話題になっていたcakesの人生相談について(元記事は削除済み)
いい年した大人だが、適切な対応が出来るか自信がない。
①回答文で引っかかった点
②相談を受けたとき、自分がどう考えるか
③実際にはどう対応するか
④①~③を踏まえての結論
を考えてみた。
①回答文で引っかかった点
最初に回答を読んだときに感じたことを言うと、「中学生の子供に手に負えない問題を持ち込まれた大人が、自分の話したいことだけを話して誤魔化している」ように見えた。
回答の主旨は「子供である相談者には手に負えない問題だし、幼馴染とはいえ他人なので責任を負うべき問題でもない。本来は大人が考えるべき問題。だから相談者はそのままでいい」だ。
この結論に至るまで、「幼馴染本人から相談されたら」「母親から相談されたら」「19歳の彼氏から相談されたら」と色々なケースを並べている。
「これは大人が考えるべき問題で、それ以上の負荷を相談者に負うべきではない」と回答者本人が言っているのに、と疑問を感じる。(是非はともかく)
「相談者が幼馴染本人であることを想定しているのかな?」と思わないでもなかったが、それでも「母親」と「19歳の彼氏」への回答を書くのは何故か? と思った。
相談者も「大人が考えるべき問題」なのは、分かっている。だから回答者に相談したのでは? というのが、回答を読んだときに感じたことだ。
身近に相談できる大人がいないから、ネットで相談したのだと思う。
そんな状況でこんなことを説明されたら、自分だったらどう思っただろう。
自分は子どもの頃、大人を「子供の世界で有効に機能するもの」としてまったく信用していなかった。(心情的にはそれなりに信用している人はいたが。)「大人は、子供の世界を理解できないので、子供の世界では無能で無力なもの」と思っていたから相談自体をあまりしなかった。
「無能で無力な大人」なのは自分も同じだし、他人だから仕方ないと思うけれど、それを素直に伝えるのではなく説諭調で相談者に受け入れてもらうのは、「相談者に負荷をかける大人になること」ではないかなと思った。
②自分が十四歳の中学生からこういう相談をされたらどう考えるか。
他にも指摘している人がいたけれど、「相談者本人の話ではないか」とまずは考える。
何故、そう思ったかと言うと
「幼馴染と彼氏さんは避妊を一切せずそういう行為をしているということです(幼馴染は基本なんでも話してくれます)。」
「幼馴染の仲でも、人の彼氏のことまで口を出すのは良くないかなと思いなにも言えません。」
(相談文からの引用)
「幼馴染は何でも話すのに」「相談者は話されたことについて何も言えない」
この関係性がアンバランスすぎると感じたからだ。
本当にそういう関係性であることも無きにしもあらずなので、「本当に幼馴染の話の場合」と「本人だった場合」を内心で分けて聞くと思う。
③実際にはどう対応するか
「次の機会につなぐこと」を最大限考えると思う。
自分はこの相談者も幼馴染も「大人への不信感」が相当あるのでは、と感じた。
だから教師にも他の大人にも相談せず、幼馴染にだけ話し、避妊もしないような彼氏しか居場所がないのではと思う。
相談する場所などを紹介しても連絡しない可能性が高いし、相談者の気持ちを確認せずに通報すれば大人への不信がさらに高じる。(こういう話を割とよく目にする)
「幼馴染ではなく本当は本人かどうか」も、信用してもらわなければ話してもらえない。本当に幼馴染の話なのであれば、出来れば本人に接触したいが、それも信用してもらわなければできない。
とにかく話を聞いて、「自分でよければまた話を聞くから、話したいときや困ったことがあったときに話してくれないかな」と言う。「相談者さんが言うように、自分も避妊なしの性行為は心配だな。幼馴染さんが妊娠して産むことも希望しているならいいけれど、不安だな、ちょっと嫌だな、と思っているみたいなら、彼氏さんに頼んでみるように言ってみたら?」くらいは言うと思う。
「信頼をつないで、適切な専門機関につなぐ」くらいしか出来ない。それすらも相当大変だ。
④結論
相談者本人への答えとしては、自分も回答者と同じように「幼馴染とはいえ他人の人生だから、本人に任せるしかない」と言う。言い方は変えるけど。
ただ「幼馴染と彼氏さんは避妊を一切せずそういう行為をしているということ」この話が引っかかる。
これを他人に話すのは、積極的にせよ消極的にしろ「困って、他人からの干渉を求めている」以外の理由が考えづらい。
「言い出しづらいだけで、彼氏に言ったら聞き入れてくれるかもしれない」「言ったけれども聞き入れてもらえない」「性行為も本当は嫌だけれど押し切られている」など状況にグラデーションがあるので、どちらにしろ次につなげてもう少し話を聞かないと対処しづらい。
そうすると最初の相談の目標としては、「関係性を切られないように信頼をつなぐ」になると思う。
自分がもし悩み相談を受け付けていてこういう相談がきたら、もしくは顔見知りの中学生に相談されたらそういう対応をするかな。
以前、ちょっと問題のある子の話を聞いたことがあるけれど、話を聞くだけでもかなり大変だった。自分の精神状態やその時の状況も影響するし、理不尽に感情をぶつけられることもある。
この相談も自分が実際にされたらそうとう悩むと思うが、唐突に(本当に唐突に)この手の深い相談をされることもあるのでちょっと考えてみた。
そういう時は縁だと思って自分なりに最適な対処を考えるけれど、余りに深い内容の相談を他人から受けるのは、自分には無理だ。ちょっとした相談事ならいいけど。
ただ背景を知られていない相手だからこそ話せて、話すだけで楽になる人もたくさんいると思う。
個々の相談の回答は「うん?」と思うことはあれど、受けられる人は凄いなと思っている。
「聞く」は、技術的な側面が強いと感じる。「聞くはずが話してしまう」は、相談を受けたときあるある。