うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

【漫画感想】「逃げ上手の若君」既刊6巻まで。北条時行が主人公の貴種流離譚。いいなと思ったところ、気になったところ。

鎌倉幕府最後の執権・北条高時の息子で、幕府が滅んだあと、わずか八歳で流浪の身になった北条時行の一代記。 逃げ上手の若君 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) 作者:松井優征 集英社 Amazon 「鎌倉殿の13人」が面白いこともあり、馴染みがない人物なのでこの…

【「進撃の巨人」キャラ語り】「自分の物語を生き続けたグリシャ」は、自分がなったかもしれない「父親像」そのものだった。

人生で「父親」になることがないだろう自分が、もし父親になっていたらこうなっていたかもしれない、と思う「父親像」が「進撃の巨人」のグリシャだ。 自分の中で「父親」は「父でもあり息子でもある存在」だ。*1 「父親」は、突然「父親」として生まれ出る…

【書評】立花隆「中核VS革マル」上下巻  思想集団の対立は、どのようにしてエスカレーションし続けるのか。

立花隆の「中核VS革マル」上下巻を読み終わった。 中核VS革マル(上) (講談社文庫) 作者:立花隆 講談社 Amazon 有名な連合赤軍事件を始め、学生運動の話を見ていると多数の党派と思想が飛び交う。 「ブントって何?」「革共同って何?」ということが整理…

【映画感想】「ちょっと思い出しただけ」 そもそも別れた人の誕生日って、覚えているものなのか?

池松壮亮と伊藤沙莉が演じる元恋人同士の二人が、付き合っていた頃の六年間を思い出すラブストーリー。 監督脚本が「君が君で君だ」の松居大悟だったので、期待値高めで見始めた。 *ネタバレ注意。 ちょっと思い出しただけ 池松壮亮 Amazon 驚くくらい何も…

「『自分を受け入れ愛してくれるが、他人に対しては受け入れがたい振る舞いをする相手』をどう考えるか。という恋愛モノの鬼門のテーマばかりを描いていた作家が確かいたような」→あの作家でした。

www.saiusaruzzz.com 「私だけに優しい、私だけを愛してくれる人」という、恋愛モノの相手役の究極の形である「自分を受け入れ愛してくれるが、他人に対しては受け入れがたい振る舞いをする相手」をどう考えるか。 恋愛モノにおいて、これは鬼門のテーマだ。…

【漫画感想】フシアシクモ「大蛇に嫁いだ娘」2巻まで 畏怖と恋愛のバランスがとてもいい。「恋愛漫画の鬼門と言えるテーマ」への答えも期待してしまう。

フシアシクモ「大蛇に嫁いだ娘」を既刊二巻まで読んだ。(*ネタバレ注意) 大蛇に嫁いだ娘 (1) (ビームコミックス) 作者:フシアシクモ KADOKAWA Amazon 読む前は、「大蛇である必然性がなく、普通の人間の男で代替しても不自然でなくなるのだろうな」とい…

父の話。

ここ一年、ずっと体調が悪かった父親が今日、緩和ケア病棟に入ることが決まり、手続きをしてきた。 昨日、父と話して感じたことを、急に書きたくなった。 いま「彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠」という本を読んでいる。 1972年に革マル派…

【アニメ感想】「整形水」 韓国発のサイコスリラー。「何だ、このテンプレ話は」と思っていたらオチで仰天した。

韓国のアニメ映画「整形水」をアマプラで視聴した感想。 整形水(字幕版) Moon Nam-sook Amazon 不美人な容貌のせいで周りから蔑まれる不遇な立場にある、メイク係のイェジの下に、塗るだけで姿形を変えられる「整形水」の紹介メールが届く。 長い間、容貌…