「ブラッドボーン」をクリアしてから始めようと思っていた「ELDEN RINGーエルデンリングー」だけれど、まああったらプレイするよな、普通に。
何度も負けて負けて負けて負けて、死んで死んで死んで死んで、30時間近くかけてようやく接ぎ木のゴドリックを倒せた。
十ン年ぶりくらいに画面にコントローラーを投げつけそうになりながら、頑張った甲斐があった。
その後は比較的楽にボスを倒せるようになって喜んでいたら、ゲール坑道でボコボコにされた。坑夫、強すぎだろ。
プレイ初期は「ダクソがオープンワールドになったような感じだけど、オープンワールドにする意味があるのかなあ」「街がないから、ストーリー性が乏しくて余り楽しめないのでは」と思っていたが、今やすっかりハマっていて少しでも時間が空くとやってしまう。
しかし上手い人ならサクサク進んで楽しいのはわかるが、いくらやってもまったく上達せず死にまくっているのに、なぜこんなに面白いのだろう。
我ながら不思議なので、ちょっと考えてみた。
一つ目は世界観が凄く好みなところだ。
フロゲーは、世界観が独自の法則性に基づいた独特のもので、しかもその世界観がゲームの隅々まで行きわたっているところが一番好きだ。
世界観は、それひとつで完結しているから「それが現実とは別の場所にあるひとつの世界だ」と認識し楽しむことが出来る。
一要素でも「それはこの世界観からは考えられないのでは」というものがあると、壊れてしまう。
フロゲーはこの辺りが申し分がない。
マップも敵も武器もイベントもそうだが、例えば難易度調節もプレイヤーがゲーム設定で選ぶのではなく、ゲームの世界で遺灰や戦灰を使う、白ファンを召喚するかしないか選べるという風に世界観に組み込まれている。
建造物やNPCも何を見ても、世界観を壊す要素がひとつもなく、どこにどこまで行ってもずっと「エルデンリング」の世界に浸っていられる。
それでいながら、次に行く場所はどんな場所なのだろうというワクワクする。「大昇降機」や「魔術学院レアルカリア」など聞いただけで行ってみたくなる。
フロムの世界観は「美しい部分」と「暗い部分」のコントラストがいい。「エルデンリングも黄金樹や夜空の美しさがありつつ、ケイリッドやしろがね村のような陰惨な場所もある。
ケイリッドはいるだけで気持ちが滅入ってくるところが好きだ。
二つ目は難易度のバランスが絶妙なところだ。
戦っていて理不尽だ、どれだけやっても絶対に勝てないと思うことがほとんどない。(たまにあるけど)
「何か工夫をすれば、何回か練習をすれば、もう少し強くなれば勝てるのではないか」と思わせられるので、何度も挑戦してしまう。まあ、そう思ってから勝つまでの道のりが長いのだけれど。
戦っていて退屈だ、と思うこともほぼない。
難易度とはまた別の話で、敵の攻撃が単調だったり理不尽に強かったり、同じようなパターンばかりだと退屈に感じるが、「エルデンリング」は今のところそう思ったことがない。
忌み鬼マルギットや接ぎ木のゴドリックも、何十度も戦ったがちっとも飽きなかった。
自分のようなアクションゲーム下手(なので余り好きではない)でも「戦うことが楽しい」と思わせてくれる。
難しい分だけ、倒したときの達成感と爽快感がすさまじい。
最初のうちはどこに行っても死ぬので、世界のどこにも居場所がない感じだったが、話を進めていくうちに徐々に強くなっていき、自由に動けるようになる。何より自分にあった戦いかたを見つけていくことが出来る。
最初はどうかな、と思ったが、死にゲーとオープンワールドはむしろ相性がいいなと「エルデンリング」をプレイして思った。
オープンワールドのゲームは何作かやったが、ハマるかハマらないかは世界観によるところが大きい。
フロゲーやスカイリムのような世界観だと、仮にゲーム性がほとんどなく、ただ歩いて旅をしてマップを埋めて行くだけでもたぶん楽しめる。
不思議なもので「ダークでシビアな世界観なら何でもいいのか」というとそんなこともなく、「フォールアウト3」はまったくハマれなかった。
「シャドウタワー」も好きだったし、オープンワールドではないが「シャドーコリドー」も歩いているだけで楽しかったので、視覚的に「画面が暗め」な世界を歩くのが好きなのかもしれない。
三つ目は、NPCがいい。
同行することもなくなれ合わないのに、すごく愛着がわく。今のところ、半狼のブライヴがお気に入り。
まだまだ先は長そうなので、世界を隅々まで楽しみながらプレイしようと思う。
面白い本や漫画と一緒で、「まだ全然終わらない。先が長い。この先、しばらくは楽しめる」と思うと嬉しい。