勝手に人生相談にのってみるのコーナーです。
第一回の今日は、なぺこさんのこの記事に勝手に答えます。
内容を要約すると
「結婚を前提に交際している彼氏のお母さんに、なかなか挨拶に行くことができない。長い付き合いになるのだから、早めにお会いし、できれば仲良くなりたい」
というものです。
正確な内容については、ご本人の記事をお読みいただければと思います。
恋人のご両親への挨拶や、仲良くなるのに苦労された方のお話が聞きたいなー!!
自分の両親と相手のご両親の考え方が違い過ぎて戸惑った人とかいませんかー!?
(引用元:「結婚を考えている彼氏のお母さまと初対面!これはどういうことだってばよ…」冷えとりでぬくもり暮らし)
と書かれていますので、自分の率直な意見を書きたいと思います。
掛け値なしの率直な意見
自分はモフくん(なぺこさんの彼氏)のお母さんと同じ意見です。
「息子本人の人生なので、その相手は本人が決めればいい」
これにつきます。
自分がお母さんの立場であった場合、
「自分が息子の結婚相手を気に入るか、気に入らないかがそんなに重要なことかな?」と思います。
息子が「お母さんが彼女を気に入らないなら、結婚をやめる」と言っているのならば、結婚の有無を左右する重要なことでしょう。(そんな男と結婚したいか? という疑問はさておき。)
でも、自分の息子は恐らくそうではないと母親ならば分かると思います。
ということは
「自分が気に入ろうが気に入るまいが、その女の子が自分の義理の娘になることは決定している」わけです。
「自分の好き嫌い」が誰かの運命を決める、重要な問題でもない。
何の影響もないのに、なぜ良く知らない女の子の「好き嫌い」を考えなければいけないのか? 無理に考える必要はまったくない、と自分が母親の立場ならば思います。
感覚としては、自分の会社が入っているビルが好きか嫌いかを聞かれた感じに似ています。
そのビルに勤めている会社が入っているから行くだけで、ビルが好きだから行くわけじゃありません。好きか嫌いかなんて考えたこともないし、考える必要性も感じません。
自分が「このビルは嫌い」って言ったら、他の場所に移転してくれるのか? そうでないなら、なぜわざわざ好きか嫌いかなんて考えなくちゃいけないのだろう??
と思います。
そういう心境なのに「このビル好き? 嫌い?」と聞かれると、すごく困ります。
「いや、好き?? 好きってわけじゃ…」
「好きじゃない?! ということは、嫌いなの??ねえ、嫌いなの??」
「いや…嫌いってわけじゃあ、よく考えたことがないというか…」
「でも、この前、ビルのフロントのゴミを拾っていたよね!!! っいうことは、嫌いじゃないよね??? ね?ね??」
「別によく知らないし、考えたこともないし、重要視もしていない」物事を好きか嫌いかの二元論で迫られる、なおかつ能動的に好きになられることを求められるのはキツいです。
今感じている「別に嫌いじゃないよ。好きかって言われると困るけれど。よく知らないし」のままじゃいけないのかな?と思います。そのうち、好きになるかもしれないし。
そういう自分の気持ちが置き去りにされて
「好きか嫌いかはっきりしてくれ。好きじゃないなら、好きになってもらうようにがんばるから!!」
「そうだ!! 心理学で単純接触の効果ってある!! いっぱい会えば、好きになってもらえるはず!!」
というテンションでこられると、心が引いてしまいます。ありがたいことだ、と頭では分かっていても。
人間関係で一番問題になるのは、好きか嫌いかではなく、この辺りの関係性への温度差、関係性に対しての価値観の差じゃないかと思います。
親戚関係は、好きだろうが嫌いだろうが、はっきりと関係を断たない限りは、一生付き合っていくものです。
だからなぺこさんとは逆に、「好き嫌い」という価値観で親戚(特に姻戚関係)を判断したり、語ったりするのはすごく危険なことじゃないかな?というのが、自分の意見です。
「親戚になるなら長い付き合いになるから、好きになってもらったほうがいい」
ごく自然体でいて、自然に好きになってもらうぶんにはいいと思うのですが、「好きになってもらうためのよそ行きの自分」だと、付き合いに疲れる可能性が高いと思います。
パートナーの家族関係、自分の子供のパートナーなどの姻戚関係は、「勤めている会社の入ったビル」くらいに考えるのがちょうどいいと思っています。
「好き嫌いは関係なく、そこにありずっと付き合わなくてはいけないものだから、少しでも気に入るポイントがあればラッキー」
そうこうするうちに、お互いに相手がどの問題に対してどういう価値観を持っているのか分かってきます。
結婚生活で一番もめるのは、おそらくこの価値観の部分だと思います。
お正月はどう過ごすのか。
親子で食事に行ったとき、お金は誰が支払うのか。
行く店は誰が決めるのか。
そういう日常の下らないごくささやかな価値観で、自分が当たり前だと思っていたことがことごとく通らなかったりします。
パートナー相手ならはっきり言えても、相手の親となると厳しいです。
この価値観の問題に比べれば、相手を好きか嫌いか、好かれるか嫌われるかなんて大した問題じゃないと思います。
人間としては好きでも「自分の感覚では、それはない」と思うことが普通に出てきます。
モフくんのお母さんが、本当になぺこさんが今感じている通りの価値観の持主なら、「羨ましい!!」という既婚女性がかなりいるのではないか、と推測します。
「こちらにそんなに興味がなく、まったく口を挟んでこない」
こういう義両親は、それだけで神棚に祭って拝みたくなるくらいありがたいです。
まとめると
「世の中には姻戚関係は、勤めている会社が入ったビルくらいにしか考えていない人間もいる。そういう人間に対して、せっかく親戚になるんだから好きになってもらいたい、という価値観が当たり前だと思って接するほうが危険だと思う。そしてお互いが当たり前だと思っている、日常の些細な価値観こそ、結婚相手の親族との関係性ではもめやすい」
というのが、自分の意見です。
どちらの考え方が正しいというものでもないので、この件に関しては、お母さんのテンションや考え方を「そういうものなんだ」を受け入れて、付き合いの温度を合わせたほうがいいんじゃないかな? と個人的には思います。
読まれる「良い記事」って何だろう?
気に障ったら申し訳ありません。
ただ、なぜこんなことを言っているのかというと、少なくとも自分にとっては言及してこんなに長々と意見を書きたくなるくらい、この「結婚相手の母親との関係性」の記事が面白かったからです。
こちらの記事で、
炎上行為を狙うのはアカンですが、批判を恐れず強く自分の意見を言うことは人の印象に残ります。
(引用元:「人間性が印象に残らないからブログも見てもらえないのかなー」冷えとりでぬくもり暮らし)
という言葉を書かれていて、「とにかくアクセスが、読者が欲しい」という素直な心の叫びも印象に残りました。
ブログを書くうえで、何を一番の目的とするかは人それぞれだと思います。
もし本当に「強く主張して批判が来てでも、たくさんの人に記事を読んで欲しい」と思われているのならば、
「結婚を考えている彼氏のお母さまと初対面!これはどういうことだってばよ…」の記事はすごくもったいないな、と思いました。
炎上も含め、賛否両論巻き起こって盛り上がる記事について自分の意見を述べると、
①その問題に関して、深い関心を持つ母体数が多い。(恋愛、結婚、子育て、学歴、仕事など人生で多くの人が関わる分野。)
②価値観が人それぞれ違う分野である。
③にもかかわらず、記事でひとつの価値観を強く主張されている
もちろん運もタイミングもありますが、この三条件がそろうと炎上すれすれのバズが起こりやすいのではないかと、色々な記事を読んでいて思います。(あくまで私見です。)
炎上を狙う人は、これに加えて④自分の主張と対立する価値観を故意に傷つける、ということを行っています。
自分は④のようなことをやって炎上を起こす人間は好きではないですが、多くの人が何か言いたくなる(価値観や感情を刺激される)のはいい記事の条件のひとつではないかと思っています。
言及元の記事は、この三つの条件を備えている記事だと思います。
「長い付き合いになるんだから、好きになってもらったほうがいい」
「人間関係では、相手を好きになったほうがいいに決まっている」
こういう価値観が前提で「お母さんの考えがわからない」という雰囲気が記事から感じとれます。
そうすると、自分のような価値観を持つ人間は、「自分はお母さんの気持ちもわかる」と言いたくなります。
ただ記事の語り口が非常に優しくそれほど強い主張の仕方ではないので、自分のようにひねくれた人間ですら、コメントを残しづらく、そのため印象に残りづらい面があります。「そういう人もいるんだなあ」と思って、流してしまいそうです。
この辺りがちょっともったいなあと思いました。
「良い記事」の絶対的な定義は自分にもわかりませんが、自分にとっての「良い記事」は、
①記事を書いている人が、真摯に語っている。
②その記事が、自分の価値観や感情がいい方向でも悪い方向でも揺さぶられるものだった。
というものが多いです。
そういう意味では、今回言及させていただいた二つの記事は、両方とも自分にとっては「良い記事」でした。
「なぺこさんは間違ったことは言っていないのに、この人のほうこそ何を言っているんだ?」という人もたくさんいると思います。
「自分はどちらの意見とも違う」という人もいるだろうし、姑と嫁に挟まれる立場になる男性にも、色々な思いがあると思います。
オピニオン系の記事では賛否両論分かれて、様々な立場の色々な意見が出る記事ほど、面白くいいものだと思っています。
元記事が少し前のものなので、状況やお母さまとの関係性も少し変わっているかもしれませんね。実はぜんぜん想像と違う方で、すごく仲良くなっているかもしれません。
お二人にとって、良い関係が築けますよう願っています。