うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

小説

【小説感想】村上春樹「ドライブ・マイ・カー」を読み直して気付いた文章の凄さ。

ゴールデン・グローブ賞を受賞した記念に、「女のいない男たち」に収録されている「ドライブ・マイ・カー」をもう一度読み直した。 女のいない男たち (文春文庫) 作者:村上春樹 文藝春秋 Amazon 監督の濱口竜介は、原作に強く惹きつけられて映像化したくなっ…

読売新聞の書評欄「よみうり堂・読書委員が選ぶ2021年の三冊」を読んで読みたくなった本10冊&自分が2021年に読んだ本の中で、おススメの三冊

先日、「書評」が話題になっていたので、「書評を読んで読みたくなった本」を上げてみようかと思いたった。 読売新聞の「書評欄の読書委員が選ぶ『2021年の三冊』」を読んで読みたくなったもの、その中で「特に読みたくなったベスト3」を選んでみた。(青字…

「弱いくらいなら悪であるほうがマシ」という価値観は悪役の華だが、これも「男らしさ」の一種なのかもしれない。

相変わらず「グイン・サーガ」を読んでいる。 43巻でダリウス大公が最期にブチかます「開き直った悪党の下衆な恨み節」を読んで、「そうそう、こいつ、最期の最期で滅茶苦茶面白いキャラになったんだよなあ」と思い出した。 読んだことがない人のために説明…

栗本薫「グイン・サーガ」41巻まで。天才ヨナの登場、アリの大活躍、シルヴィアがさらわれた、など。

「グイン・サーガ」41巻「獅子の星座」までの感想。 前回36巻まで。 www.saiusaruzzz.com 天才ヨナ登場 記憶だとナリスとリンダの二人は、婚約~新婚期間も落ち着いているというイメージだったが、まったくそんなことはなかった。 今回読んだら、マリウスと…

したな、自分の前で。「ガウェインの結婚」の話を!

タイトルは一度言ってみたかっただけの出落ちです。すみません。 最初の授業 はてブのホッテントリで「ガウェインの結婚」の話が上がっていた。 「すべての女性は自分の意志を持つことを望んでいる」ここが、基本ですよ。 まあ、少なくとも、ガールフレンド…

栗本薫「グイン・サーガ」36巻まで。モンゴールの復活するも大丈夫か? アリ、カメロン、イシュトの三角関係など。

前回、30巻まで。 www.saiusaruzzz.com モンゴールが復活するも……大丈夫か? 27巻でアムネリスを奪還したあとから、モンゴールの復活までが思ったより早かった。 ヤヌスの戦い一戦だけで復活したが、意外と国の存亡は一戦だけで決まってしまうものなのかもし…

栗本薫「グイン・サーガ」30巻まで。ユラニア遠征はサウル皇帝と三公女に尽きる。グラチウスとの対決は意外と核心を話していた、など。

前回、27巻まで。 www.saiusaruzzz.com サウル皇帝が大好きだった 思い出した、サウル皇帝が大好きだった。 世間知らずで子供っぽい部分と、人生を悟ったような哲学者のような部分の融合具合が絶妙だった。 グインが恭しく接したら滅茶苦茶嬉しそうにすると…

「ゲーム・オブ・スローンズ(GOT)」をシーズン8まで完走した感想。主にデナーリスについて。

*この記事には、「ゲーム・オブ・スローンズ」の最終章までのネタバレが含まれます。未視聴のかたはご注意ください。 「ゲーム・オブ・スローンズ」の最終章をやっと見れた。 ウィンターフェル Amazon オープニングのギミックに感動 オープニングのギミック…

栗本薫「グイン・サーガ」27巻まで。パロくねくね編、イシュトの国盗り始まり&グインのユラニア遠征の始まり。

前回、23巻まで。ケイロニア編。 www.saiusaruzzz.com 「天華」に夢中になっていて、すっかりご無沙汰していたグイン・サーガ。 いよいよ、イシュトの国盗り&ユラニア遠征か、と思っていたが、その前にパロのナリス対スカールのくねくね編があった、と思い…

「私説三国志 天の華・地の風」全10巻の感想。「物語のアイデンティティが失われる」とはどういうことか。

江森備「私説三国志 天の華・地の風」を読み終わった。 「三国志」の流れをしっかり辿っているのはもちろん、政治や戦だけではなく、この時代の習俗や文化が詳しく描かれている。 諸葛喬が死んだときの葬式の様子など、どの立場の人間がどのような服装をして…

アニメ「巌窟王」 原作へのリスペクトを感じつつ、アルベール視点の青春物としての素晴らしい改変。これなら大デュマも大満足では。

*本記事にはアニメ「巌窟王」のネタバレが含まれています。 アニメ「巌窟王」を観終わった。 www.saiusaruzzz.com 「父母の人間関係に巻き込まれただけのアルベールから見たら、伯爵の復讐譚はどう見えるのだろう?」という疑問に答えつつ、ただの改変では…

中学時代の自分の度肝を抜いた江森備「私説三国志 天の華・地の風」を読み始めたが、これを理解するには当時の自分が子供すぎたと思った。

今読んでいる「グイン・サーガ」×増田で「鶏肋」の話が出てきた相乗効果で、突然「天の華・地の風」のことを思い出したので、どうなったか見にいった。 全十巻で完結していた。 Amazonで九巻のレビューを見ると凄いことになっているとのことなので興味がわい…

アニメ「巌窟王」第一話の感想&原作「岩窟王」の思い出。

巌窟王 第1巻 [DVD] 中田譲治 Amazon アニメ「巌窟王」が観たくてdアニメストアfor Prime Videoに入った。30日間無料体験があるので、観終わったら継続するかしないか考えるつもりだ。 「巌窟王」は、子供のころお気に入りだった。 「巌窟王」は子供の時に…

栗本薫「グイン・サーガ」23巻まで。序盤の傑作ケイロニア編。ツンデレ我が儘皇女シルヴィア、世界の全てが憎いアリなど推しが次々登場。

17巻からは23巻は、序盤の超傑作、ケイロニア編だ。 グイン・サーガ22 運命の一日 作者:栗本 薫 早川書房 Amazon 20巻から作画が天野喜考になった。 女性キャラの最推し、我が儘ツンデレ甘えん坊皇女シルヴィアさん。 イシュトの気持ちもわからないでもない…

栗本薫「グイン・サーガ」16巻まで。パロ奪還戦が一方的すぎる。アムネリスはここが絶頂期だった。ヴラドが好きだったなど

16巻「パロへの帰還」まで読了。一巻から始まったパローモンゴール戦争がひと段落。 グイン・サーガ16 パロへの帰還 作者:栗本 薫 早川書房 Amazon モンゴールが弱すぎて相手になっていない。 11巻からの流れなら「ナリス・スカール連合に勝てるわけないよな…

栗本薫「グイン・サーガ」11巻まで。主要登場人物が出そろい、いよいよパロ奪還戦が始まる。

前回。 www.saiusaruzzz.com 「グイン・サーガ11 草原の風雲児」まで読み終わった。 6巻から11巻までの感想の箇条書き。 多種多様な登場人物、国ごとの風習や傾向の違いが面白い。 舞台が中原、パロに移って、ナリスやスカール、マリウスが登場。 これで主要…

栗本薫「グイン・サーガ」5巻まで。謎の提示の仕方にわくわくする、アムネリスの出落ち感など。

「グイン・サーガ」5巻まで読み終わった。 グイン・サーガ5 辺境の王者 作者:栗本 薫 早川書房 Amazon イドの谷間を潜り抜け、セムの危機を救い、マルス伯を罠にかけ殺し、幻の民・ラゴンを探し求める旅に出る。 息もつかせぬ展開で面白かった。 「アクラは…

【小説感想】今村昌弘「兇人邸の殺人」 面白かったが……特殊設定は扱いが難しい。

*若干ネタバレがあります。未読のかたは注意してください。 剣崎比留子&葉村譲シリーズ第三弾。 www.saiusaruzzz.com www.saiusaruzzz.com 「魔眼の匣の殺人」が凄くよかったので、期待値高めで読み出した。 超常的な要素でクローズドサークルが出来て、そ…

【小説感想】「グイン・サーガ1 豹頭の仮面」連載漫画の開始部分のお手本のような、巧みなストーリー展開。

夏休みなので、読書中。 www.saiusaruzzz.com 一巻を読み終わった。 やっぱり面白い。 グイン・サーガ1 豹頭の仮面 作者:栗本 薫 早川書房 Amazon 以前、他の人の記事で「書籍の本は映画みたいなもので、Web小説は連載漫画みたいなものだから、書くときはそ…

「エタる」話をしていたら「グイン・サーガ」を思い出したので、大人買いして一気読みすることにした。

noteで「エタる、エタらない」の話をしていたら、「グイン・サーガ」を思い出したので、これを機会に一気読みしようと思う。 本当は完結したら一気読みしようと思っていたのだけれど……こればかりは仕方がない。作者が一番残念だったと思うし。 [まとめ買い] …

【小説感想】「変な家」 家の間取りへの違和感から始まる、怒濤の展開。

変な家 作者:雨穴 飛鳥新社 Amazon 見たことがあるなあ、と思ったら、この間取りは以前、はてブで見かけたことがある。 「この間取り、どこか変なところがありませんか?」という記事だった。(確か) (引用元:「変な家」 雨穴 飛鳥新社) こういう日常的…

【小説感想】桐野夏生「柔らかな頬」 自己探求の暗い隘路を描いた傑作。初読のときに「微妙」と思った自分をはっ倒したい。

www.saiusaruzzz.com この読売新聞の記事に、 「風当たりは強かったですよ」と快活に笑った。 「柔らかな頬」で直木賞を受賞したときの反響についてこう書かれていたので、久しぶりに読み直してみた。 読み直すのは十ン年ぶりで、大まかな筋と結末は覚えてい…

2021年7月8日(木)読売新聞 日本ペンクラブの会長に就任した桐野夏生のインタビューを読んだ雑感

2021年7月8日(木)の読売新聞に、日本ペンクラブ会長に就任した桐野夏生のインタビュー記事が載っていたので、それを読んだ雑感。 「日本ペンクラブ」は名前くらいしか知らなかったので、ウィキを読んできた。 日本ペンクラブ - Wikipedia 記事内では「言…

アンチミステリにして思想小説にして青春小説。多元的宇宙を持つ 奥泉光「ノヴァーリスの引用」

前回の感想は衝撃の余り取り乱してしまったので、「どうせまたいつか読むだろう」と書いた通り、気持ちを落ち着けて再読してみた。 *以下ネタバレが含まれます。 ノヴァーリスの引用/滝 (創元推理文庫) 作者:奥泉 光 東京創元社 Amazon 前回はラストの衝撃…

【漫画感想】「All You Need Is Kill  ーオール・ユー・ニード・イズ・キルー」 恋愛と人類滅亡の危機の食い合わせの悪さ。

*漫画版のみの感想です。 *ネタバレあります。 All You Need Is Kill 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) 作者:桜坂洋,竹内良輔,安倍吉俊,小畑健 発売日: 2014/06/19 メディア: Kindle版 「マヴラブかな?」と思うと「マヴラブ」に見えてしまう。 被っている設…

【小説感想】村上春樹「女のいない男たち」 自分の特異性をどうやりくりしていくか。

公開された「ドライブ・マイ・カー」のPVが良かったので、久しぶりに読んでみた。 女のいない男たち (文春文庫) 作者:村上春樹 発売日: 2016/10/07 メディア: Kindle版 映画はコロナが治まっていたら見に行きたいけれど……どうかな。 ひとつひとつの話を読み…

【小説感想】大人に見捨てられた少女たちが路上で生き抜く「路上のX」

寝る前に読み始めたのは不正解だった。 途中で読むことがやめられず、結局一気読みしてしまった。 路上のX (朝日文庫) 作者:桐野 夏生 発売日: 2021/02/05 メディア: Kindle版 ネグレクトされた居場所のない少女たちが、自分たちを搾取しようとする大人たち…

【小説感想】「『山月記』の作者が語る、文字とは言葉とは何なのか」 中島敦「文字禍」

文字禍 作者:中島 敦 発売日: 2012/09/28 メディア: Kindle版 タイトルが気になって衝動読みした短編。著者は「山月記」で有名な中島敦。 青空文庫やkindle版で無料で読めます。 文字とは何か、ということを的確に表した傑作。 文字を覚えて以来、咳が出始め…

弱者男性文学としてのドストエフスキー「貧しき人々」

先日、ネットで弱者男性について話題になっていたが、その時に「貧しき人々」を思い出した。 貧しき人々 作者:ドストエフスキー 発売日: 2016/09/07 メディア: Kindle版 「貧しき人々」の主人公マカール・ジェーヴシキンは、俗にいうKKO(キモくて金のないお…

【小説感想】一人で船に閉じ込められ、浄土を目指す捨身行で何を思うのか。井上靖「補陀落渡海記」

【小説感想】二転三転急転する展開のすさまじい吸引力が楽しいけれど、オチが気になった。「出版禁止 死刑囚の歌」 先日読んだ「出版禁止 死刑囚の歌」に出てきた「補陀落渡海」が気になって、調べたらこの本が出てきた。 そういえば、井上靖の作品は読んだ…