うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

映画

【映画感想】「ちょっと思い出しただけ」 そもそも別れた人の誕生日って、覚えているものなのか?

池松壮亮と伊藤沙莉が演じる元恋人同士の二人が、付き合っていた頃の六年間を思い出すラブストーリー。 監督脚本が「君が君で君だ」の松居大悟だったので、期待値高めで見始めた。 *ネタバレ注意。 ちょっと思い出しただけ 池松壮亮 Amazon 驚くくらい何も…

【アニメ感想】「整形水」 韓国発のサイコスリラー。「何だ、このテンプレ話は」と思っていたらオチで仰天した。

韓国のアニメ映画「整形水」をアマプラで視聴した感想。 整形水(字幕版) Moon Nam-sook Amazon 不美人な容貌のせいで周りから蔑まれる不遇な立場にある、メイク係のイェジの下に、塗るだけで姿形を変えられる「整形水」の紹介メールが届く。 長い間、容貌…

「ハイコンテクストだからこそ意味を考えたくなるコンテンツ」について。

「ハイコンテクストすぎて意味がわからん」と途中で投げ出すものもあれば、「ハイコンテクストだからこそ意味を考えたくなる」ので、何度も通読して寝食も忘れて文章ひとつ、語ひとつの意味まで考えたくなる作品もある。 今回は後者の「ハイコンテクストだか…

【映画感想】映画「ドライブ・マイ・カー」は原作の謎解きだったが、解釈違いが辛かった。

*タイトル通り、基本的に否定的な内容です。 *ネタバレあり感想です。未視聴のかたはご注意下さい。 ドライブ・マイ・カー インターナショナル版 西島秀俊 Amazon *記事内の青字は、映画・原作からの引用。 映画「ドライブ・マイ・カー」は原作の謎解きを…

【小説感想】村上春樹「ドライブ・マイ・カー」を読み直して気付いた文章の凄さ。

ゴールデン・グローブ賞を受賞した記念に、「女のいない男たち」に収録されている「ドライブ・マイ・カー」をもう一度読み直した。 女のいない男たち (文春文庫) 作者:村上春樹 文藝春秋 Amazon 監督の濱口竜介は、原作に強く惹きつけられて映像化したくなっ…

【映画感想】「君が君で君だ」 七割くらいの人にとってnot for meの作品だと思うが、自分にとっては素晴らしい作品だったので全力で語りたい。

*本記事には「君が君で君だ」とネタバレが含まれます。未視聴のかたはご注意ください。 この映画の粗筋は、 同じ女の子を好きな三人の男が、女の子が好きな「尾崎豊」「ブラッド・ピット」「坂本竜馬」にそれぞれなりきって、生活を見守るために、その子の…

「秒速5センチメートル」は補陀落渡海の話ではないか、と今さら気づいた。

www.saiusaruzzz.com (前提)「秒速5センチメートル」がこういう話に見える、自分の思いつきの話。 補陀落渡海は、入口を塗りこめた箱を舵のない船に積んで、そこに人が入り極楽浄土を目指して沖に流すという風習だ。 補陀落渡海 - Wikipedia 補陀落渡海を…

【映画感想】「ミッドサマー」 「旧劇場版エヴァンゲリオン」とテーマが被っているが、結論が違うところが面白かった。

*本記事には「ミッドサマー」のネタバレが含まれます。未視聴のかたはご注意下さい。 ずっと観たいと思っていた「ミッドサマー」を観た。 ミッドサマー(字幕版) フローレンス・ピュー Amazon 観る前は「2時間30分か。長いな」と思っていたが、観始めたら…

【映画感想】「ジョーカー」 「狂っているのは世界なのか、私なのか」という永遠の命題に答えた傑作。

*この記事は映画「ジョーカー」の結末までのネタバレが含まれています。 今さらだけど「ジョーカー」を見た。 凄くよかったので、未視聴の人は、感想を読む前に見て欲しい。 読みやすさを優先して断言調で書いているが、ただの個人的な感想だ。 ジョーカー(…

【漫画感想】和久井健「東京卍リベンジャーズ」の一巻を読んだら、人気にたがわず面白かったので既刊23巻を大人買いした。

*一巻のみ若干のネタバレがあります。 「東京卍リベンジャーズ」は支部で凄い人気なので気になっていたが、最近は「漫画は完結したら読もう」と思っているので、読んでいなかった。 先日ちょうど相方と「最近、ヤンキー漫画*1って見かけなくなったな」と話…

【映画感想】細田守監督「未来のミライ」を面白く見るたったひとつの方法

自分は細田守監督作品とは余り相性がよくない。 「時をかける少女」「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」と三作観て、「自分には合わないな」と思ったので、その先の作品は観ていなかった。(「時をかける少女」は良かった。) 今更ながらアニメ映…

【小説感想】村上春樹「女のいない男たち」 自分の特異性をどうやりくりしていくか。

公開された「ドライブ・マイ・カー」のPVが良かったので、久しぶりに読んでみた。 女のいない男たち (文春文庫) 作者:村上春樹 発売日: 2016/10/07 メディア: Kindle版 映画はコロナが治まっていたら見に行きたいけれど……どうかな。 ひとつひとつの話を読み…

【アニメ感想】代わり映えしないからこそ、いつでも迎えてくれる場所「空の青さを知る人よ」

アマプラで「空の青さを知る人よ」を見た。 「公開当時見ておけば良かった」とずっと思っていたので、見れて良かった。 空の青さを知る人よ 発売日: 2020/06/10 メディア: Prime Video 全体の印象としては、「誰かに支えられているとはどういうことなのか」…

【映画感想】「翔んで埼玉」に見る「埼玉県民は埼玉を知らない」というリアリティ

翔んで埼玉 発売日: 2019/09/11 メディア: Prime Video 面白かった。 無茶苦茶なコメディか、と思いきや、意外と王道のストーリー展開だった。 麗の配役にGACKTを思いついた人は天才だと思う。 一番笑ったのは流山で対峙した千葉の軍勢の中に、チーバくんと…

【映画感想】「ヱヴァンゲリヲン新劇場版Q」を観た雑感+TV版、旧劇場版、「序・破」の個人的なまとめ。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 発売日: 2019/12/01 メディア: Prime Video 「序・破」の感想。 www.saiusaruzzz.com 「ヱヴァンゲリヲンQ」を見たので、とりあえず「シン」を見る前の雑感を書いてみた。 「エヴァンゲリオン」は(あくまで自分から見ると、以…

作品を解体して考える。新海作品の大地は丸く、思考しているのか。

「レヴィ=ストロース入門」を読んだ。 レヴィ=ストロース入門 (ちくま新書) 作者:小田亮 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2013/11/08 メディア: Kindle版 レヴィ=ストロースの思想や業績がわかりやすくまとめられている。 「神話論理」で書かれている…

新海誠監督「天気の子」を他の作品と比べて、あれこれ考えた。

*内容のネタバレを前提にして書いています。未視聴のかたはご注意ください。 しつこく「天気の子」の話を続ける。 www.saiusaruzzz.com www.saiusaruzzz.com 「天気の子」を観ているあいだ、色々な作品が頭に浮かんだのでその話。 その1「火垂るの墓」 前…

【映画】是枝裕和監督「DISTANCE」(ディスタンス) 謎解き考察&感想

Amazonプライムビデオで是枝裕和監督「DISTACE」を観た。2001年の作品で、監督作品としては三作目。 DISTANCE メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る (あらすじ) 三年前、都内で新興宗教の教団「真理の箱舟」が、都内の貯水槽に毒物を混入する…

【映画感想】竹内結子主演「残穢ー住んではいけない部屋ー」は、原作ファンにも原作未読層にもおススメの面白さ。

Amazonプライムビデオで小野不由美原作の「残穢ー住んではいけない部屋ー」を見た。 残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋― 発売日: 2016/06/09 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る すごくよかった。 原作では少しわかりにくい「穢れの伝染の…

【映画感想】「トランスワールド」は種明かしを知ったあと、もう一度見たくなる良作。

Amazonプライムビデオで「トランスワールド」を観た。 トランス・ワールド(字幕版) 発売日: 2014/04/01 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る 寂しい森の中でガス欠で車が動かなくなったため、夫のアダムは助けを求めに行く。残された妻のアマ…

新海誠監督作品「天気の子」で一番衝撃を受けたシーンと作品に感じるモヤモヤについて。

*内容のネタバレを前提にして書いています。未視聴のかたはご注意ください。 www.saiusaruzzz.com 前回、観終わった直後に感想を書いたが、まだモヤモヤしている。ずっとそのモヤモヤについて考えている。 前の感想記事では「自分の望みのために、その望み…

【映画感想】新海誠監督「天気の子」 世界は俺の思い通りになるという傲慢さ

新海誠監督の「天気の子」を観に行ったので、とりあえず初見の感想を書きとめておきたい。 tenkinoko.com 観終わった直後は、かなり腹を立てていた。 何故なら途中までは、これぞ自分が見たかった新海作品だと期待値がすさまじく上昇していたからだ。 www.sa…

【映画感想】「実写版デビルマン」は何がダメなのか。

デビルマン 発売日: 2015/08/01 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る 先日、ようやく視聴した。 これで「実写版デビルマン警察」になれる。 感想は「思ったよりは悪くなかった」 その「思った」は、今までさんざん聞いてきた「実写版デビルマ…

新海誠監督「雲のむこう、約束の場所」は反世界系の物語ではないか。

雲のむこう、約束の場所 発売日: 2014/12/19 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る 「雲のむこう、約束の場所」は、やや設定がややこしく、作内ではそれほど細かい説明がない。 あらすじとアニメの作内設定(小説版や設定資料などは読んでいな…

「言の葉の庭」を見て、新海誠監督作品の何が気持ち悪く感じるのかやっとわかった。

言の葉の庭 発売日: 2014/11/15 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る 「ほしのこえ」に引き続き、「言の葉の庭」を視聴した。 今までずっと自分がうっすらと感じていた、新海誠監督作品*1に対して感じていた気持ち悪さが何なのかがようやくわ…

新海誠監督「ほしのこえ」を見たら、「秒速5センチメートル」のすごさがさらにわかった。

Amazonで新海誠監督作品「ほしのこえ」を視聴した。 以下、アニメ版のみを見た感想で、「秒速5センチメートル」の自分の個人的な解釈を前提として感想を述べている。 「秒速5センチメートル」の感想を読んでいないと意味がわからない可能性が高いので、良…

コーマック・マッカーシー「ザ・ロード」が素晴らしかったので、個人的な解釈を語りたい。

映画化もされたコーマック・マッカーシーの「ザ・ロード」を読んだ。 ザ・ロード (ハヤカワepi文庫) 作者: コーマック・マッカーシー,黒原敏行 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2010/05/30 メディア: 文庫 購入: 11人 クリック: 54回 この商品を含むブロ…

「蠅の王」の新訳と旧訳の読み比べをしながら、翻訳について考えたこと。

2017年にウィアリアム・ゴールディングの「蠅の王」の新訳が出たので、購入して読んでみた。 蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫) 作者: ウィリアムゴールディング,William Golding,黒原敏行 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2017/04/20 メディア: 文庫 …

ウンベルト・エーコ「薔薇の名前」は、物語の色々な読み方を教えてくれる。

「薔薇の名前」を久しぶりに読んだ。 薔薇の名前〈上〉 作者: ウンベルトエーコ,河島英昭 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 1990/02/18 メディア: 単行本 購入: 11人 クリック: 197回 この商品を含むブログ (185件) を見る 「薔薇の名前」は膨大な知識と…

【映画感想】中島哲也監督「渇き。」が思ったよりも面白かった。

Amazonプライムビデオで、中島哲也監督、役所広司主演の映画「渇き。」を見た。 この映画は起こっている出来事だけを見ると、過激な暴力描写と主役の藤島をはじめ、登場人物たちの常軌を逸した言動が過剰すぎてそれほど面白くない。 これを現実の暴力として…