文庫本を作ってみたいと思ったので、一ページの文字数は何文字くらいが読みやすいか、家にある文庫を元に考えてみた。
出版社によっても違うし、出版年数によっても違うし、シリーズによっても違うので「タイトル・出版年数」を参考に記載しておいた。
各出版社の文庫の一ページの文字数
(13種類・アイウエオ順)
・岩波文庫(「ムシュー・テスト」初版2004年)
40文字×15行=675文字
・角川文庫クラシックス(「阿Q正伝」初版1961年)
42文字×18行=756文字
・河出文庫(「無知の涙」初版1990年」)
45文字×20行=900文字
・講談社文芸文庫(「補陀落渡海記」初版2000年)
40文字×17行=680文字
・光文社古典新訳文庫(「八月の光」初版2018年)
38文字×16行=608文字
・集英社文庫(「荒野へ」初版2007年)
41文字×18行=738文字
・小学館文庫(「下町ロケット」初版2013年)
38文字×17行=646文字
・新潮文庫(「沈黙」初版1981年)
38文字×16行=608文字
・創元推理文庫(「ノヴァーリスの引用/滝」初版2015年)
42文字×18行=756文字
・ちくま学芸文庫(「ラカン入門」初版2016年)
40文字×17行=680文字
・中央文庫(「自殺論」初版1985年)
40文字×17行=680文字
・ハヤカワ文庫(「少年トレチア」初版2020年)
40文字×17行=680文字
・文春文庫(「ユニクロ帝国の光と影」初版2013年)
39文字×17行=663文字
一番ポピュラーなのは「40文字×17行=660文字」
調べてみると出版社によってバラバラだ。同じ出版社の文庫でも年代や作品よっても文字数が変わることがある。
調べた限りだと
・講談社文芸文庫
・ちくま学芸文庫
・中央文庫
・ハヤカワ文庫
の「40文字×17行=680文字」が最もポピュラーな文字数だった。
(「補陀落渡海記」井上靖 講談社)
個人的な感覚だと、学術書やドキュメンタリーだとこの文字数が最適に感じる。
小説だともう少し文字数が少ないほうが読みやすい印象だ。何故かはわからない。
小説で一番読みやすいのが「38文字×16行=608文字」
次に
・光文社古典新訳文庫
・新潮文庫
の「38文字×16行=608文字」。
(「八月の光」フォークナー 光文社)
小説はこれが一番読みやすい。
新潮文庫の中で「シッダールタ」は「37文字×15行=555文字」だった。
これだと今度はフォントが大きすぎるように感じる。読みづらくはないけれど。
「42文字×18行=756文字」だと少し読みづらく感じる。
・角川文庫クラシックス
・創元推理文庫
の「42文字×18行=756文字」だと「もう少し文字が大きく隙間があるといいな」と感じる。
(「ノヴァーリスの引用/滝」奥泉光 創元社)
まとめ
一ページの文字数が少なくなれば当然ページ数は増えるので難しいところだ。
ただ「一ページ608文字」を読んだあとに「一ページ900文字」を読むと目が滑る感覚がある。
自分は「小説は一ページ608文字、他の物は一ページ660文字」が最も読みやすかった。