うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

こんな風に物語を読んでいる。

ブログを書くようになってから、「物語を読む」とはどういうことかを特に考えるようになった。 このブログを書いている人は、こんな風な考え方に基づいて創作を読んで、感想を書いているんだなあと心にとめて記事を読んでくれると嬉しいと思い、自分の物語の…

noteを始めました。

noteを始めました。 note.com ブログの主旨とは違うなとか、ちょっとブログに書きにくいとか(神に怒られる系など)ある程度自分の手で「読まれやすさ」みたいなものをコントロールしたい(できないとしても、している感覚が欲しい)ものはnoteで書こうかな…

「ナイルに死す」の新訳(黒原敏行訳)が欲しい&翻訳について思ったこと。

最近出版されたアガサ・クリスティーの「ナイルに死す」の新訳の訳者が、黒原敏行だった。 ナイルに死す〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 15) 作者:アガサ・クリスティー 発売日: 2020/09/11 メディア: 文庫 硬質な純文学を訳すことが多い、という…

【アニメ感想】「刻刻」のここが面白かった。

*ネタバレがあります。「刻刻」を未読・未視聴のかたはご注意ください。 堀尾省太原作「刻刻」のアニメを見た。 㐧壱刻 メディア: Prime Video 同じ作者の「ゴールデン・ゴールド」が好きなので、アニメを見てみた。 無茶苦茶面白かった。 アニメは原作と…

「星の巡礼」感想 サンティアゴ巡礼に行きたくなる。

先日、「サンティアゴ巡礼」を特集したドキュメンタリーを見た。 フランスからピレネー山脈を越えて、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂まで徒歩で巡礼する。 距離や地図だけを見ると「大丈夫か」と思うような道のりだが、現在はツアーも…

倒叙形式・犯人視点で「かまいたちの夜」を考えてみた。

*本記事には「かまいたちの夜」本編の重大なネタバレが含まれます。 かまいたちの夜 輪廻彩声 - PSVita 発売日: 2017/02/16 メディア: Video Game switchで出してくれないものか。 「かまいたちの夜」本編を未解決のままデスゲームに突入して終わったケース…

【銀河英雄伝説キャラ語り】ビュコックとメルカッツはどちらが強いのか? から始まる雑談。

銀河英雄伝説の同盟側ではビュコックとアッテンボローが好きだ。 昔々メルカッツが一番好きな兄ちゃんと「ビュコックとメルカッツは、艦隊戦で戦ったらどちらが強いのか?」というテーマで語り合ったことがある。 子供のときって本当暇だったよなあ、と言い…

【漫画感想】「鉄民」全3巻。「入れ替わりホラー」は意外と難しいのかもしれない。&「ポリスノーツ」のことを思い出した。

*ネタバレあります。 鉄民 : 1 (アクションコミックス) 作者:菅原敬太 発売日: 2015/04/28 メディア: Kindle版 人口約3500人の沙々来島で、知らないあいだに住民が「鉄民」と呼ばれる機械人形に少しずつ入れ替わっていく話。 「スナッチャーに似ている」…

「鉄血のオルフェンズ」を題材に使って、「テロルの現象学」の感想を述べたい。

笠井潔の「テロルの現象学」を読んだ。 「観念」とは何でありどこから発生し、歴史上どのように変異していったか、というかなり漠然とした話が、例示や引用をあげて説明されている。 部分部分の賛否はともかく、この話はどう展開するのだろうと読んでいるあ…

漫画版「十角館の殺人」2巻感想。コミカライズの面白さは、作画者の解釈が楽しめるところ。

漫画版「十角館の殺人」2巻が発売された。 十角館の殺人(2) (アフタヌーンコミックス) 作者:綾辻行人 発売日: 2020/08/21 メディア: Kindle版 第一の殺人が起こり、いよいよ話が始まった感がある。 二巻を読んでいて不思議な感覚に襲われた。 「先が楽し…

ブロガーバトンが回ってきたので、ブログについて語りたい。

「ドイツ人ストリートミュージシャンと結婚しました。」を書いているあかねさんからブロガーバトンが回ってきた! ありがとうございます! www.akane1033.com 旦那さんと息子さんとドイツに住んでいるあかねさんのブログは、旅行あり、育児あり、考え方あり…

自分が好きなものには、自分のためにおけけパワーしていきたい。

話題になったおけけパワー中島。 突如トレンド入りした「おけけパワー中島」とは、同人女たちの深い業をすべて背負い心を搔き乱す「概念」だった…様々な考察集まる - Togetter 先日、「感想がもらえないので筆を折る」という作家の文章を読んだ。 そのこと自…

【小説感想】「タタール人の砂漠」多くの人にとって普遍的な人生の話&カフカについて

タタール人の砂漠 (岩波文庫) 作者:ブッツァーティ 発売日: 2013/04/17 メディア: 文庫 街の人々から忘れ去られた辺境の砂漠の砦に配属された青年将校が、「いつか来る」と言われている「タタール人の襲来」を待ち続ける話。 「イタリアのカフカと称される」…

「Return of the Obra Dinn」をクリアしたので、感想&考察。

消息不明になった船の乗員乗客60名の身元と生死を調査し、船に何が起こったのかを推理する「Return of the Obra Dinn」をクリアした。 www.saiusaruzzz.com 面白かった。 個人的には脳トレのイメージがある。ほどよい頭の体操がやりたい、と思う人にオスス…

ブラックボックス化した事件の経緯を解き明かす。「Return of the Obra Dinn」が面白すぎる。

1802年、60名の乗客乗員を乗せてロンドンから出発したオブラ・ディン号が海上で消息を絶つ。60名の乗員は誰一人帰ってこなかった。 五年後の早朝、無人のオブラ・ディン号がロンドンにたどり着く。 一体、オブラディン号に何があったのか? 乗員たちはどうな…

【小説感想】ミステリー×民族学×幻想×ハイデガー 奥泉光「葦と百合」

*ネタバレ注意。 葦と百合 (集英社文庫) 作者:奥泉光 発売日: 2014/11/07 メディア: Kindle版 (あらすじ) 学生時代、自然と共生するコミューン「葦の会」に入って音信が途絶えた恋人と友人のことを思い出し、式根はその跡地を訪れる。 しかし「葦の会」…

【漫画感想】南波あつこ「青夏 Ao-Natsu」の今後をこんな風に予想。

南波あつこの「青夏-Ao Natsu-」全8巻を読んだ。 高校一年生の理緒が、夏休みに祖母のいる田舎に行き、そこで地元の高校生・吟蔵に出会う。ひと夏の恋の話。 *以下ネタバレあり。 青夏 Ao-Natsu(1) (別冊フレンドコミックス) 作者:南波あつ…

奥泉光「ノヴァーリスの引用」アンチミステリの皮とかぶった精神的な殺し合いに厨二が瀕死の重傷を負う。

ノヴァーリスの引用/滝 (創元推理文庫) 作者:奥泉 光 発売日: 2015/04/26 メディア: 文庫 天気がいいから散歩していたら、突然横からきたダンプカーにはねられた。 どうせいつかは通る道だから、もしくは通ってきた道だからと言っても読みたい気分のときに読…

奥泉光「滝」別解。「松尾犯人説」を考えてみる&まとめ

ノヴァーリスの引用/滝 (創元推理文庫) 作者:奥泉 光 発売日: 2015/04/26 メディア: 文庫 どこまでやるんだという感じだが、せっかくなのでとことん考えてまとめてみた。 感想その1。 www.saiusaruzzz.com 感想その2。 www.saiusaruzzz.com ミステリー風に…

奥泉光「滝」の自分の感想を読んだらまったくしっくりこないので、もう一度考え直してみた。

www.saiusaruzzz.com 書いた直後から「いやでも、ちょっと違うんじゃないか」という気がしていた。 何だかピンとこない。 この話は「神」がすごく重要な要素なのに、上の感想ではすっぽり抜け落ちている。そういう話なら、巡礼者ではなく普通の登山者でも成…

【小説感想】他人に自分の悪を引き受けさせ、狂わせる人間の恐ろしさ 奥泉光「滝」

罠と悪意にからめとられ、極限状態に追いつめられていく少年たちの心理を緻密に描き出した傑作と名高い「滝」(裏表紙紹介) 滝 作者:奥泉 光 メディア: 単行本 あらすじ とある宗教団の若者組の少年五人は修行の一環として、山岳の七つの神社を二泊三日かけ…

「かぐや様は告らせたい」19巻のカップル論争に参戦したい。

かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 19 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) 作者:赤坂アカ 発売日: 2020/07/17 メディア: Kindle版 (引用元:「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」19巻 赤坂アカ 集英社) 基本的に「公式で固定され…

【小説感想】我孫子武丸「修羅の家」 「『モチーフにしている事件のほうを語りたくなる』という感想になってしまう」ところがどうなのか。

*ネタバレしているので、未読の人は注意。 *「殺戮にいたる病」のネタバレもしています。 修羅の家 作者:我孫子武丸 発売日: 2020/04/14 メディア: Kindle版 面白かっただけに、ちょっと残念。 帯を見たら、「殺戮にいたる病」を読んだことがある人はすぐ…

ウソップ視点で見た「ワンピース」みたいな話=「選ばれていない人」視点の話について。

主人公が最強でない作品 「ウソップが視点人物のONEPIECE」みたいなのが見たい つまり、ずっと一貫して弱ペダやバキみたいにならない作品 あるいは主人公に特殊な能力がほとんどないかあっても劇中世界では凡人に近いレベル。(イシドロ視点のベルセルクと…

【漫画感想】人間には意味がわからない恐ろしさ「畏怖」を抱かせる傑作 中山昌亮「後遺症ラジオ」

*ネタバレがあり。 ここ最近では一番の掘り出し物だった。 自分が考えるホラーの理想形なので、ホラーが好きで読んだことがない人には推したい。できれば、多くの人に読んで欲しい。 ただ「神に憑かれる話」なので、ホラーの中でも「畏怖系」が苦手な人には…

天城一の密室分類で「かまいたちの夜」を考えてみた&雑談

*本記事には「かまいたちの夜」の重要なネタバレが含まれています。 かまいたちの夜 発売日: 1994/11/25 メディア: Video Game 天城一の密室犯罪学教程 (宝島社文庫) 作者:天城 一 発売日: 2020/07/04 メディア: 文庫 「天城一の密室犯罪学教程」を読んでい…

「信頼のできない語り手」と「信頼のできない視点」についての雑談

先日見た「かまいたちの夜」の解説動画の中で、「『かまいたちの夜』は選択肢を間違うと、主人公がプレイヤーにとって『信頼のできない語り手』に変貌する」という考えが述べられていて面白いなと思った。 「信頼のできない語り手」は何か作為があったり、も…

【漫画感想】モリエサトシ「私の正しいお兄ちゃん」は「面白くない」ところにすごさがある。

*ネタバレしています。 私の正しいお兄ちゃん(1) (BE・LOVEコミックス) 作者:モリエサトシ 発売日: 2019/04/12 メディア: Kindle版 モリエサトシ「私の正しいお兄ちゃん」全四巻を読んだ。 最初に読んだときは色々と引っかかる部分があって、否定的な感…

トトの妹

「私がこうやって生きているのは妹のおかげなの」 トトさんは会うたびにそう言った。 「さっき食べたお昼も、妹が作ってくれたのよ。私と違って何でもできるし、動いていないと気が済まない子なの、昔から」 トトさんは、僕が勤める事務所の顧客だ。 正確に…

【小説感想】持たざる者の残酷な世界への叫び 「なしくずしの死」

なしくずしの死〈上〉 (河出文庫) 作者:ルイ‐フェルディナン セリーヌ 発売日: 2002/03/01 メディア: 文庫 なしくずしの死〈下〉 (河出文庫) 作者:ルイ‐フェルディナン セリーヌ 発売日: 2002/03/01 メディア: 文庫 反ユダヤ主義の差別的言動から国家反逆罪…