うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

社会問題

【ドストエフスキー「悪霊」人物語り】自分が自由であることを証明するために死んだ男・キリーロフが好きだった。

ドストエフスキーの「悪霊」の中で、自分が自由であることを証明するために拳銃自殺をする男がいたと記憶しているんだけど (引用元:「騎士団長殺し」村上春樹 新潮社 P249) したな、自分の前でキリーロフの話を! と鼻息荒くキリーロフのことを思い出した…

村上春樹「騎士団長殺し」の雨宮継彦のエピソードを読んで、アニメ「平家物語」の平維盛がなぜ死を選んだかがようやくわかった。

www.saiusaruzzz.com 「アニメ平家物語」の時に書いたが、「向いていない、出来ないとわかっていることを人が無理やりやらされる描写」がかなり苦手だ。 その「やらされる人」が、その場にどうあっても適合できない、しかし文句も言えないような人柄の場合、…

「アフリカの白い呪術師」 自分が生きている現代社会とはまったく違う認識・思考パターンがあることを教えてくれる。

読んでいる間は凄く面白い、というわけでもないのに、時間があるとふと読んでしまう。そんな本のひとつだ。 通して読むのは四回めくらい。読めば読むほど面白い。 アフリカの白い呪術師 (河出文庫) 作者:ライアル ワトソン 河出書房新社 Amazon てんかんとい…

木村汎「プーチンとロシア人」を読んでわかったことは、「自分がいかに日本人か」ということだった。

*二章までの感想。 www.saiusaruzzz.com 木村汎の「プーチンとロシア人」を読み終えた。 「国民性」という曖昧なものについて述べるに際して、著者は「おわりに」でこのような注意書きを寄せている。 また「国民的性格」という概念はきわめてとらえどころな…

木村汎「プーチンとロシア人」の読み始めの感想。「政治学は究極において人間学である」

プーチンとロシア人 作者:木村汎 産経新聞出版 Amazon 4月2日の読売新聞で、同じ著者の「プーチン人間的考察」が紹介されていたのをきっかけに読んでみようと思った。 著者である木村汎は2019年に亡くなっている。この本が書かれたのは2017年だ。 「はじめ…

「哲学の名著の50冊が1冊でざっと学べる本」は、哲学・思想の流れを知るのにとても便利だった。

哲学の名著50冊が1冊でざっと学べる 作者:岡本 裕一朗 KADOKAWA Amazon 思想や哲学は、それ以前の世代の考えや議論を前提として、それに対する主張や批判を行っていることが多いので、全体の流れを理解しないと個々の思想も理解することは難しいと感じる。 …

「陰謀論」と「世界観なきエリート」の相性の良さ&どう見分けていくか。

www.saiusaruzzz.com www.saiusaruzzz.com 「陰謀論」について考えたことの続き。 「陰謀論」について考えているうちに、「世界観なきエリート」と陰謀論は相性がいい(?)なとふと思いついた。 「世界観なきエリート・辻政信」のような人間と、その人が招…

「陰謀論」について考えたこと続き。「知りたい情報をすぐに調べられる」という言葉の矛盾。

www.saiusaruzzz.com 前回の記事に関連しての補足。 「ネットは、知りたい情報をすぐに調べられて便利」だ。 日常でも何気なく使う表現だが、「陰謀論」について考えるときは、少し警戒したほうがいいかものかもしれない。 「『知りたい』情報」という言葉を…

「陰謀論」とは、その人の内部でのみ働く固有のストーリーにハマってしまっている状態だと思うので、ハマらないために気をつけたいこと。

・2022年3月16日(水)読売新聞の朝刊の「虚実のはざま」(東京工業大学准教授・西田亮介氏)の記事と下記の記事を読んで、「陰謀論」について考えた。 smart-flash.jp 「陰謀論とは何なのか」「なぜ、それに囚われる人がいるのか」ということに、以前から…

ザ・ノンフィクション「マタギ修行の若者たち」感想 「生きる実感」は今の時代は贅沢品なのかもしれない。

2022年3月13日(日)に放送された「ザ・ノンフィクション 都会を離れ山で生きる。マタギ修行の若者たち」を見た感想。 秋田の阿仁でマタギとして生きてきた74歳の鈴木英雄さんのところへ弟子入りした、二十代の若者たちの話だ。 阿仁という不便な土地でマタ…

【小説感想】「作家は、社会から不当な扱いを受けることを覚悟しなければならない」迫害されたノーベル文学賞作家が描く収容所生活「イワン・デニーソヴィチの一日」

ソ連時代にノーベル文学賞を受賞したソルジェニーツィンの「イワン・デニーソヴィチの一日」を読み終わった。 イワン・デニーソヴィチの一日 (新潮文庫) 作者:ソルジェニーツィン 新潮社 Amazon 「文化革命時代の中国でこっそり読まれていた」と知って読み出…

「信じ込んだ神の手(旧石器捏造事件)」の記事を読んで考えたこと。

あったなあ、こんなこと。 2022年2月13日の読売新聞朝刊「あれからVol20 信じ込んだ神の手」を読んでそう思った。 2000年11月に起こった「旧石器捏造事件」。 当時さほど興味があったわけでもなく、「功名心にかられた民間の研究者が旧石器時代の遺物を捏造…

【書評】「中国共産党、その百年」 中国の考え方、成り立ち、仕組みが「党」の視点からよくわかる本。

www.saiusaruzzz.com 「文化大革命 人民の歴史 1926‐1976」は膨大な資料から事実を浮かび上がらせている。 その浮かび上がった「文化大革命」という歴史的な事象を見て解釈する視点は、中国とは違う国のものであり、外側の目で見た中国の歴史だ。 外側の目か…

【漫画感想】「AKB49~恋愛禁止条例~」関係性によって性差を超える反ハーレムもの。ぜひ先入観なしで読んで欲しい。

マガジン連載当初から好きだった「AKB49~恋愛禁止条例~」全29巻を読んだ。 AKB49~恋愛禁止条例~(1) (週刊少年マガジンコミックス) 作者:元麻布ファクトリー,宮島礼吏,高橋ヒサシ 講談社 Amazon 「好きな女の子を見守るために、女装してAKBのオー…

「文化大革命 人民の歴史 1926‐1976」は、これ一冊で、この時代の権力闘争から庶民の生活や心情までひと通り把握できる。

「文化大革命 人民の歴史 1926-1976」を読み終わった。 文化大革命 上巻 作者:フランク・ディケーター 人文書院 Amazon 文化大革命 下巻: 人民の歴史 1962-1976 作者:フランク・ディケーター 人文書院 Amazon この本の特徴は、参考文献の膨大さだ。 引用箇…

2022年1月9日(日)読売新聞朝刊に掲載された、エマニュエル・トッドの「米中対立の今後の展望」が面白かった。

2022年1月9日(日)読売新聞朝刊に掲載された、仏の歴史人口学者エマニュエル・トッドが今後の米中対立について語った話が面白かったので、その感想。(引用箇所は、全て記事から引用) 十四億という過大人口を抱える中国の来るべき人口危機は日本よりも遥…

読売新聞の書評欄「よみうり堂・読書委員が選ぶ2021年の三冊」を読んで読みたくなった本10冊&自分が2021年に読んだ本の中で、おススメの三冊

先日、「書評」が話題になっていたので、「書評を読んで読みたくなった本」を上げてみようかと思いたった。 読売新聞の「書評欄の読書委員が選ぶ『2021年の三冊』」を読んで読みたくなったもの、その中で「特に読みたくなったベスト3」を選んでみた。(青字…

遠いものほどよく見えて、近いものほど粗が目立つ「遠近歪曲のバイアス」について、自分の歪みや偏りを知るのはとても大切なこと、など。

2021年11月25日(木)読売新聞の朝刊「思潮」に掲載された、「遠近歪曲のバイアス」の話が面白かったのでその感想。 「遠近歪曲のバイアス」は、「遠いものほどよく見え、近いものほど粗が目立つというもの」。 「思潮」の中では例として「日本の人口減少の…

【漫画感想】「ヒメゴト~十九歳の制服~」 男装女子×女装男子の恋愛と少女が囚われている闇。二つのストーリーが等価で楽しめる凄い漫画。

「女装男子×援交少女×ボーイッシュだけど実は乙女な女の子の三角関係」 ということでおススメしてもらって読んでみたら、自分にとって好みドンピシャだった「ヒメゴト~十九歳~の制服~」全八巻の感想。 *ネタバレあります。 *性描写が多めで性被害も含む…

したな、自分の前で。「ガウェインの結婚」の話を!

タイトルは一度言ってみたかっただけの出落ちです。すみません。 最初の授業 はてブのホッテントリで「ガウェインの結婚」の話が上がっていた。 「すべての女性は自分の意志を持つことを望んでいる」ここが、基本ですよ。 まあ、少なくとも、ガールフレンド…

【備忘録】新型コロナワクチン接種(二回目)に行ってきた。(接種翌日以降の追記あり)

9月20日(月)1回目接種の様子。 www.saiusaruzzz.com 10月17日(日)10時に二回目の新型コロナウイルスのワクチン接種をしてきた。 二回目接種後の副反応については、もう色々な話を聞きすぎて若干ナーバスになっている。副反応がキツすぎて二度と打ちた…

【備忘録】ワクチン接種(一回目)に行ってきた。(接種翌日の様子の追記あり)

今日、ようやく一回目のワクチン接種が出来たのでその備忘録。 うちの自治体は予約枠が回ってくるのが遅かったので、ジリジリしていた。 9月は家の近くの接種会場で空いていた枠が今日しかなかった。取れてよかった~。 ということで午前中に早速行ってきた…

2021年9月8日(水)読売新聞朝刊に掲載された「アフガン政権崩壊の教訓」の紹介と感想。

2021年9月8日(水)読売新聞朝刊に掲載された慶応大学教授・田所昌幸さんの「アフガン政権崩壊の教訓」が興味深かったので、紹介がてら感想。 *以下は自分の視点が入っているので注意。詳しく知りたいかたは原文を読んで下さい。 主に二点に興味を持った…

2021年8月22日NHKスペシャル「ミャンマー衝撃の映像」の感想

2021年8月22日に放送されたNHKスペシャル「ミャンマー衝撃の映像」を見た。 市民たちがそれぞれ取った、動画や写真をつなぎ合わせて状況を把握する試みをしている。 ネットも軍の監視を受けて情報統制が行われているらしいので、それをかいくぐった貴重な映…

立花隆「脳を鍛える ー東大講義『人間の現在』ー」 知識のフレームワークをどう作るか。

本書は、立花隆が東京大学教養学部で実際に講義した内容を、書籍用に大幅に加筆修正したものだ。 先日の著者の死をきっかけに、十ン年ぶりに再読してみた。 脳を鍛える―東大講義「人間の現在」 (新潮文庫) 作者:立花 隆 新潮社 Amazon この本で言わんとして…

2021年7月8日(木)読売新聞 日本ペンクラブの会長に就任した桐野夏生のインタビューを読んだ雑感

2021年7月8日(木)の読売新聞に、日本ペンクラブ会長に就任した桐野夏生のインタビュー記事が載っていたので、それを読んだ雑感。 「日本ペンクラブ」は名前くらいしか知らなかったので、ウィキを読んできた。 日本ペンクラブ - Wikipedia 記事内では「言…

当事者たちが語る「天安門事件とは何だったのか」 「八九六四 完全版 『天安門事件』から香港デモへ」感想

「天安門事件」に関わった人たちへのインタビューを集めた「八九六四 完全版」を読み終わった。 八九六四 完全版 「天安門事件」から香港デモへ (角川新書) 作者:安田 峰俊 KADOKAWA Amazon この本を読もうと思ったのは、「天安門事件は名前は知っているけれ…

「創作は『悪』を描くもの」だと思っていた。

以前から言われていたことだけれど、創作内の物事に現実の倫理観を当てはめて批判する、しかもそれを表明する人が増えているらしい。 そうは言ってもごく一部だろう。 世の中は色々な人がいるし。 感想や意見を表明するのは自由だし。 それくらいの気持ちだ…

「『八九六四』を読んで」 気軽な気持ちで「ネットで民主化運動」をしていた人の運命が過酷で、読んでいて辛かった。

天安門事件に当時関わった人をインタビューして、参加者の生の声やその後の人生から「天安門事件」を浮かび上がらせようとする「八九六四完全版 『天安門事件』から『香港デモ』へ」を読んでいる。 八九六四 完全版 「天安門事件」から香港デモへ (角川新書)…

「八人との対話」の中で、立花隆と司馬遼太郎の対話「宇宙飛行士と空海」が面白かった。

立花隆の訃報を聞いて、今まで読んだ立花隆の本のことを思い出した。 「東大生はバカになったか」は、内容はともかく語り口が余り好きになれなかった記憶がある。 実際の講義を元にしている「脳を鍛える」のほうが面白かったと思い、探したら家にも「脳を鍛…