うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

トトの妹

「私がこうやって生きているのは妹のおかげなの」 トトさんは会うたびにそう言った。 「さっき食べたお昼も、妹が作ってくれたのよ。私と違って何でもできるし、動いていないと気が済まない子なの、昔から」 トトさんは、僕が勤める事務所の顧客だ。 正確に…

【小説感想】持たざる者の残酷な世界への叫び 「なしくずしの死」

なしくずしの死〈上〉 (河出文庫) 作者:ルイ‐フェルディナン セリーヌ 発売日: 2002/03/01 メディア: 文庫 なしくずしの死〈下〉 (河出文庫) 作者:ルイ‐フェルディナン セリーヌ 発売日: 2002/03/01 メディア: 文庫 反ユダヤ主義の差別的言動から国家反逆罪…

自分の血肉となっているゲーム10本を全力で語りたい。

75年生まれの俺を作ったゲーム10本を全力で紹介する そちらの「俺を作ったゲーム」もぜひ教えてほしい。何本でもいい。 それはとりもなおさず、俺自身を紹介することとほぼ同義になるはずだから、長たらしい自己紹介とか前口上はなしで……では、参る。 おっし…

【漫画感想】高橋ツトム「残響」 乾いた非情な世界に家族愛を浮かび上がらせる「画の力」

[まとめ買い] 残響(ビッグコミックススペシャル) 作者:高橋ツトム メディア: Kindle版 「残響」はストーリーやセリフを極限まで切り詰めることで、絵(演出含む)の力でどこまで伝えられるかを挑戦しているように見える。 高橋ツトムの絵は元々大好きだが…

ドラマ「Nのために」雑談。「何もしないキャラ」成瀬の魅力、青景島編の強引さ、なぜ希美は最後に死ななければならないのか、など

www.saiusaruzzz.com 前回記事で入らなかった部分の雑談。 唯一の不満は、青景島編の展開の強引さ ドラマ「Nのために」は自分の中では傑作認定だが、「ちょっとここは…」と思う点もある。 つまらないとまでは言わないが、東京編からの吸引力に比べると青景島…

【ドラマ考察】「Nのために」のねじれまくっているストーリーの構造のすごさについて考えたい。

第1話 「セレブ夫婦殺人事件…15年前に隠された秘密」 メディア: Prime Video 湊かなえ原作・榮倉奈々、窪田正孝主演ドラマ「Nのために」を観終わった。 引きが強いサスペンスドラマとして面白いが、中盤からストーリー展開について「?」と思うことが多くなる…

【漫画感想】藤本タツキ「チェンソーマン」を読んで考えてしまうとちょっと辛いので、考えないことにした。

チェンソーマン 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) 作者:藤本タツキ 発売日: 2019/03/04 メディア: Kindle版 増田で盛り上がっていたので読みだしたら止まらなくなり、既刊7巻までいっき読みした。 話も面白いし、何よりバトルシーンがカッコよく、デンジがチ…

【「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」キャラ語り】バランが嫌いだったのは、どこまでも「父親」だったからなのかもしれない。

www.saiusaruzzz.com アルガスを含め男キャラの場合は「なぜそんなことをするのか」という経緯の説明(共感措置)も省かれていることが多い。 訳もなく人を傷つけ貶める嫌な奴として描かれ「何という哀しい笑い声や…」と言ってくれる人も現れない。 前回の記…

「雲のように風のように」と「後宮小説」の思い出

*ネタバレあり。 www.twellv.co.jp 懐かしい。 もう一度見たくて、ずっとアマプラ対象にならないかと思っていたら、BSで7月1日(水)に放送されるそうだ。 「後宮小説」との出会いは、うちの親が仕事関係の付き合いで「第一回日本ファンタジーノベル大…