うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

大泉洋主演ドラマ「ノーサイド・ゲーム」の第三話を見て、千葉ジェッツのことを思い出す。

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TBSの日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」を見ている。

www.tbs.co.jp

 

大手自動車メーカーのエリート社員・君嶋が幹部ににらまれて、左遷させられる。

左遷先が連敗続きでお荷物になっているラグビーチーム・アストロズのGMで、有能だがこれまたラグビー界では煙たがられている柴門を監督に招いて、弱小チームを強豪に育てあげていくという話。

 

ラグビーワールド杯の開催の宣伝も兼ねているのだろうが、原作が池井戸潤ということもあり、ラグビーをまったく知らない人でも楽しく観れる。

企業にありがちなこと、古く閉鎖的な組織(例えばスポーツ界)にありがちなこと、スポーツチームにありがちなこと、収益や採算を考える人間とチームを第一に考える人間のあいだにありがちなことのすべてが詰め込まれていながら、それらが綺麗にわかりやすく整理されていて、観ていて飽きない。

 

「現実もこうだったらいいのに」という青臭い理想的な部分と、「現実にいかにもありそう」なあるあるな部分の割合が絶妙だ。

この割合は一見簡単そうに見えて、針の穴をつくようなバランス感覚が要求される部分なのかもしれない。

 

第三話は観客動員数を増やすために、地域活動をしたり、ファンクラブを設立する話だった。

Bリーグや千葉ジェッツを思い出した。

www.saiusaruzzz.com

 

大企業が母体で実業団チームなのに、あそこまで観客動員に必死になるかな、とか、予算の獲得に苦労しているわりにはスタジアムめちゃくちゃ綺麗だよな(どこのスタジアムだろう)とかは気になった。

ただ最後の君嶋の言葉は、その通りだなと思う。今この瞬間の利益とか勝ち負けと小さな世界の中での派閥争いとかじゃなくて、もっと先のことまで見据えて考えないと、競技人口が減ったらそのスポーツそのものがなくなってしまう可能性がある。

才能があっても続ける場所がない、そのスポーツをやっても将来がないとなれば、運動能力に優れた子供は別のスポーツに流れてしまう。

千葉ジェッツはそういうことも考えて、日本でもバスケの一億円プレイヤーを出そうということを目標にしていたり、富樫のようなスター選手とは長期契約を結んだりしている。スタジアムの建設も決定した。

そういう環境を見て初めて子供たちも、「プロバスケ選手」という夢が描けるとわかっている。

 

千葉ジェッツの社長の島田さんがすごいと思うのは、千葉ジェッツの経営だけではなく、日本のバスケ界をどうしていくかということを考えているところだ。

そういうことを考えられる人がいなくて、長い間、小さなバスケ界の中で分裂して争っていたため「プロバスケ」が一般の人に浸透しなかった。

 

バスケはサッカーや野球とはシーズンがずれているので(重なっている部分もあるけど)「スポーツならひと通り好き」という人なら野球やサッカーのファンでも見てくれる可能性はある。

屋内だから天候の影響を受けにくい、スピード感があり展開が派手なので女性や年配者にもわかりやすく見てもらいやすい、など人気が出そうな要素はいくらでもある。

 

ドラマの中でも、あの手この手でチームの知名度を上げよう、ファンを獲得しようとするところは見ていて面白かった。

Bリーグもジェッツやブレックスのような人気チームやCSの決勝などは、チケットが即完売するくらい人気が出てきたけれど、今でも集客に苦戦しているチームはたくさんある。

ホームページやSNSを見ると、どのチームもまめにイベントを行ったり、ファンサに力を入れていたり、ドラマと同じように地域活動をしたり、保育園を訪れたりと色々やっている。

ドラマの中でも言っていたように、選手の中にはそんなことをするよりも練習したい、とかファンになるかもわからない人の相手とか面倒くさいとか大変だなと思う人もいると思う。

「集客は広報がやってくれ、選手にとっては強くなって勝つことが最大のファンサ-ビスだ」という考えも一理あると思う。

 

ということを考えながら見ていたとき、千葉ジェッツの公式ファンブックで読んだ話を思い出した。石井講祐が広報に頼んでポスターをもらって色々な店に貼ってくれるように自発的に頼みに行っていた、という話だ。

「自分は選手だから」と割り切らないで、自分にできることは何でもやるという姿勢がいいなあと思う。

 

石井は元々サラリーマンで営業をしていたから、何としてもプロバスケを浸透させたい、この道で食べていきたいという思いが強かったのかもしれない。目的のためには泥臭いのことでもできる、ということがプレイにも出ているし、石井のそういうところが好きだ。

来シーズンは渋谷に移籍すると聞いたときはびっくりしたし、少し残念だった。

ただ、それはそれとして今後も応援したい。

開幕試合は相手が千葉だし、楽しみだ。

 

今年はラグビーワールド杯の他に、バスケのワールド杯もある。

8月31日から始まるよ。

www.japanbasketball.jp

 

途中からバスケの話になってしまったが、そういうことを差し引いても「ノーサイド・ゲーム」は面白い。

今後の展開も楽しみにしている。

 

アストロズは、マスコットは作らないのだろうか。女性や子供への宣伝効果やグッズの売り上げとか、馬鹿にならないと思うんだけどな。今後、ジャンボくんやゴーディのようなマスコットが出てこないかな。

ノーサイド・ゲーム

ノーサイド・ゲーム