うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

ちょっとした創作

【「藪の中」愛好会】芥川龍之介「藪の中」のような話を集めてみた。

「藪の中」は慣用句として用いられるくらい有名だが、「関係者の話が食い違っていて、真相がよくわからない話」のことだ。 芥川龍之介 藪の中 藪の中・将軍 アニメカバー版 「文豪ストレイドッグス」×角川文庫コラボアニメカバー 作者:芥川 龍之介 KADOKAWA …

【創作ホラー】「『いないモノ』さま。」

祖母の家にいると、常に誰かに見られているような気がした。 「それはね、『いないモノ』さまだよ」 僕の疑問に、祖母は答える。 「『いないモノ』さまはね、どんな小さな隙間にでもいる。蟻が這いこむような小さな隙間でもね。雨戸の戸袋の中に目を向けたら…

僕とメアリーとアイスクリーム課題

ジョンとメアリーは公園にいる。 公園にはアイス屋さんの車も来ていた。 メアリーはアイスを買いたかったが、お金を持ってきていなかった。 アイス屋さんは午後もこの公園にいるというので、メアリーはお金を取りに戻った。 しばらくしてアイス屋さんは「教…

トトの妹

「私がこうやって生きているのは妹のおかげなの」 トトさんは会うたびにそう言った。 「さっき食べたお昼も、妹が作ってくれたのよ。私と違って何でもできるし、動いていないと気が済まない子なの、昔から」 トトさんは、僕が勤める事務所の顧客だ。 正確に…

預言者に予言された話

その男は預言者と名乗った。 いま目の前に座って、ジッと僕の顔を見つめている。 「私は、この先のことがわかるんだ」 男は僕を見て首を振り、唐突にそう言った。 「ある意味、預言者だね」 「ある意味」とはどういうことだろう? 「何が見えるんですか?」 …

死んだ同級生の話。

人から聞いた話。 近所のコンビニの駐車場で、久しぶりに中学時代の同級生と再会した。 同級生に気づいたのは、こちらの顔をじっと見つめてきたからだ。 最初は「変な奴だな、人の顔をじろじろ見て」と思ったが、よく見たら知っている奴だった。 「久しぶり…

病的なウソつきの話。

病的な嘘つきがいる。 ある日、こんなことを言い出した。 「ボクのことを嘘つきだと思っているのだろうけれど、これから言うことは掛け値なしの真実だ。信じてくれるかい?」 うなずくと、病的な嘘つきは話し出した。 「ボクはこの前、人を殴った。そいつが…