恋愛シミュレーションアプリ「ドルアーガの塔 Tower of Defender」
あれ? 「シミュレーヨン」じゃなくなっている。まあ、いいか。
「ドルアーガの塔」がまさかの恋愛シミュレーションゲーム化し、はてブをざわつかせていた。
これは悪魔ドルアーガが塔に封印されてから100年後の話。
三か月間、第12小隊の一員となってドルアーガの塔を守れ。
でも、配属された第12小隊は男だらけ。
慣れない隊、しかも男性しかいない…。
毎日が戸惑いとドキドキでいっぱい‼
それでも少しずつ心を通わせ、絆を深めていく。
あなたの気持ちにも変化が⁈
(「ドルアーガの塔-Tower of Defender」公式ホームページより)
突っ込みどころ満載のストーリーだけれど、乙女ゲームはだいたいこんなものかな、という気もする。キャラクターも「熱血」「クール」「女好き」「謎」「年上」「年下」とテンプレそのままという感じだ。
乙女ゲームは、元祖の「無印アンジェリーク」しかやったことはない。「アンジェリーク」は9人と攻略キャラが多めなのに、一人一人キャラが作りこまれていてそこが良かった。
「恋愛ゲームだからこんなもんでいいだろ」みたいなのが透けて見えるのは、個人的には気に喰わない。
元ネタに「ドルアーガの塔」を使うというのもよく分からない。
「ドルアーガの塔」のプレイヤー層は、恐らく現在30代から40代の男性が多いんじゃないだろうか。
「ドルアーガの塔」のネームバリューに引きつけられる層と乙女ゲーのプレイヤー層がほとんどかぶっていないと思うのだが。
それとも自分が知らないだけで、けっこう男性も乙女ゲーをやるのだろうか。
とりあえず「主人公が第12小隊に入隊する前日譚」の漫画が無料公開されていたので読んでみた。
うーーーーん。
思ったより悪くはないけれど、面白いかと言われれば正直それほどではない。
何かに似ているなと思ったら「虹色デイズ」に雰囲気が似ている。
こういう男子数人がキャッキャッじゃれ合っている感じ。何かジャンル名があるのだろうか?
元々、ストーリーがどうこうより特定のシュチュエーションがあって、その中でお約束のシュチュエーションを繰り返す小イベントが延々と続く、という話が余り好きではない。少女漫画でヒロインと相手役がくっついた後はそうなりやすいけれど、初めからシュチュエーション重視だとキツイ。
そういえば「幸色のワンルーム」がそんな感じだった。
シチュエーションありきの出オチな上に、その状況が「誘拐」なため、他の人物が絡ませることが難しい。空間的にも関係的にもほぼ密室状態なので、話の動かなさが半端なかった。
思春期のころは、ああいう閉じられて固定された世界で自己実現が憧れのシチュエーションなのかもしれない。
話を「ドルアーガの塔」に戻すと、シチュエーション重視の話が苦手な上に、「女性向けに描かれた男子数人の仲良しシチュ」というのにいまいち興味が持てない。「虹色デイズ」も、恋愛や女の子同士の関係メインで読んでいた。
あくまで好みの問題なので、好きな人は好きなんだとは思うけれど。
「ドルアーガの塔」も「男子数人仲良しシチュ」が好きな人には、悪くないかもしれない。
でもそれも「クールに対する『本当は熱血のことが好きなんだろう』いじり」とか「女好きのテンプレめいたセリフ」とか「謎が内通者という疑いをかけられる」とか、すべてがテンプレ通りすぎてちょっとなあ、という感じだ。
絵はまあまあ好きかなあ。
ゲームは元の世界観を膨らませて、物語や背景も描いているならやってみたいなと思う。
「いままでの『ドルアーガーの塔』の世界である【塔を登る世界】から【塔を登らせない世界】という新たな観点」
こういう風にも言っているし。
なぜ「登る世界」から「登らせない世界」になったのか。ただ作品のコンセプトを変えてみました以外に、世界観にその理由が組み込まれているのかな。それだったらやってみたい。
問題は基本無料でどこまでできるかだ。
各キャラのベストエンドは課金しないと到達するのは難しいとなると、やるのは厳しい。「恋愛には金がかかるんやで」と言われると、そうかもなとは思うけれど。
「ドルアーガの塔」はゲームも好きだけれど、それ以上に創元社から出ていたゲームブックに思い入れがある。
ゲームの世界観を踏襲していて、文章という制限がある媒体でその世界観を大きく広げている。塔の中に酒場があったり、色々な人が住んでいたり、ゲームシステムも一卷、二巻、三巻で変えているなど本当に面白かった。
ああいう風に元ネタの世界観を壊さず、なおかつその作品独自の面白さも見せて欲しい。贅沢だけれど、有名な作品を元ネタとして使うならば、それくらい求めてもいいだろう。
登場人物にギルもいたけれど、百年後の話じゃないのか?
攻略できるのか? カイはどうした?
それを知るためにはやってくださいということか。
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鈴木直人はどの作品も好きだけれど、個人的には「ティーンズ・パンタクル」が一番好きだ。
これは知らなかった。