うさるの厨二病な読書日記

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【漫画考察】「モンキーピーク」を三巻まで読んだ時点で、「田中さん=猿説」を検証してみた。

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本記事は、志名坂高次原作/粂田晃宏作画の漫画「モンキーピーク」の三巻までの検証記事です。

未読の方はご注意ください。

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読んでいない方は読んでみてください♪♪

極限状態の密室劇好きのかたに、特におすすめです。

 

 

「田中さん=猿説」

この記事では、ちらほら目につく「田中さん=猿説」を中心に考えていきたい。

ちなみにこの記事では、あくまで「三巻までのみ」の情報で検証している。

 

再会直後の田中さん。

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(引用元:「モンキーピーク」3巻 志名坂高次/粂田晃宏 日本文芸社)

見たところ相当大柄で、人間離れした能力を持つ「猿」の中身が田中さん、というのはかなり意外だが、人は見かけによらない。「猿」の着ぐるみが大きければ、体型は誤魔化せるので、体型や能力で「違う」とは言い切れない。

 

三巻までの「猿」の登場シーン。

三巻までの時点で、「猿」が登場した場面は以下の通り。

 

①一泊目のキャンプ場で、鈴村さんを含む四名を殺害。(生き残り36名)

②二日目の「矢ノ口落とし」で四名殺害、及び六名が転落死。(生き残り26名)

③「矢ノ口落とし」に残った11名のメンバーを襲う。8名が死亡。(生き残り18名。田中さん行方不明)

④二泊目の岩場で、辻の死体発見直後。(生き残り17名)

⑤三日目、中岳小屋で馬場、寺内を弓矢で殺害。社長を狙撃、後に死亡(生き残り14名)

⑥三泊目、中岳小屋の裏窓。早乙女と一緒に崖から転落。(このあと早乙女が田中さんと合流)

⑦四日目、八木が持ってきた衛星電話を壊す。

⑧四日目、鎖場で宮田たちを襲う。

 

「猿」登場シーンの田中さんの動き。

①では、早乙女が猿が去っていくのを確認した直後、反対側から悲鳴が上がり、遺体を発見する。

このときに田中さんは画面内にいるので、この時点ですでに「田中さん=猿説」には無理がある。もちろん、複数犯の可能性はあるが。

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 (引用元:「モンキーピーク」1巻 志名坂高次/粂田晃宏 日本文芸社)

 

②の場面で、早乙女が押しのけたのが田中さん。

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 (引用元:「モンキーピーク」1巻 志名坂高次/粂田晃宏 日本文芸社)

 

少し間があくが、墜落した後のシーンでもいる。

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(引用元:「モンキーピーク」1巻 志名坂高次/粂田晃宏 日本文芸社)

早乙女に押しのけられたあと、上に戻り、みんなの背後に回って、猿の衣装を着てみんなを襲い、みんなが転落したあと、猿の衣装を脱いで崖側から合流。

いくらパニック状態とはいえ、バレないはずがないと思う。

この場面でも「田中さん=猿」ではない。

 

③「矢ノ口落とし」に残ったのは11名だが、6名の遺体の他にきちんと11名描写されている。一名なんで遺体と一緒に寝ているのかは分からないが、動かせなかったのかもしれない。

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(引用元:「モンキーピーク」1巻 志名坂高次/粂田晃宏 日本文芸社)

どれが田中さんなのかは分からないが、とりあえず人数的には合っている。

このあと、田中さんは行方不明になるため、「④⑤⑥」のシーンについては、「猿」の可能性はある。

 

⑦の「猿」が衛星電話を壊したシーンでは、田中さんと早乙女が既に出会っているので、この「猿」は田中さんではない。

⑧中岳山頂の宮田の足跡に、猿の血がついている。仮に田中さんが猿だとしたら、胸の傷をアウターで隠しているにしても、この血をどうやってたらしたのかが説明がつかない。

宮田が中岳山頂に到着したときから、早乙女が宮田の靴跡とそこについた猿の血を発見するまで、田中さんはずっと早乙女と一緒にいたからだ。

少なくとも宮田の靴跡についていた血は、田中さんのものではない。

 

⑧の鎖場に現れた猿が田中さんではないとは言い切れない。ただそれならば早乙女と二人きりのときに不意打ちで殺せばいいのではないか、という疑問もわくので、やはり田中さんは猿ではないとは思う。

協力者の可能性は捨てきれないけれど。

 

「猿」が内部の人間だと考えるのは難しい。

「猿」は内部の人間ではないと思う。

田中さんは④⑤⑥ならば「猿」であることが可能だが、他の人間は④⑤⑥も猿であることは不可能だ。

ただ内部の人間が相当数協力している場合は、できないこともないかもしれない。例えば⑧は部長の長谷川の可能性もある。さすがにないかなと思うけれど。

 

その他の疑問。

 (1)なぜ、辻さんは殺されたのか?

今までのところ、唯一、「猿」ではなく内部の人間に殺されたらしい辻さん。「猿」であれば皆殺しの一環と考えられるが、内部の人間の犯行となると、辻さん自身が狙われた可能性も出てくる。

辻さんの部署が経理であることも関係しているのかもしれない。

 

(2)氷室はなぜ裏口を開けたのか?

氷室に関しては、分からないことが多すぎる。

足の指二本切られても何も言わないということは、本当に何も知らない可能性もある。

なぜ「早乙女が猿の仲間だ」などとウソをついたのか? 誰かにそう信じこまされているのか?

拷問されるような環境よりも、警察を恐れるのは何故なのか?

人体実験とかそういう方面の話か? とも思うけれど、氷室は営業部長だし。横領程度なら、拷問よりは警察のほうがマシだろうという気がするけど。

 

(3)「猿」が社長たちの遺体のブルーシートをめくったのは何故なのか?

皆殺しが目的に見えて、明確な標的がいるのか?と考えた。

そうすると内部の人間と常時連絡がとれるわけではないのかもしれない。

それとも他に目的があるのか。

(追記)寺内の靴がなくなっている、という描写かなと思った。

 

(4)早乙女が感じた「腕に残ったこの感触。猿の謎」とは何なのか。

これを考えると、やっぱり内部犯なのか?とも思える。

ただ早乙女が「猿」につけた「胸の傷」が誰にもないし。

 

結論としては「田中さん=猿説」には無理がある。

何人かが組んでやるならば、できないこともないが、それでも内部犯のみだと難しいと思う。誰かが死んだふりをしていた、とかはさすがに苦しいか。

 

続刊でも謎が続くようなら、引き続き考えたい。

 

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3巻までの感想も書きました。

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2017年11月発売4卷の感想。

色々と閃いたことを書いています。

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