*この記事は決定的なネタバレは含まれていませんが、作品のトリックに触れる「この作品はこういう物語と考えられる」という話をしています。ご注意ください。
「世界解明系の物語」とは何なのか?
「世界解明系」とは、自分が作った造語です。
定義がちょっと難しいのですが、
「主人公や読者が知らない法則で世界が動いており、主人公が「どんな理由で起こっているのか分からない物事」からその法則性を解き明かしていくことを主たる目的としている物語」です。
これは種類がさらに三つに分かれまして、
①今まで主人公や読者には伺い知ることができなかった、世界の法則性や真実の姿がある。
②通常は認知できるはずの世界の法則性や真実の姿を、何等かの理由で主人公が知ることができない。
③最後まで①なのか②なのか不明。
①で思いつくのは、「進撃の巨人」「ひぐらしのなく頃に」「うみねこのなく頃に」「グインサーガ(の一部)」「匣の中の失楽」ラブクラフトの小説、映画だと「猿の惑星」「マトリクス」「ヴィレッジ」「アイデンティティ」ゲームだと「SIREN」「サイレントヒル」などが当てはまります。(②と両方含まれている作品もあります。)
また①は「物語の中の世界の謎を解く」のか「物語の構造そのものを解く」のかでも分かれます。
②は主人公の認知の仕方が狂っていることを利用しているので、ミステリーやサスペンスが多いですね。「信頼のできない語り手」の技法に重なりますが。
③は狂っているのが世界なのか自分なのかが分からない、ホラーが多い印象です。「ブレア・ウイッチ・プロジェクト」など。「瓶詰地獄」など「藪の中」的な話もここに入ります。
狭義で言えば、①が「世界解明系の物語」です。
②も好きなのですが、自分の中ではやりつくされてしまった感があります。
①は「世界の解明の仕方」や「解明に至るまでの道筋」でバリエーションが作れますが、②はそのバリエーションの幅が狭いし、だいぶやりつくした感があるので、よっぽどうまくやらないと目新しさを出すのが難しいのではないかと思います。
最近、②の話を読んだのですが、やっぱり「ちょっと微妙かな」と思ってしまいました。
原因が「主人公がおかしいだけだろう?」で片付いてしまうことが多いので、考察などを詳しくやりたくなるのは①や③のほうが面白いものが多い印象です。(②で優れた物語も、もちろんありますが。)
この世界解明系の物語を探して読みたいのですが、なかなか探すことができません。「こういう内容のものを探している」ということ自体にネタバレが含まれているので、探し当てるのも難しいです。
もし何かおススメのものがありましたら、教えていただけると嬉しいです。
面白ければ①②③は問いません。
ちなみに上記に上げたものは、賛否分かれているものも多いですが、自分はぜんぶ面白いと感じました。
「自分もこういう感じの話好きだ」というかたは、ぜひ試してみてください。
面白くなかったらすみません。
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久しぶりに読んだら、やっぱり面白かった。
竹本マジック~~。
超短編小説。