うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

人狼×ループ やめられないとまらないADV「グノーシア」のここが面白い。(序盤をプレイした感想)

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ついに買ってしまった。人狼×ループ×SF「グノーシア」。

ずっとプレイしたいと思っていたので、switchで出てくれて嬉しい。

グノーシア|オンラインコード版

グノーシア|オンラインコード版

  • 発売日: 2020/06/02
  • メディア: Software Download
 

 

昨日は一日ぶっ通しでプレイしていた。始めてしまうとやめ時が見つからない。

最初はカリスマ&直感特化型でいこうと思ったけれど、余りにターゲットにされやすいので泣く泣く「かわいげ」と「ステルス」をあげている。実人生と同じだよな…。

 

プレイ序盤、イベントサーチができるようになったところまでの感想。

 

こんな人におすすめ

・人狼が好きな人

・ロジックパズル型のミステリーが好きな人

・コミュニケーション型の話が好きな人

・パッケージ絵を見てピンときた人

・「こんな人にはすすめない」にあてはまらない人

 

こんな人にはすすめない

・たとえゲームでも人を疑ったり疑われたり責めたり責められたりするのはしんどい人

・閉鎖型コミュニティに何かトラウマがある人

(*追記:クリアしたあと、むしろこういう人にこそやって欲しいと思った)

 

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*このタイトル画、めっちゃ好き。
 

 

 「グノーシア」のここが面白い。

「グノーシア」の面白いところは「人狼」で勝つことが目的ではなく、「人狼をプレイすることが周りの人たちを知るための手段」であるところだ。

「極限状態でその人の本性が出る」

とはよく言うが、役割が変わっても本人の人格や行動原理は変わらない。

「乗員」であっても「グノーシア」であっても「AC主義者」や「バグ」であっても、その人の人柄は同じだ。

理知的で冷静な人間は味方であれば頼もしいし、敵であれば手ごわい。

優しく情に流されやすいキャラは、「乗員」側のときは助けられることが多いが、「グノーシア」側だとすぐに下手をうつ。

議論で主導権を握る人間は、「乗員」側だとすぐに殺される。逆に主導権を握っているのに殺されないと、「グノーシア」なのでは、などループを繰り返せば繰り返すほど、推測できる材料がどんどん増えてくる。

ひたすら「人狼」を繰り返すだけに見えて、「目立ちすぎてもダメ」「この流れだともう下手に口を挟まないほうがいい」など「議論」の隠されたルールや特性を知っていっている。

ただ条件を変えて同じゲームを繰り返すだけで、こんなにも多くのことが学べて見える景色が変わるのか、というより「同じゲーム」をしているからこそ最初のころや前回と今回の違い、「自分自身の変化」を実感できる。

 

「グノーシア」ではレベルやそれに伴う能力値の上昇やスキルの取得はあるが、それがイコール成長ではない。「グノーシア」の「レベル」は、一般的なゲームにおいては「キャラの強さ」よりも「装備品の強さ」が近い。

その武器や防具をどう使いこなすか、武器や防具が弱いならどう戦うかという「強さ」は、プレイヤー次第なのだ。

「直感のみ縛り」などプレイスタイル次第では、「こいつがこうだってわかっているのに! 誰も言うことを聞いてくれない」というもどかしさと悔しさが味わえそうだ。「正解が分かっているのに、訴えた瞬間に自分がコールドスリープ送り」される。(あるある)

 

「グノーシア」の面白いところは、自分とそのキャラとの直接のコミュニケーション以外に「周りの人間のそのキャラに対する反応」でどういう人物かがわかるところだ。

高確率で序盤にコールドスリープ送りにされやすいラキオ、「乗員」側だと脅威と感じられるのか殺されやすいジョナスや夕里子、声はデカいが何となく許され何となく相手にされていないしげみち、余りにも消極的すぎて逆に目立つジナ。

同じように「天然不思議キャラ」でもSQとコメットは違うし、同じように「傍若無人嫌味キャラ」でもラキオと沙明は違う。「大人しい生真面目キャラ」でもジナとステラは違うし、「合理的落ち着きキャラ」でもジョナス、夕里子は違う。

キャラゲームもののよくある「〇〇枠」という中には収まりきらないそれぞれの個性がある。

どのキャラも見た瞬間に目を惹かれ、愛着がわくデザインがそこにひと役買っている。

徐々にキャラクターを知っていくために、最初の段階ではキャラの設定は隠しており、それでいながらひと目で興味がわいてこのキャラをもっと知りたいと思わせる。何より「人狼」をやるためにキャラを知らない段階でも見た目の判別がすぐつかなければならない、という条件をここまで満たしているイラストもないと思う。

好き嫌いが分かれそうな絵だけど、自分は「グノーシア」をまったく知らなくてもパッケージ買いしたかもしれないほど好きだ。

 

キャラクターについての雑感

この状況でも「嫌な奴」でいられるラキオは、ある意味すごい。こういう人、嫌いじゃない。プレイしているときはムカつくけど。「ほんとはいい奴」ではなく、ずっと嫌な奴でいて欲しい。

他の人に責められてもなんとも思わないが、ククルシカに「軽蔑の目で見られる」とぞくぞくする辛い。眼差しや表情は、言葉以上の破壊力がある。

ククルシカは少女漫画を王道でいく儚げふわふわヒロインに見えて、意外と性格がわがままでキツそうなところが好きだ。オトメにしていた「ブラックな笑い話」をいつか聞かせてくれるのだろうか。

「グノーシア」では「人間とは異なったフォルム」で可視化されているけれど、「オトメとしげみちのような外見の性格の人」は現実でも見かける。

「何をしても何となく許される人」というか。それが「かわいげ」や「愛嬌」なんだよな。そういう意味では、この二人はリアリティがある。

「なんかずりーな」と思うけど、「お前を信じるぜ!」とか「きゅっ…」とか言われると結局は受け入れてしまう。「正しいことを言っているけど、それ以上にムカつく」「何となく聞き流してしまう」ラキオやレムナンと正反対だ。理不尽だな。

レムナンのように何を言っても説得力がないように周りから扱われ、流されてしまう現象もみる。よく聞くと意外と鋭いこととや正しいことを言っているのだけれど。

今回のプレイではレムナンに常に嫌われている。グノーシア側で仲間になってさえ「仲が良い人」にならない。カラーにオレンジを選んだから相性が悪いのだろうか。

 

「グノーシア」の人間模様は、「こういうことがあるあるだな」と思うことが多い。

子供が色々と経験して大人になっていくように、ループを繰り返すことでその場の人間関係や相手のことを学ぶ。

知れば知るほど好き嫌いはあれど、どの人も愛着がわいてくる。

最初見たたときは「何だ、こいつ?」「ふーん(まったく興味なし)」だったこいつにこんな気持ちを持つなんて。

そんな「人を知っていくこと」の驚きに満ちたゲームだ。

 

続き。

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