「『遊郭って何?』と子供に聞かれたらどう答えるか?」は、自分の中では「子供(相手)による」としか出てこない。
年齢によっても違うだろうし、その子がどういう子でどれくらい知識があるかによっても違う。
自分はこの話題の要点は、「遊郭とは何かを、子供にどう説明するか?」ではなくて、「『遊郭』とは何かをその子に対してどう説明すればいいかわかるほど、その子のことを知っているか?」だと思う。
「子供」の問題ではなく、質問される側の大人のこれまでのその相手(子供)との関わり方が問われている。
そういう捉え方をまったくしない大人は、自分が子供だったら信用しないので質問もしない。
この手の話題で思うのは、「子供も『相手(大人・親)がどういう人間か?』ということは判断している」という視点がない人はそこから考えたほうが良くないか? ということだ。
子供も子供なりに色々と考えているし、わかっていないように見えてわかっていることもたくさんある。
「この大人には、性格、考え方、日ごろの言動、知識その他もろもろから鑑みて、この問題は聞いてはいけない、触れると面倒くさいことになる」くらいのことは、自分は小学校上がる前でも何となく感じとっていた。
だからかもしれないが、「子供にどう対応するか問題」は、「自分が子供のときこう感じてこう考えていたから、大人になったいまは、こう考えてこうしよう」という考え方をしている。
相手は自分とは違う人間だからそのままの対応はしないけれど、考えかたの出発点はそこだ。
「子供に『遊郭って何?』と聞かれたら、どう答えるか?」は、(自分の中で問題だと思えば)自分が子供のときどう考えていたかをまず考える。
①何となくでもいいから「遊郭」という言葉を、何歳くらいからどういう場所かと理解していたか。
②わからなかったとして、それを大人に聞くか? 聞くとしたら誰に聞くか?
③「聞く、もしくは聞かない」としたらそれは何故か?
④仮に聞いたとしたら、どういう対応が嬉しいか? どういう対応だと「今後は聞くまい」と思うか?
⑤④を踏まえた上で、大人になったいま、どういう対応が良いと考えるか?
①を考えただけでも、「まっさらな状態の子供の脳内に、突然「遊郭」という言葉が飛び込んでくる」という前提には自分はならない。
そういう子もいるかもしれないけれど、そうでない子もいる。色々だから「相手はどういう状態か?」ということから、まず考える。
自分は小学校低学年くらいのころ、二種類の世界名作文学シリーズを延々とリピートし続けていた。それでだいたい周辺知識が断片的に入ってきた。
例えば「ギリシャ神話」は、そういう話が多かった。
それを組み合わせれば何となくは分かるし、何となく以上のことはストーリーに関係なければそこまで興味は持たなかった。
小五、六年くらいだと、当時読んでいた漫画やラノベに出てきたから普通に知っていた。
そういう個々の状況を考えずに、「まっさらな状態の子供の脳内に、突然「遊郭」という言葉が飛び込んでくるという前提で話している人」つまり「こちらの個別事情は興味がなく、自分の頭の中の概念の子供を想定して、勝手に話をすすめる大人」には、自分だったら質問しない。
そういう自分の体感からすると「子供(個人としての子供ではなく)に『遊郭』って何? と質問されたらどう答えるか?」という質問の立て方をしている大人には、子供も聞かないのでは? と思う。
まあこの辺りはその子によるだろうから(本当に知ることが目的で質問しているか? という問題もあるし)「その子自身を見て、対応を考える」というのが結論だ。
(自分の中の結論)
「『遊郭』って何?」と子供に聞かれたら、「『遊郭』とは何かをどう説明すればいいかわかるほど、その子のことを知っているか?」が試されていると思って、「子供」ではなく「その子」に対して合わせた対応を、自分なりに考えて答えたい。
大人でもわからないことはたくさんあるので、わからないことは「わからない」と正直に伝える。
「大人が『質問している自分という人間』にどう向き合っているか」は子供にも伝わると思うし、そういうことが「遊郭がどういうものかの答え」より、その子が大人になったときに大きな影響を与えると自分は思っている。
「グノーシア」のレムナンの設定のときに考えたけれど、
もし自分が親であればゲームでも何でも子供が聞きたいと思うことを聞かれる、その質問に自分なりの言葉で答えられる親になりたいなと思うけど、まあ聞きたくなければそれでも別に構わないし。(どっちだよ)
【「グノーシア」プレイメモ120周め】レムナンの設定を自分が子供だったらどう理解するか、からの派生妄想など - うさるの厨二病な読書日記
自分の子供のころの感覚からすると、「ゲームでも何でも子供が聞きたいと思うことを聞かれる大人」このハードルがそもそも高いと思っている。
子供に「聞いて良かったな」「何かわからないことがあったら、またこの人に聞こう」と思ってもらえる大人になりたい。
(引用元:「鬼滅の刃」11巻 吾峠呼世晴 講談社)
「自分を形成する幼少期に植え込まれた価値観を否定しながら戦いの場に身を置き続けるのは、苦しいことだ」
お館さまのこのひと言を聞くためだけでも、ぜひ多くの子供に見て欲しい。