うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

【エルデンリング考察メモ4】歴史編その2:黄金樹以前~最初の王ゴッドフレイの時代~黄金樹時代~焼失まで。

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*記事の性質上、ネタバレが大量にあります。

*他のかたの考察は一切見ていません。

 

前回。アステールが飛来して、永遠の都が滅びる→シーフラ、エインシル河両文明が生まれたところまで。

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年表

黄金樹以前→永遠の都が滅び、大樹根が形成される。

・黄金樹前史→竜王プラキドサクスの時代。

・豊穣の時代→黄金樹の誕生→黄金樹が太陽のように温かく、人々に恵をもたらした。すぐに終わる。

・巨人戦争→黄金樹を燃やす巨人の大釜の火を消すために始まる。マリカは勝利したものの火を消すことが出来なかったため、火の僧兵を監視者として置く。

・古い黄金樹の時代→ラダゴンとレナラが結婚。ラダーン、ライカード、ラニが生まれる。ゴッドフレイがマリカと結婚し、エルデの最初の王となる。黄金の一族が生まれる。

・黄金樹の時代の始まり→ラダゴンがレナラと離婚、マリカがゴッドフレイを追放する。そしてラダゴンとマリカが結婚し、ミケラとマレニアが生まれる。

・古竜戦役→黄金の貴公子ゴッドウィンが治めるローデイルに、大古竜グランサクスが招来して古竜戦役が始まる。古竜と黄金の一族が和解し、ゴッドウィンと古竜フォルサクスが友情を結んだことで、王都古竜信仰が生まれる。

・陰謀の夜→ゴッドウィンが暗殺される。狭間の地に死のルーンがばらまかれ、「死に生きる者」が生まれるようになる。

・第一次ローデイル防衛戦→古竜騎士クリストフが、黄金の一族ゴドフロアを捕らえる。

・破砕戦争→マリカがエルデンリングを破壊して破砕戦争が始まる。

 

前回のおさらい。

シーフラ河の流域に大樹根が根付き、そこから黄金樹が芽吹く。

この黄金樹がラダゴン=マリカだ。

エインシル河では「悪意の流星」として封印されたアステールは、シーフラ河では黄金樹となり恵みをもたらしたために「黄金の流星」「エルデの獣」として伝わったのではないか、と思っている。

「かつて大いなる意志は、黄金の流星と共に一匹の獣を狭間に送り、それがエルデンリングになったという」(エルデの流星)

 

その事象の結果によって原因の意味が変わる、というのは伝承などではよくある。

ノクローンとノクステラでは同じことが起こったが、いい結果(大樹根が出来て恵みをもたらした)が出たか、悪い結果(朱い腐敗がわいた)が出たかで真反対の意味が付与された。

というより、事象から起こった結果が真反対だから、同じ事象に真反対の意味が付与された。その意味の違いによって、「永遠の都」は後世ノクローンとノクステラに分けられたのではないか。

この辺りはそうだったら面白いなというただの想像だが、前回考えたようにプレイヤーである褪せ人がやってきた狭間の地は、同じ事象から起こった正反対の二つの伝承が混在している地なのではないか、と考えている。

 

「黄金樹前史」竜王プラキドサクスの時代

黄金樹が信仰の対象となる「黄金樹前史」の時代は、ファルム・アズラにいる竜王プラキドサクスが世界を支配していた。

「時の狭間、嵐の中心に座す竜王は黄金樹の前史、エルデの王であったという。だが神は去り、王は帰還を待ち続けていた」(竜王の追憶)

「黄金樹なき先史時代の主たる古竜は、王を守る巌の壁であったという」(竜印の大盾のタリスマン)

プラキドサクスは、流星より生まれた知性のある獣たちや古竜を従えていたが、神に去られたことにより「王」ではなくなってしまう。

「世界」を構成する「律」は、律を作る王とそれを保証する神がいなければ成り立たない。

律が失われたために、ファルム・アズラ(世界)は崩壊を始める。

 

「豊穣の時代」黄金樹の誕生

©フロムソフトウェア

崩壊し始めた世界に現れたのが、大樹根から形成された黄金樹だ。

「かつて、恵みの雫は尽きぬ滴りであったという。豊穣の時代、けれどそれはごく短く黄金樹は信仰となっていった」(恵みの雫のタリスマン)

「かつて黄金樹は太陽に似て暖かく、ゆっくりと人々を癒したという」(ぬくもり石)

黄金樹が生まれたての「豊穣の時代」では、黄金樹は樹根から吸い上げた結晶を人々に与え、暖かく癒した。「豊穣の時代」はごく短く終わってしまったが、その後も黄金樹は信仰の対象になった。

 

「黄金樹以前」巨人戦争

黄金樹が信仰の対象になる直前に、「巨人戦争」が起こる。

「黄金樹を焼く力がある」→その信仰に対する潜在的な対立要素である、巨人の火が封じられる。

「火の巨人は、巨人戦争の生き残りである。釜の火が不滅であると知った時、女王マリカは刻印の呪いを施したのだ。小さき巨人よ。永遠の火守りとして生きるがよい」(火の巨人の追憶)

巨人の火とは、黄金樹を焼く滅びの火である。それ故に、巨人戦争の後に封じられ監視者たちが生まれたのだ」(火よ、迸れ)

 

「巨人の釜の火」は何なのか。広義の意味での「死」だと思う。

黄金樹が広義の意味での「生」であり、マリカが「釜の火=死」を封じたことで、黄金樹(黄金律)は「死」が排除された連環として完成された。

この「火=死」が、火の僧兵アモンに盗まれ黒炎となり、その黒炎が宵眼の女王に渡され、宵眼の女王=死のルーンがマリケスに封じられ、封じた死のルーンがラニに盗まれ、陰謀の夜にゴッドウィンが殺された。そして狭間の地に、封じられたはずの死の根が芽吹くようになる。

★「巨人の釜」→「アモンが盗む」→宵眼の女王→マリケス→陰謀の夜→死の根→黄金樹根腐れ。

「釜の火」を消すことができなかったことやラダゴンが赤い髪であったことを見ても、「死」を排除することは出来ないのだと分かる。

「巨人たちは、皆一様に赤髪であり、ラダゴンは自らの赤髪に絶望したという。それは巨人の呪いだったろうか」(巨人の赤髪)

「火=死」はラダゴンの赤髪として、黄金樹の中に残り、後に死の呪痕になった。

 

「古い黄金樹の時代」ラダゴンが満月の女王レナラと結婚し、マリカが最初のエルデの王ゴッドフレイと結婚する。→後にラダゴンとマリカが再婚。

釜の火を封じたことで、「死を排除した黄金律」が完成する。

ラダゴンはレアルカリアへ侵攻するが、第二次リエーニエ戦役で和睦を結び、ラダゴンとレナラが結婚する。

ラダゴンとレナラの間に、ラダーン、ライカード、ラニが生まれる。

「ラダゴン様は、赤い髪をなびかせた英雄でございました。黄金樹の軍勢を率いてこの地を訪れ、しかし戦いの中でレナラ様と出会い侵略の戦いを悔い、カーリアの女王たる彼女の伴侶となりました」(結びの司祭ミリエル)

一方マリカは最初の王であるゴッドフレイと結婚し、「古い黄金樹の時代」がやってくる。黄金の一族は、この二人の間の子孫と思われる。

 

しかし、後にラダゴンはレナラを捨て、マリカはゴッドフレイを追放する。それぞれ伴侶を捨てたラダゴンとマリカが再婚し、ラダゴンは二人目のエルデの王になる。

「最初のエルデの王ゴッドフレイが狭間を追放されたとき、彼はレナラ様を捨て、黄金樹の王都に戻り、女王マリカの王配、二番目の夫となり、二人目のエルデの王となったのです」(結びの司祭ミリエル)

「最初のエルデの王ゴッドフレイは、ある時祝福を奪われ褪せ人となり、同じ者たちを連れ狭間の地を離れた。褪せ人の長征。その末に彼は王たるを捨て、只の戦士に戻ったのだ」(ホーラ・ルーの追憶)

 

「古い黄金樹の時代」は生命が混じり合っていて、坩堝も混種も穢れではなかった。坩堝は原初の生命の姿に近い、と尊ばれてさえいた。

「黄金樹の原初は生命に近しく、その坩堝たる様を模した槍は古い聖性を宿している」(シルリアの樹槍)

 

「古い黄金樹の時代」最初の王ゴッドフレイが追放され、坩堝・混種が穢れの対象になる。

坩堝や混種が穢れとして忌まれるようになったのは、ゴッドフレイが追放された理由と重なる。

「力こそ王の故よ!」(最初の王ゴッドフレイ)

ゴッドフレイは「力」故に王となった。

しかしその力は、宰相のセローシュを肩にのせて抑え込まなければならないほど強かった。

「ゴッドフレイは、猛き戦士であった。けれど王となるを誓ったとき、沸々と滾り続ける戦意を抑えるため宰相の獣セローシュを背負ったのだ」(ゴッドフレイの肖像)

「最初の王ゴッドフレイに仕えた坩堝の騎士たちの手甲・足甲。(略)その姿、そして力は後に秩序無きものとして蔑まれた」(坩堝の手甲)

人間と獣が混じり合った姿も、その力も、黄金律が完成するにつれて「秩序なきもの」として忌まれるようになる。黄金律は、完璧にして永遠のものを目指すので、不確定要素を生みそうなものは排除していく。

そのためゴッドフレイは祝福を失って追放され、ゴッドフレイの配下だった坩堝の騎士たちも、後の時代では忌むものになった。

 

「黄金樹の時代」黄金律が完成する。

ラダゴンがレナラと別れ、マリカがゴッドフレイを追放した後、二人が結ばれ、ラダゴンは二代目のエルデの王となる。

二人の間にはミケラとマレニアが生まれる。

こうして前回の記事で考えた

「大樹根が周囲にあるものを吸い上げる→黄金樹を通って地上に芽吹く」ルートを辿って生死は具現化する死を排除した黄金樹システム=黄金律」が完成する。

 

「黄金樹の時代」黄金の貴公子ゴッドウィンと古竜戦役

オープニングを見ると、ガタイのいいおっさんにしか見えない「黄金の貴公子」ゴッドウィンの時代。

大古竜グランサクスが王都ローデイルに襲来して、古竜戦役が始まる。

「大古竜の襲来はローデイルの城壁が破れた歴史上唯一の事例であり、続く古竜たちとの戦いの端緒でもあった」(グランサクスの雷)

フォルサクスやランサクスの姉弟を含む大勢の古竜がローデイルを襲う。

 

古竜戦役の中で、ゴッドウィンがフォルサクスを打ち負かしたことで、二人の間に友情が生まれる。

二人の絆が古竜信仰を生んだり、その後、ランサクスが人型になって騎士たちと恋愛を楽しんだところを見ても(この設定いいな)黄金の一族と古竜はこの後、盟約を結んだのだと思われる。

「かつて黄金のゴッドウィンは、古竜フォルサクスに打ち勝ち、友とした。王都古竜信仰のはじまりである」(ねらいすます雷撃)

フォルサクスがゴッドウィンの体内で死と戦い続けた、という熱い友情設定は泣ける。

 

古竜信仰が生まれたのはゴッドウィンの時代なので、古竜の騎士クリストフがゴドフロアを捕らえた第一次ローデイル防衛戦はこの後の時代になる。

古竜の騎士がなぜ黄金の一族のゴドフロアと対立したのかは不明。

 

「黄金樹の時代の終末」マリカがエルデンリングを破壊し、破砕戦争が始まる。

©フロムソフトウェア

マリカがエルデンリングを破壊し、その欠片が大ルーンとして散らばったため、エルデンリングの修復と王の座を争い、マリカの子供(子孫)の間で破砕戦争が始まる。

 

オープニングを見ると、

・ラニが大ルーンを捨てる。

・ゴドリック対ラダーン

・モーグがミケラをさらう。

・ライカードが蛇に喰われる。

・マレニア対ラダーン→ラダーンが朱の腐敗で狂う。

ということが起こった。

ゴドリックは王都ローデイルを留守にした隙にモーゴッドに奪われ、ストームヴィル城に留まることを余儀なくされる。

その後はクリアまでの共通のストーリー、

接ぎ木のゴドリックを倒す→レナラを倒す→モーゴッドを倒す→黄金樹を焼く→ローデイルが灰都になる→ゴッドフレイを倒す

という歴史が紡がれる。

 

まとめ:いくつかの連環が重なり永遠に繰り返されるシステムが黄金律。

ホーラ・ルーであった最初の王ゴッドフレイが呼び戻されたところを見ると、恐らく黄金樹のシステムは上記で辿った歴史を繰り返し続けるのではないか。

「それはただ繰り返す。エルデンリングに見えよ。エルデの王になるがよい」(祝福の記憶)

ゲームの説明も兼ねているが、エルデンリング(黄金律)は「輪であること」が律の要なのだと思う。

①死を排除して、生が繰り返される黄金樹システム

②最初の王ゴッドフレイとマリカの結婚から、最後の王モーゴッドの死まで繰り返される、エルデンリングの破壊と修復の連環。

この永遠の連環こそがエルデンリングなのだ。

 

「女王マリカがエルデンリングを砕こうとし、ラダゴンがそれを修復しようとした得物」(マリカの槌)

「女王マリカは、私たちに望んでいるのだ。ずっと、足掻き続けることをね」(百智卿ギデオン=オーフニール)

 

ノーマルエンドだと、主人公がゴッドフレイの代替になるだけで輪が繰り返され、他の修復エンドは形が変わった律が繰り返される。

星の世紀は暗黒に全てが還元し、狂い火の王は全てが混沌に飲まれる。

こういうことかなと思う。

 

次回は「陰謀の夜、黒い剣のマリケス陣営対宵眼の女王陣営について」のまとめ。