そういえばkindleで購入したなあと思い出し読んでみた。
考察をやってみたが、うまくつながらない部分が多い。細部を詰めるには材料が少なすぎるので、これは細部を詰めると迷路に迷い込むパターンかなと思った。
なので考え方を変えて、つながりそうなキーワードを拾ってみた。
①白チ(知的障害・心神喪失)
美咲は知的障碍者だった。(みさき)
川上喜代子は七歳まで白チだった。(みさき)
結城フクは統合失調症(みさき)
光子ボサツを見ると心身喪失状態に陥る。(光子ボサツ)
坂本夫妻の前の前の入居者の夫は狂死した。(忌避)
②女の子
美咲は明日七歳とになる7月7日に行方不明になった。(みさき)
川上喜代子は七歳になったら、突然神がかりになった。(みさき)
奥薗博士は娘・幸江の眼球を取り出さなければならなくなった。(光子ボサツ)
小学校に上がる前の娘・清美が昏睡状態に陥る。(忌避)
③娘が行方不明
美咲が神隠しにあう。(みさき)
亡くなった清美の姉・まや(忌避)
④井戸(水場)
川上喜代子は井戸に落ちて死んだ。(みさき)
古墳は水で囲まれている。(みさき)
坂本夫妻の家はイビである井戸の上に建てられた。(忌避)
⑤吉田さん
川上喜代子が落ちた井戸を見に行った吉田さん。(みさき)
谷中の眼球くりぬき事件の被害者で一人だけ正気を保っている吉田弘道。(光子ボサツ)
⑥美恵子姉さん。
「美恵子姉さんがえらい事故を起こして重体」(みさき)
ミエ子さん。(光子ボサツ)
⑦状況の一致
夫婦+小学生未満の娘で娘が犠牲になる。(みさき・忌避)
綾のーと。だけがリンクするものが見つからない。
なのでこれは置いておいて、上の三つのキーワードのつながりからおぼろげに見えてくるものをストーリーにすると、
光子ボサツに出てくる視神経乳頭(盲点)に憑依して心身喪失に陥らせる悪霊(細菌のようなもの?)が、川上喜代子が住む村に生息している。
これを見てしまって(もしくはわざと見させて)白チになった子の魂を柱にして、神へと変化させている。
というストーリーに基づいて、障害を持って生まれた子を殺していたのではないか。また「神」を作るためにそういう名目で殺された子がいた。
殺した子は井戸へ捨てられる。
川上喜代子は自分が七つの時に殺されることを免れていたために、このことを知っていた。
美咲の母親である美幸も自分の母親の出身地である、その地の風習が染みついていた。だから七歳になる前に、障害を持っていた娘を殺した。
結城フクはそのことに気付いたため、喜代子に見てもらうよう熱心にすすめた。
「光子ボサツ」「忌避」は「みさき」の解答編なのではないか。
「忌避」を読むと、井戸の底に大量のガスが溜まっており、これが液状化現象や低酸素症のような症状を引き起こすということが書かれている。
また坂本一家の父親が恐らく清美の姉のまやを殺し、家のどこかに埋めている。だから死臭がしたり蠅が大量にわく。
その構図が、「みさき」で母親が美咲を殺したことを示唆しているのではないか。
現実のみで考えるとこういう感じではと思う。
ただそうすると川上喜代子は9日から行方不明なのだから、14日に吉田家に来たのは誰なのかなどまだ色々な疑問がある。
喜代子を口封じの殺したことを隠蔽するために荒唐無稽な怪談を作るのもおかしな話なので、「黒い人物」や三次の春子の家に喜代子が現れたのは本当ではないか。
また交霊の時に降りたものは、首を絞められて殺された喜代子ではないかと思う。
とりあえず大枠はこんな感じで考えたが細部までは詰めきれない。
また思いついたことがあったら、もう少し詳しく考えてみようと思う。