うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

全力で語る

よく読まれている、このブログのおススメの記事

このブログでおススメの記事を選びました。比較的、多くの方に読んでいただいているものです。ジャンルは小説や漫画、ドラマの批評・感想・管理人うさるの考え方などです。少しでも面白いと思っていただければ幸いです。 特におすすめしたいものはブログカー…

【小説感想】「ノーカントリー・フォー・オールド・メン」はどんな話なのか。殺し屋シガーが何者なのかを考えながら語りたい。

*ネタバレ感想です。未読のかたはご注意ください。 ノー・カントリー・フォー・オールド・メン (ハヤカワepi文庫) 作者:コーマック マッカーシー 早川書房 Amazon ">「ノー・カントリー・フォー・オールド・メン」(以下「ノーカントリー」)は映画化もされ…

【最終的な感想】今まで本当にごめん。「アスペル・カノジョ」は「生きづらさ」との和解を目指した素晴らしい漫画だった。

*漫画「アスペル・カノジョ」の結末までのネタバレが含まれます。未読のかたはご注意下さい。 これまでのあらすじ。 「アスペル・カノジョ」は、主人公が「物語世界」にいない。 「なぜ、主人公のお前がここにいる?」という驚愕。 「アスペル・カノジョ」…

「鬼滅の刃」の何が凄いと思うかを、今から全力で語りたい。

同業漫画家から見た『鬼滅の刃』以降のトレンド ”省略の美”から”少女漫画的な共感性”を重視 | ORICON NEWS 他の人が自分の好きな作品について語っているのをみると、自分も「自分はここが好きだ」とむしょうに語りたくなる。 というわけで、今から「自分は『…

【映画感想】「君が君で君だ」 七割くらいの人にとってnot for meの作品だと思うが、自分にとっては素晴らしい作品だったので全力で語りたい。

*本記事には「君が君で君だ」とネタバレが含まれます。未視聴のかたはご注意ください。 この映画の粗筋は、 同じ女の子を好きな三人の男が、女の子が好きな「尾崎豊」「ブラッド・ピット」「坂本竜馬」にそれぞれなりきって、生活を見守るために、その子の…

【「鬼滅の刃」キャラ語り】自分にとってのおばみつの最大のハマりポイントは、伊黒の信仰と殉教の自己完結性にある。

以前、「自分にとってその対象(創作)がナシだ」と思う点がどこかは、よくよく考えないとピンポイントではわかりづらいのではないか、という記事を書いたことがある。 「有り無し」の感覚は非常に微妙なものなので、人にわかってもらうためには、まず自分の…

【「天ー天和通りの快男児」キャラ語り】「神さまを認めず戦う男」僧我三威が好きだった。

*この記事には「天ー天和通りの快男児」のネタバレが含まれています。 天-天和通りの快男児 17 作者:福本 伸行 フクモトプロ/highstone, Inc. Amazon 久し振りに「天ー天和通りの快男児」を読み返している。 何度、読んでも面白い。 「天才は初太刀で殺…

【映画感想】「ジョーカー」 「狂っているのは世界なのか、私なのか」という永遠の命題に答えた傑作。

*この記事は映画「ジョーカー」の結末までのネタバレが含まれています。 今さらだけど「ジョーカー」を見た。 凄くよかったので、未視聴の人は、感想を読む前に見て欲しい。 読みやすさを優先して断言調で書いているが、ただの個人的な感想だ。 ジョーカー(…

アンチミステリにして思想小説にして青春小説。多元的宇宙を持つ 奥泉光「ノヴァーリスの引用」

前回の感想は衝撃の余り取り乱してしまったので、「どうせまたいつか読むだろう」と書いた通り、気持ちを落ち着けて再読してみた。 *以下ネタバレが含まれます。 ノヴァーリスの引用/滝 (創元推理文庫) 作者:奥泉 光 東京創元社 Amazon 前回はラストの衝撃…

【「鬼滅の刃」キャラ語り】伊黒小芭内というキャラの面白さを、188話を基にしてじっくり語りたい。

*原作と公式ファンブック1・2の情報のみを基にして書いています。 *独自解釈が爆発しているので、解釈違いがOKの人だけ読んでください。 先日、「グノーシス主義」の本を読んで22巻188話の伊黒の独白を思い出した。 自分が「鬼滅の刃」を好きな理由の六…

冴木忍「星の大地」のどこが好きだったのか語りたい。

先日、久しぶりに冴木忍「星の大地」のことを思い出して、急に語りたくなったので語りたい。 今でも「一番思い出深いライトノベルは何か」と聞かれると真っ先に思いつく。他の小説は処分したあとでも、これだけは長く持っていた。結局、処分したけれど。 い…

【鬼滅の刃キャラ語り】二人が結ばれることを阻む「おばみつ世界」とは何なのか。

考えれば考えるほど面白い、沼のように深いこの二人の関係について、どう考えていてどこに面白さを感じているかを、今まで考えたことも含めてまとめてみた。 ※すべて個人的な解釈です。 ※本編23巻と公式ファンブック1の情報のみを参考にしています。 ※ネタバ…

今さらだけど、米澤穂信「インシテミル」のどこがどうすごく、面白いのかを語りたい。

初めて「インシテミル」を読んだとき、「漫画みたいな話*1だな」と思った。 設定は大仰で荒唐無稽だし、キャラクターは極端にわかりやすくカリカチュアライズされている。 ストーリーに関係ある設定以外のもの(食事の用意や洗濯など)は、「そういうもので…

【漫画感想】時を超えて仲間を思い続ける「葬送のフリーレン」が尊すぎて、涙がとまらない。

たまたま見たPVで、涙腺が決壊した。 『葬送のフリーレン』PV初公開 魔王を倒した勇者一行のその後を描く“後日譚”ファンタジー PVで泣いたのは「カールじいさんの空飛ぶ家」とこれくらいだ。しかも何度見ても泣く。 本編も絶対泣くだろうな、と思って既刊二…

自分の血肉となっているゲーム10本を全力で語りたい。

75年生まれの俺を作ったゲーム10本を全力で紹介する そちらの「俺を作ったゲーム」もぜひ教えてほしい。何本でもいい。 それはとりもなおさず、俺自身を紹介することとほぼ同義になるはずだから、長たらしい自己紹介とか前口上はなしで……では、参る。 おっし…

作品を解体して考える。新海作品の大地は丸く、思考しているのか。

「レヴィ=ストロース入門」を読んだ。 レヴィ=ストロース入門 (ちくま新書) 作者:小田亮 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2013/11/08 メディア: Kindle版 レヴィ=ストロースの思想や業績がわかりやすくまとめられている。 「神話論理」で書かれている…

コーマック・マッカーシー「ザ・ロード」が素晴らしかったので、個人的な解釈を語りたい。

映画化もされたコーマック・マッカーシーの「ザ・ロード」を読んだ。 ザ・ロード (ハヤカワepi文庫) 作者: コーマック・マッカーシー,黒原敏行 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2010/05/30 メディア: 文庫 購入: 11人 クリック: 54回 この商品を含むブロ…

「蠅の王」の新訳と旧訳の読み比べをしながら、翻訳について考えたこと。

2017年にウィアリアム・ゴールディングの「蠅の王」の新訳が出たので、購入して読んでみた。 蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫) 作者: ウィリアムゴールディング,William Golding,黒原敏行 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2017/04/20 メディア: 文庫 …

MBTIのタイプにおける典型的なキャラとそれについての雑談。

MBTIの各タイプの典型的なキャラと、その類型について思いついたことを語っています。 創作の中の話に限定しています。書いてあることはすべて自分の個人的な考えです。専門家ではないので、雑談程度に読んでください。 参考文献は以下のものを使用しており…

聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話 各エピソード別の感想

聖闘士星矢「ロストキャンバス 冥王神話」全25卷を通しで読んだ。 [まとめ買い] 聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話 作者: 車田正美,手代木史織 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 話を断片的にしか覚えておらずほとんど初読だったこともあり…

【アニメ感想】「魔法少女まどか☆マギカ」に違和感を感じたのは、男の美学の物語だからかもしれない。

「魔法少女まどか☆マギカ」のテレビ版についての話です。 男女の違いについての主語デカい系の話です。苦手なかたは、ブラウザバックをお願いします。 「魔法少女まどか☆マギカ」を見た。 今さらだ「魔法少女まどか☆マギカ」を見たが、巷で聞いていたとおり…

新海誠監督「秒速5センチメートル」が余りに恐ろしい話だったので、解説しながら感想を語りたい。

*本記事では、新海誠監督のアニメ映画「秒速5センチメートル」の内容を結末まで触れています。未視聴のかたはご注意ください。 新海誠監督の「秒速5センチメートル」を今さら見た。 「主人公が初恋をこじらせる話」という噂を耳にしていたので、「恋をす…

【アガサ・クリスティーならこれがおすすめ!】数ある作品の中から、シチュエーションごとのおすすめをピックアップ

ミステリーの女王として名高いアガサ・クリスティーの作品群の中から、テーマやシチュエーションごとにおススメの作品を取り上げます。 *犯人とトリックはネタバレしていませんが、作品を紹介するに際して、多少中身に触れています。ご注意ください。 初め…

漫画版「うみねこのなく頃に」Episode8が素晴らしかったので、いいところも悪いところもまとめて語りたい。

漫画版Episose8では、猫箱の底まで描かれている。 漫画版「うみねこのなく頃に散」Episode8を読了した。 うみねこのなく頃に散 Episode8:Twilight of the golden witch 9巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER) 作者:竜騎士07,夏海ケイ 出版社/メーカー: …

【最終的な考察】もう一度「少女革命ウテナ」を全力で謎解きする。

前回の考察をした後、もう一度一話から見直した。 色々と考えて、最終的に自分の中でしっくりと落ち着く考察にたどりついたので、整理して書いていきたい。 「物語外の人間」である自分の視点は捨てる。 「少女革命ウテナ」という物語の法則 ウテナとアンシ…

スポーツチーム経営やバスケに興味がある人におススメ! 島田慎二「千葉ジェッツの奇跡 Bリーグ集客ナンバー1クラブの秘密」感想

バスケにまったく縁がないのに、バスケチームの社長に 破たん寸前の弱小チームの経営の立て直しを求められる。 「日本バスケ全体を、どうやって発展させるか」という視点 クラブ経営をするにあたっての方向性や戦略 人との信頼関係の構築が一番大変かも。 収…

【アニメ考察】「少女革命ウテナ」を全力で謎解きする。

*2018年2月9日に「ネタバレ考察・最終考」を上げました。本記事の内容を大幅に修正しています。そちらが現在のところの最終考察になりますので、よろしければコチラも合わせてご覧いただければと思います。 www.saiusaruzzz.com ずっと見たかったアニメ版…

初めて読んでから十年以上たって、今さら思い至った井上雄彦「スラムダンク」の本当のすごさ。

「辺獄のシュヴェスタ」を読んだら、唐突に「スラムダンク」を思い出した。 以前、「魔法少女まどか☆マギカ」と「ベルセルク(黄金時代)」は似ているという記事を書いたのだけれど、それと同じような感覚でカテゴライズしたとき「辺獄のシュヴェスタ」と「…

バスケ好きは必見! NHKBS1月曜日21時から放送中「熱血解剖Bリーグ」が面白い!

一昨日(12月9日(土))青山記念体育館に、サンロッカーズ渋谷VS千葉ジェッツ戦を観にいきました。めっちゃ面白い試合でした~~!! ある意味持ち味が真逆のチームで、どこで勝負するかどこをつぶすかの駆け引きが見ていて面白かったです。 ところで今日…

【漫画考察】「俺は俺を肯定する」20世紀最凶の衝撃作 新井英樹「ザ・ワールド・イズ・マイン」を読み解く

読もう読もうと思っていた「真説ザ・ワールド・イズ・マイン」を読んだ。 真説 ザ・ワールド・イズ・マイン (1)巻 (ビームコミックス) posted with ヨメレバ 新井 英樹 エンターブレイン 2006-08-31 Amazon Kindle 昔、最初のほうを少しだけ読んだことがある…