楽を流して、家庭的ないい話風に描こうとしている姿勢に狂気を感じました。
この姿勢のまま突き進むのだろうか……。
今回で、だいぶ精神的にやられましたが、怖いものみたさに来週も見ようと思います。