うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

幾原邦彦監督「さらざんまい」が面白すぎて、5話までいっき見した。

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さら~~~~!!

さら~~~~!!!

さら~~~~!!!!

 

さらざんまい!!

 

自分の好みではなさそうだったので、見ようか迷っていた。

つまらなかったら切ればいいんだし、幾原邦彦の作品なら見始めたらハマるかもしれない。物は試しで見てみようと思い見始めた。

もっと早く見ればよかった。

もしくは完結するまで我慢すればよかった。そうすればこんなに次回を待ちわびることもなかったのに。 

何から何まで良くて、どこから言及すればいいのか分からない。

 

「さらざんまい」の一番好きなところは、一見奇抜に見えて、扱っているテーマが「つながり」という誰しも避けて通れないものであるところだ。

「さらざんまい」は人との「つながり」について、かなり(文字通り)突っ込んで描いている。

人とつながることは、「他人の領域」に踏み込むことであり、「自分の領域に踏み込まれることを許すこと」でもある。

心を、自分を開かなければ、他人とは本当の意味ではつながれない。

 

だが同時に、「人に心を開いて自分の領域に踏み込むこと」は、他人から否定され拒絶されたりリスクを負うことと表裏一体だ。このリスクを負わずに、「人とのつながり」という恩恵を手に入れることはできない。

また「他人の領域に踏み込むこと」は、相手の中に「自分とは相いれないもの」「自分が受け入れられないもの」を見出してしまう可能性や、不用意に相手を傷つけてしまう可能性がある。

知らなければ、踏み込まなければ穏当な関係でいられたのに、その関係が壊れてしまう可能性を背負うことになる。

 

誰もが何かしら人には言えない、踏み込まれたくない領域を持っている。

悠や猫山、蕎麦谷のように犯罪に類するものの可能性もあるし、燕太のように抑えきれない恋心からの行為もあるし、一希のように深い罪悪感の場合もある。 

人と深くつながるということはそういったものを相手に知られてしまうリスクを負うこと、そしてつながればつながるほどそういった自分も相手に知ってもらいたい、もしくは知られたくない自分を苦しく思うことと隣り合わせでもある。

「つながり」は「傷つけられたり拒絶される痛みのリスク」を背負うことで、初めて叶うのだ。

 

「さらざんまい」は、この発想が徹底している。

敵たちも他人から見れば下らない、理解しがたい欲望を持ちそれを叶えるために罪を犯す。主人公三人も他人には言えない、知られたくない秘密を情報漏洩することになる。

しかし秘密を漏洩することになるとしても、失いたくないものを取り戻すためにはカッパになって戦うしかない。

自分の大切なものや欲望を守るためには、自分をさらけ出すリスクを背負うことを選ぶしかないのだ。

 

これは現実に置き換えて考えるとかなり厳しい。

できれば否定されたり拒絶されたりせずに、自分の都合のいい部分だけを受け入れてもらいたい、肯定されたい、誰でもそう思う。

今の時代はSNSなどでそういう欲望をある程度満たせるからこそ、「他人と相対すること」の怖さと向き合っている「さらざんまい」の姿勢を貴重に感じる。

 

生きていくうえで必ず向き合わなければならない「つながり」という普遍的なテーマを、ぶっ飛んだ描きかたで、重くならず、かといって軽すぎたり綺麗ごとになりすぎたりせず正面から描いている。

癖になるお約束やスピード感がある音楽や作画なので、見ていて楽しい。

 

物語の見せ方や情報の出し方もうまい。

春河が足が不自由なことその理由、警官二人の正体、悠の事情や一希の生い立ちなど、少しずつ情報が開示される。お約束の形態を守った一話完結型の作りなのに、全体のストーリーが進んでいる感覚があるので、先の展開に興味が惹きつけられる。

 

登場人物もいい。

主人公三人は年齢相応の素直になれない部分があるが、基本的には真っすぐで他人を思いやれる優しさを持っている。

それでいながら、一希が燕太の気持ちに気づかなかったり、燕太が一希が猫を誘拐したことや悠の殺人を非難したり、悠が一希や燕太の真実と向き合おうとしない姿勢を責めたり、相容れない部分もある。

三人は同い年だが、性格や生い立ち、価値観などはまったく違う。

その三人がどうやって信頼や関係「つながり」を深めていくのか、オープニングの最後のように笑い合えるようになるのか、今から楽しみだ。

一番好きなのはケッピだ。可愛い。「まどマギ」のきゅうべえや「ぼくらの」のコエムシのような奴じゃないといいんだが。

 

最後までこの面白さが続きますように。

さらざんまい 公式スターティングガイド

さらざんまい 公式スターティングガイド

 

昔、浅草に通勤していたのでどの場所が出てくるかも楽しみにしている。五話で5656会館が出てきてテンションが上がった。行事も出てくるのかな。

 

そのあと7話まで見た感想。

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