うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

【2019年箱根駅伝・観戦記】「東海大学が大会新記録を出して初優勝。波乱含みの大会を制覇」

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2019年の箱根駅伝の観戦記です。

 

今年は二日三日の親戚の集まりが中止になったため、始めから終わりまで箱根が見れた。

昨年走ったメンバーがほとんど残っているし、今年も青学かなあと思いつつ見始めた平成最後の箱根駅伝。

例年になく波乱万丈の展開だった。

 

 

往路

一区

スタートでいきなり大東文化大学の新井が転んだ。誰かの足を踏んでしまったらしい。

箱根では初めて見る展開だ。

競技をやっている選手はスタートの位置取りの技術も身につけていると思うが、他の選手の動き方もあるので不運だったのだと思う。

スタート直後だし、しばらくしたら走りも安定したから監督も止めるかどうするか本当に悩むと思う。

選手本人は並大抵のことでは走ることを止めないと思うから、周りが判断するしかないとは思う。ただ他の選手のこと、本人のことを考えたら難しい。監督も判断に苦しむところだろう。

自分は駅伝はおろか競技をやったことがないので、この辺りは何とも言えない。

ただ新井の健闘をたたえることと、怪我の程度が軽いことを祈るしかない。

 

一区は例年十五キロ付近までは集団で走って、誰かが仕掛けていっきに局面が動くということが多いけれど、今年は7キロ付近で東京国際大学のタイタスが仕掛けた。しかしこれで後続を引き離せず、しばらく集団で走る。

どうも仕掛けたり、先に動いたほうが不利らしい。

自分のペースで揺さぶれるから有利なのかなと思っていたけれど、全くそういうことはないようだ。

昨年一区で区間賞だった東洋大学の西山は、昨年青学にうまく仕掛けさせて最後に抜いている。

今年も自分から仕掛けるつもりはないらしく、集団の真ん中で淡々と走っていた。

10キロでタイタスがもう一度集団から飛び出て、二位集団は早稲田の一年・中谷が引っ張る形になる。これも解説のOB連が「先頭を走るほうが体力が奪われる。上手く使われているのでは」と言っていた。

駅伝はこういう駆け引きも見ていて楽しい。

 

12キロ手前でタイタスがペースダウンして、再び集団に吸収される。

17キロ付近で東洋の西山が集団の前に出てくる。六郷橋の手前で青山学院の位置を確認してから、下りでいっきに仕掛けてきた。

 

東洋の酒井監督は「往路で青山との差が二分は欲しい」と言っていたようだが、昨年と同じで主力選手を往路に揃えて、できれば逃げ切りたいのだろう。

そう考えると一区の西山は昨年と同じく首位で二区につないでほしい、欲しいというかその胸算用なんだろうなと思う。

昨年はその作戦で、往路36秒差、六区であっさりひっくり返されたわけだけれど、今年も同じ作戦なのかな。

対する青山の原監督は「三区でトップに立ちたい」とのこと。

 

一位は東洋大学の西山、二位は中央大学の中山(1秒差)、三位が青山学院大学。東洋とは6秒差かあ。まだまだまったく勝負の行方は分からない。

 

二区

エース区間の二区は、例年にも増して華やかだ。

日本大学のワンブィ、拓殖大学のデレセ、国士舘大学のヴィンセントと三人も留学生ランナーがいるうえに、一万メートルの記録がトップの順天堂大学の塩尻もいる。

留学生ランナーは長距離の経験が少ないときはペース配分や駆け引きで失敗することもあるけれど、走力という地力はやはり日本人よりもあるのではと思う。

骨盤の位置や、筋肉の付き方が全然違って見える。(見た目の筋肉があればいいというものでもないとは思うが)

二区の区間記録を持っているのも、山梨学院大学のモグスだ。

 

と思ったら、トップの東洋大学の山本と中央大の堀尾が1キロを2分40秒というハイペースで突っ込んでくる。強敵が多い二区だけれど、それにしても速すぎないか。

5キロ地点でも14分16秒という、モグスの14分2秒に近い快走を見せる二人だけれど、順天堂の塩尻が14分8秒、それ以上にワンブィが13分59秒とめちゃ速い。ワンブィ、モグスよりも速いペースだ。

9キロ地点でもワンブィのペースは衰えず、モグスの区間記録ペースよりも4秒速い。これは区間新記録が出るかもしれない。

 

4位集団の中を走っている青学の梶谷へは、原監督の「ペースメーカーにだけはなるな」という言葉を受けて、集団を引っ張るのを止める。やっぱり集団の先頭を走るのは不利なんだ。

 

15キロの権太坂時点で一位中央、二位東洋、三位国士舘、四位駒澤、五位東海、六位東京国際、七位法政、八位国学院、九位青山、十位日大、十一位日体大。

東洋と青山の差は42秒。だいぶ開いた。

中央大学の堀尾と並走している山本が、頑張っている。

と思ったら、19キロ地点で東洋の山本が仕掛ける。中央の堀尾はついていけない。

おおっ! このまま二区も東洋がトップか、と思いきや、まさかの三位国士舘のヴィンセントの猛追。余りの追撃ぶりに目が点になった。

素人目にも、「これは百パーセント抜かれる」と分かる。

 

結局一位は国士舘、二位は東洋(一位とは13秒差)、三位中央、四位日大(ワンブィ)、五位東海、六位國學院、七位駒澤、八位青学(一位とは1分5秒差)、九位順天、十位東京国際、十一位法政、十二位拓殖。

 

ヴィンセントの猛追、ワンブィの七人抜きと留学生ランナーのパワー恐るべし。

そしてここで残念ながら、大東文化大学が繰り上げスタートになった。

往路の繰り上げは久しぶりに見た。大東文化は不運に見舞われて気の毒だった。

 

三区

青山学院大学はキャプテンの森田が登場。明治大学の日本人一万メートル記録トップの阿部にも注目が集まっているようだ。

三区へタスキをつないだ時点で13秒差があった国士舘と東洋だが、東洋の山本があっさり首位を奪還。

東洋大学の山本は最初の3キロが8分22秒と、かなり強気の入りのようだ。

4キロ地点で東海、中央、國學院が国士舘を抜き、国士舘は5位に。

5.5キロの遊行寺坂の時点で、一位東洋、二位東海、國學院(東洋と28秒差)、四位中央(40秒差)、五位国士舘、六位駒澤、七位青山(56秒差)、八位日大(1分8秒差)、九位順天堂、十位東京国際。

注目の明治大学の阿部は、この時点で十五位。

 

東洋はかなり強気の入りだと思ったら、他のチームはそれ以上に強気だった。

特に青学の森田はどんどんペースアップして、6.8キロの時点で六位、10キロで駒澤と並走して四位に浮上、11.5キロでついに二位集団に食い込む。

まだ残り半分あるけれど、大丈夫か。湘南大橋とか風がしんどそうだが。

 

と言った心配をよそに、青学の森田は海岸線に入ってもまったくペースが衰えない。

山本も決して遅いわけではないんだけれど、どんどん追い詰めてくる。16キロ時点で東洋と青学の差が100メートルを切った、と思ったら、17.66キロ付近でアッと言う間に追いつかれた。

しばらく並走。東洋の吉川もまだ余裕がありそうな表情はしているがどうなるんだろう。

残り1キロで森田が前に出た。吉川はついていけない。

森田は区間新を出す力走。おめでとうございます。でも吉川も頑張った。青学との差は8秒だ。

三位は駒澤、55秒差。七位から押し上げてきた。四位は東海と國學院。1分13秒差。帝京の遠藤が14位からの大躍進で6位。7位は東京国際、八位が順天。

 

四区

2.5キロ地点で、東洋の相澤が青学の岩見に追いつき並走。

3位の駒澤の加藤の後ろには、四位の東海の舘澤が迫っている。大八木監督「絶対についていけ」厳しいぜ。

三位は東海と駒澤が並走。そしてアナウンサーにまで、「優しい言葉をかけることもあります」みたいに言われる大八木監督。

 

東洋の相澤は青学云々よりも、区間新狙いのようだ。

9.1キロ二ノ宮付近で区間記録よりも30秒速いのはすごい。

12キロすぎで青学と1分45秒差。えらく差がついたな。相澤が調子いいのもあるけれど、青学の岩見が若干調子が悪いのかもしれない。走っている姿を見ても苦しそうに見える。

青学は区間11位。16.5キロ時点で、東洋との差が2分30秒か。

酒井監督が欲しがっていた2分差がついた。そして19キロ時点で東海が青学を抜く。岩見はまったくついていけていない。

 

一位東洋、二位東海(2分48秒差)、三位青学(3分30秒差)、四位駒澤(3分59秒差)、五位帝京(4分23秒差)、六位國學院(4分43秒差)、七位中央(5分23秒差)、八位明治(5分33秒差)、九位拓殖、十位東京国際、十一位順天、十二位法政。

東洋の相澤が区間記録を1分30秒近く縮めて区間新記録を達成。すごい走りだった。

 

この時点で東洋は二位の東海とも二分以上の差をつけている。これは酒井監督の思惑通りいきそうか。

 

山梨学院は残り三秒のところでタスキがつながった。良かった。

 

五区

東洋大学の田中を青学の竹石が追う展開なのは、昨年と同じ。

ただ昨年よりも差が大きいうえに、東海大の西田もいる。

國學院の浦田と昨年五区で区間新をとった法政の青木が前評判がいい。

 

最初の三キロは東洋の田中と青学の竹石は、1キロ三分ちょうどくらいのゆったりした同じくらいのペースで入る。

二人とも二年連続の山登りだし、自分のペースで走っているのかもしれないと思っていたら、6キロ付近で駒澤の伊東が竹石を抜く。竹石はまったくついていく様子を見せない。

大平台7.1キロ付近で、青学の竹石は区間14位。

おいおい大丈夫か。調子が余り良くないのだろうか。表情は余裕がなさそうにはに見えないけれど。

 

一位東洋と二位の東海の差も23秒つまり、2分8秒差になる。

東海の西田は、ずっと苦しそうな顔で走っているのだが、ペースは一向に衰えない。

東海の西田は調子がよく、どんどん差がつまってくる。

ただ東洋の田中も去年よりはいいペースで走っているということなので、後続のことは余り気にせず走ったほうがいいかもしれない。

 

残り8.9キロの小涌園前付近で、一位が東洋、二位が東海の西田(1分43秒差)、三位が駒澤(3分33秒差)と國學院の浦野が並走、五位が青学の竹石(5分8秒差)、六位が法政の青木、七位が拓殖、八位が明治、九位が帝京、10位が順天、十一位が中央、十二位が中央学院。

 

苦しそうな表情で、どんどん東洋との差を詰めてくる東海の西田は、区間記録を持つ法政の青木よりもハイペースらしい。すごい、上には上が出てくる。

 

青学の竹石はこのままの順位を何とか死守して終わるのか、と思いきや、下りに入った17.4キロ付近で突如、スピードがアップする。順天を抜き返し、七位に返り咲く。下りに入るまで力を溜めていた……とかではないよな。

 

東海の西田の走りは素晴らしく、結局東洋との差を1分13秒まで縮めた。

一位東洋、二位東海、三位國學院(東洋とは2分44秒差)、四位駒澤(3分27秒差)、五位法政(5分5秒差)、六位青学(5分29秒差)、七位順天(5分33秒差)、八位拓殖(5分36秒差)、九位帝京(6分58秒差)、十位中央学院(7分差・シードここまで)、十一位明治(7分43秒差)、十二位中央(8分55秒差)

以下略したが、16位の日体大からはトップの東洋から10分以上差がついたので、明日の復路は一斉スタートになる。

 

五区は、東海の西田、國學院の浦野、法政の青木と区間新が連発されるすごい戦いだった。(区間記録自体は、國學院の浦野がトップ)

二位の東海は六区にも自信があるようだし、昨年の王者の青学も5分29秒差ならばまだ総合優勝は狙える位置にいる。

 

今年の往路は、区間ごとにドラマがあり入れ替わりが激しく、目が離せず先が読めない展開だった。

明日の復路も楽しみだ。

 

復路

六区

六区は東海の中島は山下りは三回目で昨年は区間二位、青学の小野田に至っては四年連続の山下り。昨年は六区の区間賞を取っている。

六区は昨年も一位東洋の今西が先行して、二位の青学小野田が追っかけて抜かれている。今西も初めての山下りで悪くない走りだったけれど、小野田の走りが圧巻だった。

原監督も往路六位はさすがに計算外だと思うけれど、青学はこの後も実力者揃いだし十分巻き返そう。

東海の両角監督は、六区七区には自信があるのか。

差が1分13秒しかないし、六区で首位交代もありうるかもしれない。

 

東洋の今西は1キロ2分45秒で入る。最初は上りだから、だいぶ速いなという印象。

5.1キロ芦の湯付近でも16分14秒と、昨年の自分よりも14秒速い。ここで東海との差が1分28秒と少し開く。がんばっているな~。

去年よりも地面の反発力が使えるようになっているらしい。そう言われて見ても、ぜんぜんわからん。

 

9.1キロ小涌園の時点で、1位東洋(26分39秒)二位東海(1分21秒差)、三位國學院、四位駒澤(3分52秒差)、五位法政、六位青学(5分39秒差)

残り7.1キロの大平台付近でも、東洋の今西は区間記録よりも5秒速いペースだ。このまま行けるのか。

五位法政と六位青学の差も意外と縮まらない。

 

と思いきや残り3.9キロの函嶺洞門付近で、東海の中島と青学の小野田が底力を見せる。東洋の今西もまったく悪くない走りだけれど、どんどん差が詰まってくる。

中島と小野田は同タイム。残り1.5キロで青学が法政を抜き、五位に浮上。

 

小田原中継所で一位は東洋の今西。58分13秒というこの時点で歴代3位の好タイム。

二位は東海の中島。東洋とは1分8秒差。思ったよりは、詰まっていない。

三位は國學院を抜いた駒澤。(4分21秒差)四位は國學院(4分49秒差)。

青学は順位をひとつあげて五位。小野田は57分台の走りで区間新を出し、有終の美を飾った。途中苦しそうかな、と思ったがまったくそんなことはなかった。東洋との差は15秒詰めた。

六位は法政(5分24秒差)、七位は帝京(7分31秒差)、八位順天(7分58秒差)、九位拓殖(8分31秒差)、十位中央学院(9分3秒差)、十一位明治(9分12秒差)、十二位の早稲田(11分21秒差)と十三位の中央(11分29秒差)。この辺りは、まだシードを狙えそうだ。

 

七区

七区は東洋はキャプテンの小笹、青学は昨年のMVP林が走る。青学は本当に選手層が厚い。自分が敵チームだったら嫌になるな。

東洋の小笹には、キャプテンの意地を見せて頑張って欲しい。

と、思ったら、さっそく林が1キロ2分40秒というハイペースで突っ込んできて、あっという間に國學院を抜いて4位に浮上する。うーん、昨日の時点ではさすがに厳しいかな、と思っていたけれど、このまま一区ずつ順位をあげていくと総合優勝も十分ありえそうだ。

9キロの時点で3位の駒澤にも追いつき、3位に躍り出る。この時点で、昨年の自分の区間記録よりもタイムがいい。無茶苦茶だよ。

 

今年の大会は次々に記録が出ているけれど、解説でも言っていた通り、環境もいいのだと思う。寒くもないし、晴れていて風もほとんどない。暑さだけが少し心配だけれど、何より風がないというのは有利だと思う。

当日の気候がどうかという運も実力のうちな気はする。

 

一方で東洋の小笹は、今いち調子があがらない。

残り9.5キロの二ノ宮の時点で、二位の東海との差が48秒まで詰まる。

三位の青学と駒澤も4分32秒差と差を詰めてきている。

走りもだんだん苦しそうになる。こういう時は追われている側は不利だな。

もう抜かれるんだろうなと思って見ていたが、小笹も最後の最後で意地を見せて、一位は死守。

しかし二位の東海との差は4秒しかない。

三位の青学の林は当然のごとく区間賞。区間新には2秒足りなかったが、まあどちらにしろ持っているのは自分だしな。トップの東洋とは3分48秒差。

四位は駒澤は4分32秒差。青学にはだいぶ離された。

五位法政(5分57秒差)、六位國學院(5分59秒差)、七位帝京(8分14秒差)、八位順天(8分51秒差)、九位拓殖(10分18秒差)、十位中央学院(10分48秒差)、十一位明治(11分15秒差)、十二位は集団になっている。早稲田と日体大が12分31秒差。

中央学院と明治の差が27秒で、シード争いもまだまだ見逃せない。

 

八区

八区は東洋の一年鈴木と東海の三年小松の並走で始まる。

東洋の一年鈴木は経験が少ないうえに、実力は小松のほうが上。純朴な雰囲気で見ていて心配になる。青学の一年飯田は、同じ一年でもクールそうな雰囲気なので、それほど心配な気持ちにはならないのだが。

小松と鈴木は並走の様子を横から見ても、明らかに歩幅が違う。

 

すぐに小松が前に出るのかと思いきや、鈴木を前に走らせて自分は後ろについていく作戦を取った。

このほうが精神的にじわじわこさせることができる、と踏んだのかもしれない。

酒井監督からも「ペースメーカーにだけはならないように」という注意が飛ぶ。

復路のトップが並走というのは余り見たことがないのだけれど、監督同士も相手に意図を悟られないように駆け引きするのか。面白い。

ただ監督が指示を細かく出せないとなると、ますます経験が少ない1年の鈴木のほうが不利な気がする。頑張ってくれ。

小松もあんまり鈴木相手に駆け引きをしていると、後ろから青学に詰められるんじゃないかと思うが。

 

いつまで並走する気だろうと思ったら、14.6キロ遊行寺の坂の手前付近で、ついに小松が前に出る。鈴木はついていくことができず、ここで東海がトップになる。

遊行寺付近で、一位東海と二位東洋の差が9秒。

三位の青学は3分32秒差と少しずつだが、詰まっている。四位の駒澤は4分44秒差。駒澤も大きくは離されず、安定してついていっている。

 

一位は東海の小松で1時間3分50秒で区間新。二位は東洋で差は50秒。だいぶ離されてしまった。

三位青学が4分29秒差。四位駒澤は5分30秒差。五位法政(8分32秒差)六位國學院(8分59秒差)。

シード争いは中央学院が九位に浮上。十位は拓殖。十一位の明治は拓殖と1分6秒差。うーん、ここも少し開いてしまった。

 

そして城西と上武が繰り上げスタート。

 

九区

東海も東洋も最初の1キロは2分44秒で入る。

ここで頑張ってついていかないと、東洋に逆転の芽はない。

だが7.8キロ権太坂付近で、東海と東洋の差は1分13秒と逆に開く。

東海の選手層が厚いのか、東洋の復路がイマイチなのか。東洋は往路勝負の部分があったから、仕方がないのかもしれない。

九区の中村は昨年は、一月二日の夜に監督からエントリー変更を告げられて走れなかったそうなので、今年はぜひ頑張って欲しいが。

三位は青学で4分10秒差と、また少し詰まっている。東洋は東海よりも青学を気にしなければならないかもしれない。

四位駒澤、五位は法政、六位は國學院とこの辺りは変化はない。

 

残り8.3キロ横浜駅前付近で、一位の東海と二位の東洋のあいだは2分12秒とさらに開く。うーん、東洋の逆転は難しそうだ。

三位の青学の吉田は3分59秒差と区間新のペースで走っている。青学は区間新や区間賞をバンバン叩き出している。東洋よりも青学のほうが、逆転を狙えるかもしれない。

 

結局一位は東海がさらに東洋を突き放して、独走態勢を固める。二位が東洋、三位は青学だが、8秒しか差がない。勢いを見ると、十区で入れ替わりそうだ。

駒澤が四位。6分35秒差。三位争いに参加するのは難しそうだ。

五位が法政(9分52秒差)、六位が國學院(10分30秒差)、七位が帝京(11分17秒差)、八位が順天(13分24秒差)、九位が中央学院(15分4秒差)、十位が拓殖(15分32秒差)、十一位が明治(16分1秒差)十二位が早稲田、十三位が中大。

シード争いをしている拓殖と明治のあいだは、縮まりそうで縮まらない。

 

十区

鶴見中継所の受け渡しでは、東洋の中村が何とか二位を死守したが、5キロすぎで青学の鈴木が単独で二位になる。

7キロ時点で、区間記録を16秒上回る好調なペースだ。

さすがに三分以上差がある東海に追いつくのは厳しそうだが、このままいけば復路は6位スタートからの逆転二位だ。

 

東海の郡司は危なげない走りで、ここからは波乱はなさそうだ。

東海の両角監督は胴上げに備えて(?)12キロ減量したのか。

あと十区終盤で紹介された「走ることが好きなことが、君たちの宝物なんだ」という監督のセリフが良かった。

「箱根を走れることが」とか「駅伝をできる能力を持ったことが」じゃなくて、「走ることが好きなことが」というのがいい。

何かを「好きになる」何かに「夢中になれる」って、それだけですごいことだと思う。結果云々はともかく、「そういう気持ちは貴重なものだから、大事にしてくれ」って言ってくれる人っていいよね。

 

十区は特に危なげなく東海大学が10時間52分9秒の大会新記録を打ち立てて初優勝。

おめでとうございます。

毎年毎年、選手たちの嬉しそうな笑顔を見るとこっちまで嬉しくなる。見て色々と言うだけで悪いけどさ、よく頑張ったと心から拍手を送りたい。

 

青山学院大学は連覇こそ逃したものの、5時間23分49秒の復路新記録を出して二位。

三位は東洋大学。選手たちは残念だったかもしれないけれど、本当によく頑張ったと思う。

四位は駒澤大学。ここ最近では一番成績がいい。大八木監督は還暦を迎えたそうだが、監督車からの厳しい声かけは一向に衰えないし、来年はまたもっと上を目指して頑張って欲しい。赤いストップウォッチってどんなんだ?

五位帝京大学。これもだいぶ快挙では。六位法政大学。七位國學院大學。八位順天堂大学。九位拓殖大学。十位中央学院大学。十一位中央大学。十二位早稲田大学。十三位日本体育大学。十四位日本大学。十五位東京国際大学。十六位神奈川大学。十七位明治大学。十八位国士舘大学。十九位大東文化大学。二十位城西大学。二十一位山梨学院大学。二十二位上武大学。

 

まとめ

ここ最近では、一番見ごたえがあった。

始まる前は、今年も昨年の主力が残っている青山学院かな、と思っていたが、往路では東洋が意地を見せた。

昨年は力を出し切れなかった順天堂の塩尻のように、今年は本来の強さを見せた選手もいれば、青学の五区の竹石のようにイマイチ本調子ではなかった選手もいる。

六区では昨年と同じように追われる展開でも、昨年とは違う走りで意地を見せた東洋の今西のような選手もいれば、青学の森田、小野田、林のように毎年同じ強さを誇り、昨年の自分をも超えてしまうような選手もいる。

同じコースで同じようなことをやっているからこそ、その違いが面白いのかもしれない。

 

来年は青学から主力の四年生が抜けるし、今年の東海や駒澤の強さを見るとまたちょっと節目の年になるかもしれない。

東洋も選手たちが経験を積んでいると思うので、来年こそは復路も頑張って欲しい。

 

来年も二日三日は箱根をじっくり見れますように。