165時間かけてようやくクリアした。
マレニアで心が折れたので、とりあえず一回クリアしようと思いクリアした。
エンディングはラニエンドこと「星の世紀」だった。フィアエンドも見ようと思ったが、セーブのしかたを失敗した。クソ。
二周目もやる予定だが、せっかくなので振り返りがてら色々な分野の個人的なベスト5を語りたい。
「エルデンリング」のストーリーは、元々はそうとうえげつない現実に「神話」を被せているのではないかと推測している。
【「エルデンリング」ストーリー雑談】考えれば考えるほど、悪意に満ち満ちていてたまらん。|うさる|note
*ネタバレあります。
何回もコントローラーを投げそうになったが、それも含めていい思い出。
好きなキャラベスト5
*以前、noteで書いたが変動したのでやり直した。
五位 半狼のブライヴ
運命に背いてでも、ラニに仕え続けたブライヴ。「その人に忠誠を捧げ続けている」ことを「欠けることのない一部」と表現するなどセリフがいちいちいい。
ラニに対する忠義ぶりもいいし、ラダーン祭りは楽しそうなところも良かった。
ブライヴはラニの義弟で、マリケスはマリカの義弟だが、影従は必ず「義弟」になる法則があるのだろうか。
四位 死衾の乙女フィア
貶められても誇り高いところが好きだった。
「でも私は、満足しているのです。押し付けられた遺体でなく、自らの意志でゴッドウィンと同衾し、子を宿すのですから。それに、その子はきっと貴方の温もりを継いでいる。死衾の乙女として生まれ、これ以上の幸福があるでしょうか」
別れのこのセリフに泣いた。
フィアの生きざまを見ると、黄金律原理主義者たちの傲慢が際立つ。(と言いつつ金仮面卿は好きだが)
三位 血の君主モーグ
モーグ戦は戦いそのものよりも、モーグのセリフを一緒に喋って興奮が乗り移ってくるのが快感だった。脳から変な汁をドバドバ出できてスカッとする。
「賓客が参りました。我らの素晴らしい王朝に!」
「ニーヒル! ニーヒル!」
とかなかなか人生で言う機会ない。他のキャラのセリフは言う機会があるのか? と言われるとないけれど。
モーグはどのテキストを読んでも、死ぬ間際まで楽しそうでいいなと思う。ちぃかわで刻まれている時も笑っていそう。(偏見)
側にいたらSAN値が下がりそうだが、遠くで見ているぶんには幸福度が上がりそうだ。
二位 忌み王モーゴット
後述する「忌み王の追憶」のテキストで、愛が爆発しているので割愛。
一位 黒き剣のマリケス
好きな理由はブライヴと同じだが、ラニから「私には過ぎた者たちだ」「愛している」と言われたブライヴに比べて、扱いがひどすぎるところが順位を押し上げた。
どこかで(確か攻略wikiのコメント欄)「裏切られすぎてメンタルがボロボロなところがいい」と書かれていたが同意しかない。
第二形態の神がかった恰好良さだけでも十分なのに、薄々全部わかった上で(と思う)「マリカよ、すまぬ」といういじらしさや第一形態の着ぐるみのような可愛さとのギャップがたまらない。自分が好きな要素だけで出来たキャラである。
余りに好きすぎてひと記事書いた。
好きな武器
第五位 秘文字のパタ
「実体のない秘文字の連なりを刃(略)秘文字とは、中空に書き記される二本指の光の言葉である」
「文字が刃になって武器になる」という設定がいい。
聖属性の武器なので一周目は使うことが出来なかったけれど、二周目は余裕があったら使ってみようかなと思う。信仰を上げれば、けっこう火力が出るのかな。
第四位 猟犬の長牙
「ダークソウル3」の時は「カーサスの曲刀」を使っていた。「大曲剣」+「出血」が好きなのだ。戦技も使いやすいので、結局最後までお世話になった。
モーゴットを倒したあと、「モーゴットの呪剣」に切り替えようと思ったが似た性能でも呪剣のほうが癖があると読んだので、やむなく断念。「好き」だけで使えるほど余裕がない自分の技術のなさが恨めしい。
「忌み王の追憶」を使いたくなかった、というのもあるけれど。使ったらなくなっちゃうからな。(当たり前だ)
第三位 モーグウィンの聖槍
「外なる神との交信」のためにモーグが自作したのだろう。(断言)モーグのこういうところが好き。
第二位 使者たちの長笛
「使者たち」が滅茶苦茶可愛いなと思ったので、元々使いたいと思っていた。某動画で「壊れ武器」として紹介されていたが、「降り注ぐシャボン」は特に大型敵には恐ろしいほどの威力を発揮する。
使ってみたら思ったよりも鈍器でビビった。使者たちが吹いている時は軽そうに見えるのに。
第一位 落とし子の星々
キラキラした美しい星の連なりと、心が癒される音色に一目ぼれ。戦技も使いやすそうなので、二周目は知力を上げてメテオも使ってアステールプレイをする予定。
これが「永遠の都を滅ぼし彼らから空を奪った、悪意ある流星」であるとか、皮肉と悪意しかない。「死儀礼の鳥」を見た時も感じたが。
この趣味の良さ(あるいは悪さ)が「エルデンリング」の世界観のいいところだ。
お世話になった遺灰
これがなかったら絶対にクリア出来なかったと思うほど、世話になった遺灰たち。足を向けて寝られない。
第五位 はぐれ狼の遺灰
序盤はずっと世話になった。
第四位 腐った亡者の遺灰
最初はまったく注目していなかったがある動画で強さを発揮しているのを見て使ってみたら、囮として超優秀だった。
攻撃力はほぼないが、とにかく固くてしぶとくて助かる。四体いるのもありがたい。大盾兵の下位互換という印象。
第三位 黒き刃ティシー
最後の最後で手に入れて、ラダゴンとエルデの獣の時に世話になった。前評判に違わず強かった。
第二位 忌み潰しのロロ
自分から突っ込んでくれるのでとてもありがたかった。たまに何が何だかわからないうちに倒してくれる。
第一位 大盾兵
色々な意見があると思うが、自分の中では最強の遺灰。固くて囮として優秀。囲んで敵の動きを封じてくれる。あと何より、役割分担をしている六人目の大盾兵になったような楽しさがある。
一緒に戦って一緒に勝つという達成感が一番大きかった。
好きなフレーバーテキスト
フロゲといえばフレーバーテキスト。
好きなテキストが余りに多すぎて選べないが、自分の独断と偏見で「世界観編」「人物編」に分けて五つずつ選んでみた。
★世界観編
第五位 暗黒の落とし子の追憶
「遥か彼方、光の無い暗黒で生まれた星の異形。それはかつて永遠の都を滅ぼし彼らから空を奪った、悪意ある流星である」
「星の異形」や「悪意ある流星」という語句選びが好きすぎる。
「星」なのに「悪意がある」。怖すぎる。素敵すぎる。
第四位 彗星アズール
「アズールの垣間見た源流は暗黒であった。彼はその深淵に心奪われ、また恐怖したという」
やべえもん見ちゃった、という感じがこれでもかというほど伝わってくるところがいい。
「ルーサットの垣間見た源流は偉大なる星団、その終焉の瞬間であった。その時、彼の全ても壊れてしまった」
「滅びの流星」の見た瞬間、自分がぶっ壊れたというテキストにもロマンを感じるが、最強の魔術に自分の名前をつけてしまうというセンスに脱帽してアズールを選んだ。
アズールは自分で自分の名前をつけたのだろうか。
第三位 神肌のおくるみ
「すべやかな肌を縫い合わせた神肌の使徒たちの聖布。(略)産まれたばかりの使徒は、これに包まれ宵眼の女王に抱かれる。そして神の死となるのだ」
「意味がわかると怖い話」的な謎多きテキスト。
「すべやかな肌を縫い合わせた」って誰の? 神の?
「神肌」とは何なのか。宵眼の女王は何者なのだろうか。
デミゴットの中でも神人なので、神になれる素質がある、影従がいるはずだが、結局はストーリー上出て来なかった。
「死をなくすと言いつつ、実は死を内包していた律」の暗喩、という考え方だと、「宵眼の女王=マリカ」説が正しい気もするがいまいちしっくりこない。(というより、それだとマリケスが悲惨すぎる)
ところで「神肌」の読みは「しんき」なのか。ずっと「かみはだ」と読んでいた。
第二位 火よ、渦巻け
「炎はそれを見つめる者を惹き付ける。故に火の監視者は、またその信奉者でもある」
「監視」という役目を負ううちに信奉するようになってしまった。支配し隷属させているつもりが、いつの間にかそれに支配され、その場所に縛り付けられてしまう。
こういう逆転現象が好きなので、監視者のエピソードにも心惹かれる。
監視するうちにそれを自分一人のものにしたくなってしまったアーガンティや、「弱さゆえに炎から逃げ出した」アモン。
アモンはアーガンティのようにならないために、逃げだしたのではと思った。
「監視者の長・アーガンティ」のエピソードが凄く気になる。「負わされたただの役目に過ぎないものが、いつしか自分自身になってしまう」というのは凄く怖いなと思う。
「自分の役目」に過ぎなかったものが、その役目に長い年月を費やすうちに「役目のためにいる自分」になる。
こういう逆転現象は、現実でもかなり多いそうだ。
第一位 使者たちの笛(シリーズ)
「本来はやはり楽器であるが、人の身で吹き鳴らすことはできない。あるいは、まだその時は来ていない」
フロゲのテキストの真骨頂。
「やはり」や「あるいは」の使い方、「吹き鳴らすことは出来ない→不可能だ」と言い切りながら、「その時は来ていない」と「吹けるかもしれない」という含意をもたせる、さらにそこから「不可能であるはずのものも、時が来たら吹かなければならない」という運命の恐ろしさが織り込まれている。
「暗黒」「深淵」「神」「光」など、それだけで雰囲気が出て恰好よくなりそうな語句は使われていないのに、「人は神の奴隷であり、運命の駒にすぎない」という世界観の非情さがシンプルに伝わってくる。
★人物編
第五位 ランサクスの薙刀
「ランサクスはフォルサクスの姉であり、人の姿に化け、古竜信仰の司祭として騎士たちと交わったという」
自分の意思で相手を選んで、恋愛を奔放に楽しむ女性キャラが大好きである。自分の脳内設定では、相手は男女問わずになっている。
さらに脳内設定では、ランサクスへの恋心と嫉妬でヴァイクは狂い火を宿してしまったのだ。(恋愛脳)
誰かそういう二次を書いてくれないか。
第四位 忘却の秘薬
「辛い苦悩をすべて忘れさせる。冒涜を誓ったライカードからの贈り物は、だがタニスには不要であった。我が王よ、貴方を忘れてしまう以上に辛い苦悩などあるでしょうか?」
蛇と同化したおっさんの突然の愛情秘話に驚いた。
しかも一人称の語りかけである。凄い。(何が)
第三位 金仮面卿シリーズ
金仮面卿の何もかもが好きだが、特に防具のテキストが最高だ。
「それは、かつて彼に訪れた圧倒的閃きであり、探求の先にあるはずの輪の似姿であるという。もし君が、私と閃きを同じくするのなら、これを被ってくれたまえ」
「かつての弟子たちが施した最低限の装飾。彼らはもう、とうの昔に去ってしまった」
誰も彼もが去ったあとのこのセリフである。
「金仮面卿は、服を着る必要を感じない。そんなものが探求の助けになろうか」
こういう人が大好きだ。カッコ良すぎである。
しかし近寄りたくはない。(フロム構文)
第二位 黒炎僧兵アモン
「神狩りの黒炎に忠誠を誓ったアモンは火の僧兵、最初の裏切り者である。いや、アモンは火から逃げたのだ。その心の弱きが故に」
「いや」の使い方が凄くいい。
このテキストから自分が読み取ったことを別の言葉で言うと、「アモンは余りに火に惹かれすぎたがゆえに、その火を裏切らざるえなかったのだ。自分が火に焦がれる気持ちに耐えきれなかった」となる。
理不尽なほど強烈な磁力であり、強い愛憎だ。その愛憎の責任を「心の弱気が故に」と全て自分が負うところがいい。
このテキストは「誰かが」アモンを断罪しているのではなく、アモンの内省であり、自分をそこまで責めて断罪するほど火に惹かれた、ということを表しているのではないか。
アーガンティやアモンが火に惹かれる気持ちは、呪いに近い、恐るべき引力だったのではないかと思わせるところが、このテキストの好きなところだ。
自分で自分を「心弱き裏切者」と断罪し続けたほうがマシなほど、何かに心惹かれるとはどういう気持ちなのだろう。
第一位 忌み王の追憶
「追憶」は余り使う気にはならいのだが、特にモーゴットの追憶はそのまま取っておきたい気持ちになる。
「忌み王の追憶」のテキストは「四行で泣ける話」だ。
「祝福なき忌み子として生れ落ちてなおモーゴットは、黄金樹の守人であろうとした。愛されたから、愛したのではない。彼はただ愛したのだ」
虐げられた存在として生まれて、なおも誰よりも王にふさわしい、そうなってみせるという自負の強さ、だがそれは「もう誰も、エルデの王にはなれぬのだ。私と同じようにな」と最初から「王になれないとわかっていた」という物哀しさの上にあった。
そこからの
「その大ルーンは幹を持つ要の輪であり、それは二つの事実を示している。忌み王が黄金の一族として産まれたこと。そして、確かにローデイルの王であったことを」
これである。見るたびに涙が出そうになる。(まあエルデの王じゃなく、ローデイルの王だが)
モーゴットは自らの意思の力で、
「王家の忌み水子は、角を切られることはない。その替り、誰にも知られず地下に捨てられ永遠に幽閉される。そしてひっそりと供養の像が作られる」
この運命を覆したのだ。
モーグのように、運命とかどうでもいいっすわと「ニーヒルッ、トレースっ」と楽しそうに生きている人のほうが親近感はわくが、マリケスやブライヴ、モーゴットのように真面目なキャラのほうが好きになることが多い。
「忌み王」という二つ名もいい。「忌まれ生まれたけれど確かに王だった」とそのストーリー性だけで感動である。
苦労したボス
プレイしている時は血管がキレそうになったり、心が折れそうになったりと色々あったが、振り返るとさほど苦労した記憶が残っていない。喉元過ぎれば何とやらである。
第五位 忌み鬼マルギット
たぶん全ボスの中で二番目くらいに死んでいる。ディレイに慣れていなかったのが大きかった。
第四位 星砕きのラダーン
たぶん一番死んだ。ただ仲間がいたので、意外と楽しかった記憶しか残っていない。
第三位 溶岩土竜
ゲール砦の奴とゲルミア火山の奴。特にゲルミア火山は足場が悪くて大変だった。
第二位 宿将ニアール
道中も含めて余りに死に過ぎて、クソール砦と罵っていた。(大人気ない)
第一位 ミケラの刃マレニア
まだ倒せていない。後で頑張ろう。ところで二つ名に人の名前を入れるのは、凄い執着を感じる。この二人は両想い?だからいいが、無垢で無力な人は偶像化されやすいよなと思う。
ミケラも面白い設定だが、結局死体しか出て来なかった。トリーナと同一人物なのかな。
まとめ:世界を歩いているだけで楽しい。
余りアクションゲームが得意ではないので、フロムのゲームのゲーム性に関しては、「ストーリーと世界観を味わうためにやる」という感覚だ。
楽しいことも多いけれど、もう少し難易度が低ければなと思うことが多い。やりこんでいる人の動画を見ると「すげえ」という感想しかない。(小波感)
逆にそんなへっぽこプレイヤーの自分がそれでも頑張ってプレイしたい、と思うほど、世界観がとてつもなく魅力的なのだ。
フロムのゲームで好きなのは、世界観に対するこだわりだ。
その道具が武器がどの場所で入手できるか、どの敵がどの場所にいるか、どの場所でその素材が入手できるか、そういう一見ゲームの難易度にしか関係ないような事柄でも、全てに意味がある。
逆にその敵がなぜそこにいるのかから、この場所はこういう歴史があるのではないかということまで推測できるのが、フロムの世界観の楽しく凄いところだ。
腐敗の眷属がなぜ「封じられた外なる神の遺物を用いた異教の祭具である」蠍の針を守っていたのか、などそれだけで想像が膨らむ。
ゲームのストーリーとして世界観が生成されているのではなく、ある法則性があってそこから世界観が構築されて、その土台の上にゲームが作られているから、電源を切るまではどこまで行ってもその世界の外に出ることはない。
だから、どれだけ死んでも心折れても、あの世界にまた戻りたい、また探索したいと思ってしまう。
一周目は先に進むのが精一杯だったので、二周目は一周目で考えたことを基に、もう少し世界観に着目しながらプレイしようと思う。
ついでに嫌いな敵
第五位 腐乱カラス
かなり強くなるまで悩まされた。
第四位 飛んでいる鳥全部
戦っていてひたすらイライラさせられた。倒しても爽快感がまったくないところはある意味凄い。
第三位 ザミュエルの騎士
モブ敵とは思えない強さ。
第二位 蟻に乗っている人
何ひとつ通じ合えるものがなさそう。
第一位 腐敗の眷属
こいつらのすべてが嫌い。