うさるの厨二病な読書日記

生涯中二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好きも嫌いも全力で語るブログ。

【Amazonビデオ】ホラー伝承を探求する「ロア~奇妙な伝説~」は、万人におすすめはできない。

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Amazonプライム会員なら課金なしで見れる、Amazonオリジナル「ロア~奇妙な伝説~」のシーズン1全6話を見た。

 

生き埋め、ロボトミー手術、チェンジリング、降霊術、人狼伝説、不気味の谷効果など民間伝承にまつわっておきた実際の事件や逸話を、ドキュメンタリー風に再構築したドラマだ。

ホラーや怪奇ものが好きな人は、題材を聞いただけでそそられると思う。

その題材の周辺知識も話してくれるので、雑学やうんちくが好きな人はさらに楽しめる。

 

構成もうまくできていて、その題材にまつわる周辺知識の説明、アニメーションでその題材について説明、再現ドラマ、合間に様々な知識の挿入と飽きないように工夫がされている。一話完結で40分前後と、気軽に時間を作って見れる。

 

ただ話によっては、ここまでやるとエンターテイメントとしては厳しい、というものが含まれている。怖さよりは不快さが先に立ってしまう。

 

この辺りの「怖さと不快さと面白さ」のバランスは、受け入れられない層も出てくる代わりに「他のものでは味わえない面白さを感じる」層が出てくる、絶妙な線をついている。

人によって、どの話を面白いと感じるか、受けれ入れられるかも違うかもしれない。

自分は二話と三話が厳しかった。

 

以下、個別感想。採点は5段階で、おすすめ度。

 

一話「よみがえる死体」(生死誤認) ★★★

面白かったけれど、起こった事柄だけを見ると「結局、何だったんだ」と言いたくなる。もう少し仕掛けがあっても良かった。

根本に家族愛があるからか、後味が悪くない。

 

二話「恐怖の手術」(簡易ロボトミー手術) ★★

感覚的に無理だった…。

「上瞼の裏から眼窩にアイスピックのような長く鋭いものを通して、脳の神経をぐりぐりいじる」

これを読んで「目が~目が~」と思った人は、見るのはやめたほうがいいかも。

これ以上に苦手だと思ったのが、患者の反応。痙攣や叫びがリアルすぎる。迫真の演技すぎ~~。

途中で見るのを止めようかと思った。

 

三話「さらわれる女たち」(チェンジリング) ☆

「自分の思い通りにならない人間や、自分自身のコンプレックスを、いかに自分と向き合わずに相手のせいにするか」という最悪の案件を、昔はこうやって正当化できたんですよ、ということを延々と見せられる。

異端審問の個人バージョンみたいな感じで、何の救いも教訓も楽しさもない。脱落しそうになった。

「カプグラ症候群」や伝承の知識は面白かった。

 

四話「死者の音」(降霊術) ★★★★☆

ベタだけど、面白かった! ホラーテイストで、最後まで謎を引っ張るところもいい。奇術師フーディーニー、コナン・ドイル、魔女裁判、降霊術、フォックス姉妹と小ネタが満載。こういう話をもっと見たい。

  

五話「心に巣食う獣」(狼男) ★★★☆

これも面白かった。ミステリーのようなちょっとしたひねりもあるし、 当時の街の様子や服装も楽しめて、話の落としどころもいい。何よりグレッタが可愛かったので、見ていて楽しかった。

 

六話「封印された箱」(呪いの人形) ★★★★★

シーズン1の中では一番面白かった。子役の子は演技はもちろん、顔立ちも人形っぽさがあるので、それも怖い。配役まで抜かりないよな~と関心する。

ロバート人形の存在を信じる信じないに関わらず、出てくる人間全員が人形に狂わされ行く様子がじわじわ怖い。

自分もぬいぐるみ大好きっ子だったので、ジーンに感情移入できたところも高評価。 

 

「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」のような「超常現象なのか、追い詰められた人間の心理作用なのか分からない」というグレイな感じが好きなんだと思う。

四話「死者の音」六話「封印された箱」はこの好みにばっちりハマったので、こういう話をもっと見たい。

 

最終話まで見て気づいたのだけれど、この話は一話~三話までが「迷信を信じた人間の愚かな行動」の話で固めて、見ているほうを「こんな非科学的なことを信じるなんて愚かだ」という気持ちにさせた後、後半は「人間のしわざ」では説明がつかず、信じない人間が報復を受ける話を持ってきている。

そして伝承や呪いとは何なのか、「それは本当かウソかというものではなく、信じて恐れる人間がいる限り、荒唐無稽な話でも、その物語は現実の世界で強い力を持つ」という結論を導き出す。

シーズンを通して考えられた話の配置や、結論の持っていきかたにうなった。

見るのがきつかった三話「さらわれる女たち」の迷信を妄信する人間の不愉快さにも、シーズンを通して俯瞰して見ると意味があるところがすごい。

 

二話と三話は「もう少し、エンターメントよりにしてくれれば」と思うけれど、シーズンを通してのこの仕組みも演出のひとつだと思うので、各話が苦手で脱落してしまう人がいても仕方がないと割り切っているのかもしれない。

「このバランスが好きな人だけ楽しんでね」という狙いで、このバランスで楽しめない人には、ハナから受けいれられることを期待していないのだと思う。

そういうやりたいことがはっきりしている潔さは好きだ。

Amazonオリジナルで作ったからこそできた、意欲作だとは思う。

 

友達に「見たほうがいいか?」と聞かれたら、「好み次第でおススメとまでは言えない」と答えると思う。

ただ他に類似したものを余り見かけないので、ニッチなギリギリのラインに自分がハマるかもしれないと思う人には、おすすめしたい。

 ナレーションがどんなときも、明るくて爽やかなところも怖い。