うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

新海誠

【映画感想】「すずめの戸締まり」に色々と疑問や不満を感じたので語りたい。

「すずめの戸締まり」を観てきた。 リアルで知人から「面白かったか?」と聞かれたら、「けっこう面白かった」と答えると思う。 これはこれで素直な感想だ。 ただリアルではたぶん話さない、クソ面倒臭い疑問や不満もあるので、聞いてもいいという人は良かっ…

「ほう、では見せてもらおうか。お前が言う『他者を真剣に知る』とは何なのかを」(2022年11月16日(水)読売新聞掲載の新海誠のインタビューの感想。)

イキリタイトル済みません、新海作品のファンです。(秒で謝る) 2022年11月16日(水)の読売新聞に「すずめの戸締まり」と過去作品について、新海誠のインタビューが掲載されていたのでそれを読んだ感想。 新海誠の作品は、「自分にとってのみの世界の意味…

「秒速5センチメートル」は補陀落渡海の話ではないか、と今さら気づいた。

www.saiusaruzzz.com (前提)「秒速5センチメートル」がこういう話に見える、自分の思いつきの話。 補陀落渡海は、入口を塗りこめた箱を舵のない船に積んで、そこに人が入り極楽浄土を目指して沖に流すという風習だ。 補陀落渡海 - Wikipedia 補陀落渡海を…

「気持ち悪い」を巡る話は、理解を(一方的に)求めないものがいい。

よく似た話(自分の中で)を二作続けて読んだ。 [まとめ買い] あげくの果てのカノン 作者:米代恭 メディア: Kindle版 少女巡礼(1) (サイコミ) 作者:にしお 栞 発売日: 2019/01/30 メディア: コミック 二作とも面白かったので、「面白い漫画が読みたい」と思…

小説版「犬鳴村」を読んで、「怖い」という感覚はどこから来るのか話したくなった。

映画化されて話題になっている「犬鳴村」の小説版を読んだ。 犬鳴村 [小説版] (竹書房文庫) 作者:久田樹生 出版社/メーカー: 竹書房 発売日: 2020/01/16 メディア: Kindle版 話としてはよくできていて、特に引っかかりもなくすらすら読めた。 怖さを求めて…

作品を解体して考える。新海作品の大地は丸く、思考しているのか。

「レヴィ=ストロース入門」を読んだ。 レヴィ=ストロース入門 (ちくま新書) 作者:小田亮 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2013/11/08 メディア: Kindle版 レヴィ=ストロースの思想や業績がわかりやすくまとめられている。 「神話論理」で書かれている…

新海誠監督「天気の子」を他の作品と比べて、あれこれ考えた。

*内容のネタバレを前提にして書いています。未視聴のかたはご注意ください。 しつこく「天気の子」の話を続ける。 www.saiusaruzzz.com www.saiusaruzzz.com 「天気の子」を観ているあいだ、色々な作品が頭に浮かんだのでその話。 その1「火垂るの墓」 前…

新海誠監督作品「天気の子」で一番衝撃を受けたシーンと作品に感じるモヤモヤについて。

*内容のネタバレを前提にして書いています。未視聴のかたはご注意ください。 www.saiusaruzzz.com 前回、観終わった直後に感想を書いたが、まだモヤモヤしている。ずっとそのモヤモヤについて考えている。 前の感想記事では「自分の望みのために、その望み…

【映画感想】新海誠監督「天気の子」 世界は俺の思い通りになるという傲慢さ

新海誠監督の「天気の子」を観に行ったので、とりあえず初見の感想を書きとめておきたい。 tenkinoko.com 観終わった直後は、かなり腹を立てていた。 何故なら途中までは、これぞ自分が見たかった新海作品だと期待値がすさまじく上昇していたからだ。 www.sa…

新海誠監督「雲のむこう、約束の場所」は反世界系の物語ではないか。

雲のむこう、約束の場所 発売日: 2014/12/19 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る 「雲のむこう、約束の場所」は、やや設定がややこしく、作内ではそれほど細かい説明がない。 あらすじとアニメの作内設定(小説版や設定資料などは読んでいな…

「言の葉の庭」を見て、新海誠監督作品の何が気持ち悪く感じるのかやっとわかった。

言の葉の庭 発売日: 2014/11/15 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る 「ほしのこえ」に引き続き、「言の葉の庭」を視聴した。 今までずっと自分がうっすらと感じていた、新海誠監督作品*1に対して感じていた気持ち悪さが何なのかがようやくわ…

新海誠監督「ほしのこえ」を見たら、「秒速5センチメートル」のすごさがさらにわかった。

Amazonで新海誠監督作品「ほしのこえ」を視聴した。 以下、アニメ版のみを見た感想で、「秒速5センチメートル」の自分の個人的な解釈を前提として感想を述べている。 「秒速5センチメートル」の感想を読んでいないと意味がわからない可能性が高いので、良…

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」と「秒速5センチメートル」に共通する怖さ。

*この記事は、下記の記事に書いた「秒速5センチメートル」の個人的な解釈と感想を前提として書かれています。 www.saiusaruzzz.com 「秒速5センチメートル」の何が怖いか。貴樹が「孤独な場所」に閉じ込められる原因がわからないところだ。原因がわから…

新海誠監督「秒速5センチメートル」が余りに恐ろしい話だったので、解説しながら感想を語りたい。

*本記事では、新海誠監督のアニメ映画「秒速5センチメートル」の内容を結末まで触れています。未視聴のかたはご注意ください。 新海誠監督の「秒速5センチメートル」を今さら見た。 「主人公が初恋をこじらせる話」という噂を耳にしていたので、「恋をす…