少し前に「私が読み通せなかった本」まとめがあったので、それに勝手に参加してみる。ブックマークした、と思っていたがしていなかった、残念。
「自分はそれは読めましたよ(鼻タカ)」となった本もあれば、「自分もそれは読めなかった…(同志よ)」となった本もあった。
というわけで、読み通せなかったのでいつか再挑戦したいなと思っている本を上げてみた。「自分には合わないな」と思って読むのをやめて、再挑戦する気持ちが余りない本は対象外にしている。
「ドグラ・マグラ」 夢野久作
実はもう三回くらい挑戦して、一度も読み通せたことがない。
「あああ、お兄様お兄様、妾です、モヨコです…ああああ…」をもう何度読んだことか。三回めにしてようやく「胎児の夢」に辿りついた。全然、中身が頭に入っていない。
奇書の中の最後の一冊なので、どうしても読んでおきたい。
奇書だと「黒死館殺人事件」のほうが読みづらいという人がいるけれど、自分は「黒死館」は好きでたまに読み返す。
「ドグラ・マグラ」と「黒死館」は、両方読めなかったという人は余り見ないのだけれど、読みにくさが違うのかな? どうなんだろう。
「死霊」 埴谷雄高
ドストエフスキーに強い影響を受けた思想小説、ということで興味を持ったのだけれど、まったく読めず最初のほうで挫折。
小説というよりは、哲学書に近いのかな? 時間があるときに腰を据えて読んでみたい。
「競売ナンバー49の叫び」 トマス・ピンチョン
シュールな文体と物語、膨大な情報量で読むのが大変と言われるトマス・ピンチョンの小説の中で比較的初心者向けということで手にとった。
一応、最後まで読んだけれど、まったく内容が頭に入ってこない。「読んで忘れた」とかではなく、読んでいる最中にまったく物語の絵面が頭に浮かばない。想像力のフックになる情緒的な情報がほぼない、すごい小説。
あらすじだけ読むと、ものすごく自分が好きそうな物語なので諦めきれない。
世界解明系の物語だし。
というわけで、また機会を見て再挑戦したい。
トマス・ピンチョンビギナー向けでこのありさまなのだから、長編の「V」とか「重力の虹」とかどうなってしまうんだろう…。
粗筋だけ読むと、すごく面白そうなのだけれど手に取る勇気が出ない。
「ピンチャー・マーティン」 ウィリアム・ゴールディング
「蠅の王」一発屋ですか? とネットで書かれていたゴールディングの作。
孤島に漂流した人があれこれと思想をめぐらしながら生きようとする話…と思いきや、というもの。読んでいるときは面白かったんだけれど、詳細をまったく覚えていないので今度再読したい。
ゴールディングは「蠅の王」とこれ以外にも「蠍の神様」「自由な転落」「後継者たち」「尖塔」「我が町、ぼくを呼ぶ声」と読んだけれど、正直どれも面白くなかった。
それなりに知名度もあるはずなのに、「蠅の王」以外余り語られているのを見ないのは出来そのものが良くないなのか、もしくは訳文がイマイチなのか。
「蠅の王」は大好きだ。
「百年の孤独」 ガルシア・マルケス
ノーベル文学賞を受賞したときにミーハー根性で手を出してみて、序盤で匙を投げた。
どういう話か、ということをある程度知ってから読んだほうが読みやすいのかも。ひとつの家族が作っている村の栄枯盛衰を描いた物語、でいいのか?
表紙の絵が好き。
最初に読んで面白くなかったら読まなくていいのでは? 読まなきゃ死ぬわけでもないし、という意見も尤もだなと思う一方で、初読ではまったく面白くない、意味すらよくわからなかったのに、大枠を理解して読んだら面白くてたまらなかった「悪霊」や訳文が変わったらとても面白かった「ロング・グッドバイ」のような例もあるので、諦めきれないものを上げてみた。
単純にその時の自分では知識や読解力、その状況を理解するには経験が足りなかったので、もう少し年がいったら面白く読めるものもあるかもしれない。
逆に昔はとても面白かったのに、今読むとさほどでもないという作品もある。
「その時の自分が何を求めているか、どんなことを大事に思っているか」ということを、本を読むことで実感する部分がある。「その時の自分にとって必要な本かどうか」ということが大きいかもしれない。
自分が本を読む一番の理由は、それなんだと思う。
いつになるか分からないけれど、死ぬまでには上記に上げた本を読んで感想を書きたい。