うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

【ダークソウルⅢキャラ考察】兄王子ローリアン&王子ロスリックについて

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「ダークソウルⅢ」の双王子、兄王子ローリアン&王子ロスリックについての考察。

 

生まれたときローリアンは健康体だったが、ロスリックは「王家の悲願、薪の王たる運命に生まれた彼はしかし病を抱え萎びた赤子であった」(祈祷のローブの説明文)

「ロスリック」という名前が示す通り、「薪の王」になる運命を持ったのはロスリックだけのようだ。

 

「双王子のソウル」の説明文では、「薪の王たるを拒否した二人の王子」と書いてあるけれど、これは「そのソウルは、呪いにより分かち難い」くなってからの話ではというのが、自分の解釈だ。

ロスリックがローリアンを呪い「王子ロスリックの剣」としてからの話で、元々はローリアンは「薪の王になる運命」を背負っていなかったのではと思っている。

 

それは弟の呪いを受ける前、騎士ローリアンは唯一人でデーモンの王子を殺し、以来その大剣は、炎に焼かれ続けているという。(「ローリアンの大剣」の説明文)

 

ロスリックの呪いを受けるまでは、普通に元気?だったローリアン。一人でデーモンの王子を倒している。

ローリアンがいつ「ロスリックの呪い」を受けたのかは、デーモンの王子を倒した直後ではと思っている。

 

「ひとつの混沌から生じたデーモンたちは多くのものを共有する。王子の誇り、その消えかけた炎ですらも」(「デーモンの王子のソウル」の説明文)

 

「デーモンの王子のソウル」の説明文の「王子」は、「デーモンの王子」のみをさすのではなく、「王子」という属性を共有する「双王子」にもつながる。

「ローリアン様の仰っていた、デーモンの声さね。病に侵され、それでも人を呪っている、そんな化け物の声さね」

吹き溜まりにいる「蓋かぶりの老女」が言及しているのは、ロスリックのことのように聞こえる。

「デーモン」と「ロスリック」は、「呪う」という概念でつながっている。

 

「吹き溜まり」にいる「傷ついたデーモン」と「うろ底のデーモン」及び「デーモンの王子」は、双王子の写し絵であり、デーモンの王子=ロスリック=ローリアン」を倒したことにより、ローリアンは呪われたのではないか。

 

もう少し考えを進めていくと、「蓋かぶりの老女」はローリアンには敬意を払っているが、ロスリックには関心がない。

祭儀長エンマはロスリックのことばかり言及し、ローリアンのことは一言も触れない。

現実的に考えれば、「蓋かぶりの老女」はローリアンの乳母であり、祭儀長エンマがロスリックの乳母で、二人は別々に育てられたのではと思う。

ただこれだと、ロスリックのローリアンへの異常な執着がイマイチピンとこない。

なので概念的に考えると、エンマと「蓋かぶりの老女」、ロスリックとローリアンは同一人物と考えても面白い。

というよりは、同一人物の「それぞれありえた可能性が具現化している」というのが、自分の中では一番しっくりくる。

「吹き溜まり」にはロスリック城も流れ着いているので、「吹き溜まり」自体がありえたかもしれないもうひとつの世界、崩壊に行きついた世界と考えられる。

 

話をまとめると、

「病を抱えて萎びた赤子」として生まれたロスリックと、健康体として生まれた兄のローリアン。

兄のローリアンは成長して騎士になり、吹き溜まりで「デーモンの王子」を倒した。ローリアン自身とロスリックと概念を引き受ける「傷ついたデーモン」と「うろ底のデーモン」が合わさった「デーモンの王子」は、ローリアンとロスリックのつながりを表す。

その「デーモン王子」を殺しつながりを断ってしまったため、二人は目に見える形で「分かちがたく」結びつかなくてはならなくなった。

それが「二人の呪い」である。

 

「ロスリックが、自分とは違い健康なローリアンを恨んで呪った」と考えると、

①それならば、なぜ最初から呪わなかったのか?(何か呪いたくなる、もしくは呪えるようになったきっかけがあったはず)

②ロスリックは「私たちの呪い」という言葉に代表されるように、「自分が兄を呪っている」というよりは、「二人が何かに呪われている」という認識。

など引っかかる点が多い。

 

「ロスリックがローリアンを呪った」というよりは、「ローリアンが『双王子のつながり』という概念を持つデーモンの王子を殺したことにより、元々あった呪いが事象化してしまった」と考えたほうが、個人的にはしっくりくる。

「私たちの呪い」とは、とにかく何等かの形でつながっていなければならない、ということだと思う。

ロスリックとローリアンが一人の人間と考えて、「人は自分の都合の悪い部分は切り捨てられないし、どれほど強く立派に見える人でもそういう部分はあり、どこまでもついて回る」という示唆と見ても面白い。

 

こういう「概念を共有しているものは、実際の事象でもつながる」のは、ダークソウルでよく見るパターンだと思う。

 

ゲーム内の言動だけを見ると、ロスリックはローリアンをとても大切に思っているように見える。少なくとも恨んでいるようには見えない。しかしアイテムの説明文や「蓋かぶりの老女」の言葉を見ると、「呪っている」と言っている。

エルドリッチも、登場人物のセリフとアイテムの説明文から受ける印象が微妙にずれていた。

www.saiusaruzzz.com

こういう微妙なずれや黙して語らないところを作り、色々なことを妄想させるところがソウルシリーズの大きな魅力だ。

 

個人的には健康体の兄を、自分をこんな風に生まれさせた世界を、死ぬほど恨むダークな設定のほうが好きだが、誰を恨んでもいないし、呪いと共に生きることは選ぶが、薪の王の運命は断固として拒否するというロスリック像も面白い。

そのこだわりの中に、ロスリックの人物像が見える気がする。

DARK SOULS III DESIGN WORKS

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