うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

ドラマ

NHK大河ドラマ「光る君へ」第六話まで見た忌憚のない感想・その恋愛描写は必要なのか。

*前回。 www.saiusaruzzz.com これまで「自分は宮廷の権力闘争に興味はないし、藤原家の行く末もなるようになればいい」と距離を取っていた道長がいよいよ後に最高権力者になる片りんを見せ始めた。 痣だらけの顔の道兼と対峙した時、今まで通り気圧される…

NHK大河ドラマ「光る君へ」第一話・第二話を見た忌憚のない感想

楽しみにしていた今期の大河ドラマ「光る君へ」の第一話、第二話を見たのでその感想。 「面白かった。先が楽しみ」 「豪華で実力派の俳優陣の演技を見ているだけで楽しい」 全体的にはこういう感想だが、強いて言えば「個人のストーリー」と「(宮廷政治など…

【VIVANT(ヴィヴァン)キャラ語り】ノコルというキャラの魅力に気付くまで。

普段はほとんどドラマを見ない相方が観ていたため、結局何だかんだ一緒に最後まで観た。視聴率も良く、終わったあとの感想も盛り上がっている模様。 b.hatena.ne.jp このドラマで自分の心に一番残ったのは、主人公・憂助の義弟であるノコルである。 この記事…

【ドラマ感想】「だが、情熱はある」 嫉妬や劣等やドス黒い感情を生む「たりてなさ」こそが自分だから、それでやっていくしかない。

www.saiusaruzzz.com www.saiusaruzzz.com 「だが、情熱はある」が終わってしまった。 今回、若林が夜道で「自分の境遇が自分を取り巻く世界全体のせいのように思えて、何でもいいから怒りをぶつけたくて、もう少し長く目を合わせていたら、確実に殴りかかっ…

【ドラマ感想】「だが、情熱はある」第九話 あの黒歴史が今の自分を支えている&このドラマが好きすぎて辛い。

ドラマ「だが、情熱はある」オリジナル・サウンドトラック アーティスト:音楽:T字路s バップ Amazon 毎週毎週待ち遠しくて仕方がない「だが、情熱はある」の第九話を見た。 これは二人の物語。 何者かになりたくて、でも何者になればいいのかわからない。 …

「語ることができないこと」に意味がある。「隠蔽するための物語」について。

*「隠蔽するための物語」と思われる話についてのネタバレが含まれます。 www.saiusaruzzz.com 「一方通行の家」が自分にとって面白かった理由である「隠蔽するための物語」(造語)について話したい。 「隠蔽するための物語」とは何かは、以前↓のnoteに書い…

【ドラマ感想】山里亮太と若林正恭の青春を描いた「だが、情熱はある」が、上質なルサンチマン文学すぎる。

南海キャンディーズの山里亮太とオードリーの若林正恭の半生を描いた「だが、情熱はある」の第三話を見た。(一話と二話は見損ねた) 山里と若林はもちろん知っているけど、それ以上のことはほとんど知らないので、完全にドラマとして楽しんでいる。 創作と…

【大河ドラマ「鎌倉殿の13人」感想】「義時、本当にお疲れ様」それしか出てこない。

*ネタバレ注意。 ついに終わってしまった。「鎌倉殿の13人」が。 あれほど様々な人が出てきて、色々なことがあったにも関わらず、「鎌倉殿の13人」は自分にとっては最初から最後まで義時の物語だった。 伊豆の名のない家の次男坊に生まれて、気がいいだけの…

「承久の乱」について。他の歴史解釈と「鎌倉殿の13人」のストーリーの違い。&第47回「ある朝敵、ある演説」の感想。

承久の乱「後鳥羽上皇」惨敗させた三浦義村の決断 | 歴史 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース 「吾妻鏡」における「承久の乱」が始まるまでの、主に三浦家の動きの解釈を書いた記事を読んだので、「鎌倉殿との13人」のストーリーと読み比べて…

【大河ドラマ「鎌倉殿の13人」】山本耕史が語る「三浦義村はどんな人物か」が面白すぎる。

昨日も滅茶苦茶面白かった。 ここまでアッと言う間だった。 あと二回かあ。もっと続いて欲しいと思ってしまう。 と思いながら、今朝、三浦義村を演じる山本耕史のインタビューを読んだ。 「演じる役だから考える」ということとは別に、単純に「演じる俳優が…

創作で、キャラを分裂させて自己葛藤を描くときに重要になる「フェアさ」とは何なのか。

*独自解釈に基づく話です。 *この記事には、ドラマ「Nのために」と漫画「アスペル・カノジョ」のネタバレが含まれます。 www.saiusaruzzz.com 「アスペル・カノジョ」は何かに似ていると思って、思い出したのがドラマ「Nのために」だ。 www.saiusaruzzz.co…

「変な家」「変な絵」で有名な雨穴のミステリー「謎解きモキュメンタリー動画」の感想まとめ。

変な家 作者:雨穴 飛鳥新社 Amazon 「変な家」で有名な雨穴のYouTube動画を何本か見たので、感想のまとめ。 ★【奇妙なブログ】消えていくカナの日記(17:54) 見た中では一番面白かった。 内容はシンプルで雨穴の話にしてはオチに捻りないが、むしろそこが…

【大河ドラマ「鎌倉殿の13人」キャラ語り】魔性の女・りくの魅力は「私のことを殺そうとしたでしょ?」という言葉にある。

ついに時政とりくが退場か。寂しいな。 特にりくは、こんなに面白い女性キャラをみたのは久し振りだと思うくらい魅力的なキャラだった。 りくという女性が、よく理解できなかった。 自分にとってのりくの面白さと魅力は、まったく理解できないところにある。…

【漫画感想】「親愛なる僕へ殺意をこめて」 殺人鬼やサイコパスは便利アイテムすぎるので一作に二人まで、というルールが欲しい。

「親愛なる僕へ殺意をこめて」全11巻を読み終わった。 *犯人の名前など物語の核心に触れるネタバレ以外の、若干内容のネタバレがあります。未読の人は注意してください。 親愛なる僕へ殺意をこめて(1) (ヤングマガジンコミックス) 作者:井龍一,伊藤翔太 …

【NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」感想】頼朝の突然の死で前半戦終了。「鎌倉という磁場」によって、人間関係が徐々に歪んでいく恐ろしさから目が離せない。

第26回「悲しむ前に」で頼朝が死んだ。 一時の「神回」続きから、ここ数回はそれなりの面白さに落ち着いていた。(それでも十分面白いのだが) しかし頼朝の死で、周囲の人間関係の不穏さが増して、自分が期待する面白さが戻ってきそうな予感がする。 特集 …

【NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第17回「助命と宿命」感想】 義高を死に追いやったものの恐ろしさ。 

www.saiusaruzzz.com 「神回」という言葉は余り好きではないけれど、そうとしか言いようがない時もある。ただ第12回「亀の前事件」も凄くよかったので、この後「ずっと神回」状態になってしまい、「神回=いつも通り面白い」になりそうな予感がする。 と書い…

「ハイコンテクストだからこそ意味を考えたくなるコンテンツ」について。

「ハイコンテクストすぎて意味がわからん」と途中で投げ出すものもあれば、「ハイコンテクストだからこそ意味を考えたくなる」ので、何度も通読して寝食も忘れて文章ひとつ、語ひとつの意味まで考えたくなる作品もある。 今回は後者の「ハイコンテクストだか…

【NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」人物語り】第15回「足場固め」でTwitterのトレンドに「頼朝嫌い」が入っていたが、自分は今回は頼朝に好感を持った。

*ネタバレ注意。 『鎌倉殿の13人』佐藤浩市、最も頼りになる者の切ない最期 「頼朝嫌い」がトレンド入り(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース 昨日の第15回「足固めの儀式」は衝撃的な面白さだった。 「神回」という言葉は余り好きではないけれど、そうとし…

【ドラマ感想】アガサ・クリスティ「青ざめた馬」 怪奇色強めのホラーミステリーの秀作。

NHKで放送されたアガサ・クリスティ原作のドラマ「蒼ざめた馬」の感想。 「蒼ざめた馬」か。随分、渋い選択だな。 ノン・シリーズものだし、クリスティの作品の中では知名度は余りないけれど、怪奇色の雰囲気が楽しめつつ、謎解きもしっかりしている。 何故…

NHK大河ドラマ「青天を衝け」は、歴史ではなく歴史の中を生き抜いた渋沢栄作の一生を描いた素晴らしいドラマだった。

終わってしまった~。 毎週、見るたびに元気をもらっていたので、終わってしまってとても寂しい。 幕末は創作の素材として人気が高いので、見ているほうも「歴史上は、次はこういうことが起こって、結果はこうなる」とわかっている。 その事象をどう描くかが…

「青天を衝け」の栄一と喜作のような五分五分の関係だったら、「鬼滅の刃」の巌勝は黒死牟にならなかったかもしれない、と高良健吾のインタビューを読んで思った。

昨夜「青天を衝け」の第40回を見て感動した勢いにのって、出演者のインタビューを読んだ。 主人公・栄一の幼馴染みで生涯の友だった喜作を演じた、高良健吾のインタビューが面白かった。 Q:栄一と喜作の関係をどのように思いますか? 基本的に喜作は栄一に…

NHK大河ドラマ「青天を衝け」第39回感想 「人には役割がある」という言葉に感動する。

ラスト近くなって、若干駆け足かなと思っていたが、それでも十分面白い。 若いときから水戸学に傾倒して国を救うことに心を燃やしていた惇忠が、人生の最後で慶喜と対面したシーンには感動してしまった。 「自分の人生の意味」をはっきり認識できた、という…

「ゲーム・オブ・スローンズ(GOT)」をシーズン8まで完走した感想。主にデナーリスについて。

*この記事には、「ゲーム・オブ・スローンズ」の最終章までのネタバレが含まれます。未視聴のかたはご注意ください。 「ゲーム・オブ・スローンズ」の最終章をやっと見れた。 ウィンターフェル Amazon オープニングのギミックに感動 オープニングのギミック…

NHK大河ドラマ「青天を衝け」第18回までの感想 すごく面白いが、一体どこがそんなに面白いのか。

凄く久しぶりに「観終わったあと、一週間後の放送が楽しみな感覚」を味わっている。 大河ドラマ「青天を衝け」|NHKオンライン 日曜日の八時にはテレビの前に正座待機するくらい面白い。 一体何がそんなに面白いのか、考えてみた。 一番大きい要素は、主人公…

NHK大河ドラマ「青天を衝け」第三回までの感想。ドラマとしてすごく面白い。

「麒麟がくる」を完走した勢いで、次の大河ドラマ「青天を衝け」を見ている。 www.nhk.or.jp 第三回まで見た感想としては、大河ドラマとか歴史などは関係なく「先が気になって目が離せない面白いドラマ」だ。 渋沢栄一については「日本で銀行を初めて作った…

【ドラマ感想】NHK大河ドラマ「麒麟がくる」とは何だったのか。

昨日、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の最終回を見た。久しぶりに大河ドラマを完走した。 最初に感想を言うと「イマイチだった」 自分が「このドラマはここがいいな」と思う部分と「そこはどうだろう?」と思う部分の力点の置かれ方が、特に後半は真逆だったと…

「メリバ」ことメリーバッドエンドについて、色々と語りたい。

*この記事には、「この作品はメリバと思われる」というネタバレが含まれています。 「メリーバッドエンド」略して「メリバ」の話題が先日上がっていた。 自分は割とメリバ好きなのだが、その起源を考えると子供のころにたどり着く。 そのころ自分が読んでい…

ドラマ「半沢直樹2」の悪役が好きだった。特に伊佐山部長。

何だかんだ言って面白かった。 対談で「歌舞伎を意識している」と言っていたので、話を極力わかりやすくして、舞台映えを重視しているのかなと思う。「2」ではこの傾向が「1」以上だった。 すべての物事が怒鳴り合いで締められるのも、お約束化している。…

第27話の藤吉郎と光秀が話すシーンを見て、「麒麟がくる」の面白さが突然わかった。

今までも普通に面白いとは思っていたけれど、どちらかと言うと斜めな視線で見ていた。 ドラマだとしても、さすがに個人的な関係や個人の動向で物事が動きすぎだし、登場人物のモチベーションが「個人的なもの」が多いことも気になった。信長の「人の役に立っ…

ドラマ「Nのために」雑談。「何もしないキャラ」成瀬の魅力、青景島編の強引さ、なぜ希美は最後に死ななければならないのか、など

www.saiusaruzzz.com 前回記事で入らなかった部分の雑談。 唯一の不満は、青景島編の展開の強引さ ドラマ「Nのために」は自分の中では傑作認定だが、「ちょっとここは…」と思う点もある。 つまらないとまでは言わないが、東京編からの吸引力に比べると青景島…