うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

「男性にとっての『友達』はお互いに迷惑をかけあっていい存在」の元ネタ、グリフィスのガッツに対する感情の考察を紹介したい。

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togetter.com

 

先日、ホッテントリに入っていたまとめのタイトルが「どこかで聞いたことがある話だな」と思ったら、自分の記事を介した話だったらしくびっくりした。

自分が記事の中で、「ベルセルクについて、こういう考察をしている人がいて面白かった」と紹介した文章を読んでくれたらしい。

 

 

この話の元ネタは「ベルセルク」の鷹の団編における、グリフィスのガッツに対する感情を考察した昔の同人誌だ。

出版されている本やネット上で公開されている記事なら紹介するところだが、かなり昔の同人誌なので現物を紹介できない。

「ベルセルクフリークス」という名前で、Twitterで持っているという人がいたので、読んだことがある人もいるかもしれない。

正確には同人誌の筆者である女性が「グリフィスのガッツに対する感情が、自分にはなぜ理解しにくいのか」ということを性別を軸にして考察した話だ。自分の紹介のしかたが一般化に寄りすぎていたのかもしれない。(一応、元記事では主語がデカい話だ、と断っているが)

元の話はそういうものだった、とわかってもらえたらありがたい。

 

せっかくなので自分が面白いと思ったこの考察の一連の流れを、覚えている限り紹介したい。本来であれば正確に引用したかったが、現物を探したが見つからなかったので、申し訳ないが記憶している限りの話になっている。

 

この同人誌を作成したチームは、男女混成だった。(確か男女二人ずつ四人のかたがいた)

その中の一人の女性が「ガッツがグリフィスの下を去ってからの、グリフィスの言動の意味がよくわからない」と言ったところ、男性陣から「なぜわからないのか?」という反応が返ってきたことが発端だったと記憶している。

この同人誌には作者である三浦建太郎のインタビューが載っていて、男性陣寄りの反応をしていたと思う。

また女性の中には、グリフィスのガッツに対する感情が恋愛感情のようにも見える人がいるという話が出てくる。(これはその人たちからそう見えるというだけで、恋愛感情であるという主張ではない)

まとめのタイトルの話は、「なぜグリフィスのガッツに対する感情が、恋愛のように見える女性がいるのか」という考察の流れで出てくる。

 

自分は当時、グリフィスにあまり興味がなかったので、この辺りを深く考えたことがなかった。

ガッツとキャスカもよくわからない人たちだなくらいに思っていて、ストーリーを楽しんでいた。(キャラクターではコルカスが好きだった)

そのときの自分は、「グリフィスは、ガッツがいなくなったショックで夢を失ったことを後悔していた。だからゴッドハンドの誘いにのった」と漠然と思っていた。

だがこの同人誌の考察を読んで、自分の考えは違うのでは、と思うようになった。

 

①グリフィスはガッツが自分の下を去ろうとしたとき、殺してでも止めようとしている。

②自棄になってシャルロットの下に行ったときも、ずっとガッツのことを考えている。

③「お前だけが、俺に夢を忘れさせた」のセリフがあるように、グリフィスにとってガッツは夢よりも重い存在。(つまりゴッドハンドになったのは、夢のためではなくガッツのためではないか)

④グリフィスは、なぜキャスカの世話になる未来を拒んたのか。(③を考えると、「夢を諦めきれなかったから」という解釈も違うように思えた。)

⑤キャスカに対する仕打ち。

 

漠然と「夢を諦めきれなかったことが、一連の行動の理由」と思っていたが、ひとつひとつを考えるとうまくかみ合わない。

グリフィスの言動はよく考えると訳がわからないし、様々な解釈ができる。

 

この考察で一番面白いと感じたのは、「グリフィスは、ガッツに嫉妬していたのではないか」という意見を明確に否定しているところだ。

「グリフィスの「捧げる」と言ったときの表情を見ると、グリフィスがガッツに対して抱いていたのは、負の感情ではないのでは」ということを書いていたと思う。

言われてみれば、「ただ一人、お前だけが、俺に夢を忘れさせた」のセリフのときに二人が肩を組んで笑い合っている描写や、「捧げる」の表情、そのあとの微笑んだ満足そうなグリフィスの顔、あの流れだけを切り取ると、どう見てもグリフィスにとってガッツは大事な存在だと思える。

上記③であげた通り、グリフィスにとって「ガッツ>夢」なのだ。そしてガッツに対してネガティブな感情を持っていない。

夢のためではないなら、何のために捧げたのか。

 

その人の結論はグリフィスがゴッドハンドになったのは、「ガッツと対等でいたかったからではないか」だった。

最初はまったく予想外の考えだったのでびっくりしたけれど、言われてみればなるほど、と納得度が高かった。

この「対等」も現代の価値観で考えると「身体が不自由になったら対等ではないのか」とは思うが、「ベルセルク」の世界観の話なので「お互いに全力で戦える=対等」くらいに考えてもらうといいと思う。

 

是非はともかく、考えかたの流れがとても面白かった。 

性別ですべてを決めつけているわけではなく、自分が疑問に思ったことを、女性である自分と男性陣の感じ方の違いを方法論として用いて、ここでこういう風に感じているからこういう違いが現れるのではと考え、そしてその違いを丁寧に積み上げてグリフィスの言動を解釈している感じだった。

 

自分はこの考察を読んで、それまでさほど興味がなくその内面を深く考えようとは思わなかったグリフィスに興味がわいた。グリフィスというキャラの複雑さと面白さを教えてもらったように思った。

何より「ベルセルク」に対する熱い想いが溢れていて、「ベルセルク」が好きな人なら、考え方や感じかたは違くとも楽しく読めたのでは、と思う。

 

現物が残っていないのは残念だが、そういう面白い本があったということを、紹介したかったので記事にしてみた 

ベルセルク 8 (ヤングアニマルコミックス)

ベルセルク 8 (ヤングアニマルコミックス)

 

その同人誌は、鷹の団編までの話に限定しての内容になっている。

 

この話と同じことを言っているのでは、と思ったのは、「ハンター×ハンター」29卷で、キルアがパームに言った「仲間に礼はもう言わねーから」だ。