うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「俺がいるだけで、周りが不幸になる」罪悪感キャラは、恋愛と相性が悪いからこそ恋愛モノと相性がいい。

「罪悪感キャラ」とは、罪悪感が極まっていていっぱいいっぱいの状態のキャラのことだ。(造語) 先日14巻が出た「中卒労働者から始める高校生活」の主人公・片桐真実は、絵に描いたような「罪悪感キャラ」だ。 中卒労働者から始める高校生活 10 作者:佐々木…

「中卒労働者から始める高校生活」を14巻まで読み返して、五十嵐がすごく好きなことに気づいた。

「中卒労働者から始める高校生活」の14巻が出た。 様々な社会問題が最終的には恋愛の背景に収まってしまうのがこの漫画の大きな特徴だ。 そのあたりを割り切って読めば面白い。 中卒労働者から始める高校生活 14 作者:佐々木ミノル 発売日: 2020/09/28 メデ…

「モスクワ裁判の被告は、なぜ嘘の自白をしたのか」という謎に迫る心理劇「真昼の暗黒」

真昼の暗黒 (岩波文庫) 作者:アーサー ケストラー 発売日: 2009/08/18 メディア: 文庫 スターリンの時代に行われた、モスクワ裁判をモデルにした本。 党の最高幹部であり英雄だったルバショフは、「党を裏切り、ナンバーワンの暗殺をもくろんだ」という嘘の…

「ナイルに死す」の新訳(黒原敏行訳)が欲しい&翻訳について思ったこと。

最近出版されたアガサ・クリスティーの「ナイルに死す」の新訳の訳者が、黒原敏行だった。 ナイルに死す〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 15) 作者:アガサ・クリスティー 発売日: 2020/09/11 メディア: 文庫 硬質な純文学を訳すことが多い、という…

【アニメ感想】「刻刻」のここが面白かった。

*ネタバレがあります。「刻刻」を未読・未視聴のかたはご注意ください。 堀尾省太原作「刻刻」のアニメを見た。 㐧壱刻 メディア: Prime Video 同じ作者の「ゴールデン・ゴールド」が好きなので、アニメを見てみた。 無茶苦茶面白かった。 アニメは原作と…

「星の巡礼」感想 サンティアゴ巡礼に行きたくなる。

先日、「サンティアゴ巡礼」を特集したドキュメンタリーを見た。 フランスからピレネー山脈を越えて、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂まで徒歩で巡礼する。 距離や地図だけを見ると「大丈夫か」と思うような道のりだが、現在はツアーも…

倒叙形式・犯人視点で「かまいたちの夜」を考えてみた。

*本記事には「かまいたちの夜」本編の重大なネタバレが含まれます。 かまいたちの夜 輪廻彩声 - PSVita 発売日: 2017/02/16 メディア: Video Game switchで出してくれないものか。 「かまいたちの夜」本編を未解決のままデスゲームに突入して終わったケース…

【銀河英雄伝説キャラ語り】ビュコックとメルカッツはどちらが強いのか? から始まる雑談。

銀河英雄伝説の同盟側ではビュコックとアッテンボローが好きだ。 昔々メルカッツが一番好きな兄ちゃんと「ビュコックとメルカッツは、艦隊戦で戦ったらどちらが強いのか?」というテーマで語り合ったことがある。 子供のときって本当暇だったよなあ、と言い…

【漫画感想】「鉄民」全3巻。「入れ替わりホラー」は意外と難しいのかもしれない。&「ポリスノーツ」のことを思い出した。

*ネタバレあります。 鉄民 : 1 (アクションコミックス) 作者:菅原敬太 発売日: 2015/04/28 メディア: Kindle版 人口約3500人の沙々来島で、知らないあいだに住民が「鉄民」と呼ばれる機械人形に少しずつ入れ替わっていく話。 「スナッチャーに似ている」…

「鉄血のオルフェンズ」を題材に使って、「テロルの現象学」の感想を述べたい。

笠井潔の「テロルの現象学」を読んだ。 「観念」とは何でありどこから発生し、歴史上どのように変異していったか、というかなり漠然とした話が、例示や引用をあげて説明されている。 部分部分の賛否はともかく、この話はどう展開するのだろうと読んでいるあ…