自分は子供のときからすごい怖がりで、怖い話を聞いた日は一週間くらいは夜眠れなくなりました。大人になった今は、ホラーや怖い話が好きです。
今期もホラードラマ「死幣」を楽しく見ていますし、ホラーゲームも大好きです。たまに暇なときに、怖い話をネットで探したりもします。
そんなホラー好きな自分ですが、今まで見た中で一番怖かった話は、ネットで見つけた「意味が分かると怖い話」のこれ。
有名みたいなので、読んだことがある人も多いかもしれません。
学校から帰って台所で麦茶を飲んでいると
床下の収納スヘ゜ースに死んだお母さんが押し込められているのに気がついた
隣の部屋からお父さんが出てきた
「由美?、お母さんは他に好きな人がいたんだ、お前のことも捨てて
出て行こうとしていたんだ、だからけんかになってさっき殺してしまった」
と泣き出した
私はお父さんを警察に突き出すつもりはない
このまま二人で暮らしていこうと思った
着替えのため自分の部屋に行くとメモ帳の切れ端が落ちていた
「由美、?逃げて お父さんは 狂っている」
あなたなら、お父さんと、お母さん、どちらを信じますか?
めっちゃ怖くないですか???
はじめて読んだとき、身体が凍りつくくらい恐かったです。
(*ちなみに元ネタは、お茶漬海苔の漫画だそうです。いま知った。)
話をそのまま受け取っても十分怖いのですが、色々考えると疑問が出てきて、どんどん怖くなります。
こんな短い話なのに、検証スレまで立っていました。
この話に怖さを感じる点
①「狂っている」とは、どういう意味なのか。
まずは、メモの切れ端が部屋にあったということですが、なぜここにあるのだろう?と疑問がわきます。
お母さんがお父さんが狂っていることに気づいたのが、由美が学校に行く以前ならば、二人で逃げ出せばいい、もしくは由美とだけこっそり話す機会はいくらでもあると思います。とすると、「お母さんがお父さんが狂っていると気づいてメモを書いたのは、由美が学校に行った以後」のはずです。
そんな短い間に「狂っている」という言い方をする何があったのか??
そして、自分だけではなく娘の身まで案じているということは、「ケンカして激怒の余り、殺されそうになった」という程度のことではないと想像します。
よく知っていたと思っていた家族を、ごく短い時間の間で「狂っている」と娘に警告を発するほどの何かを見てしまった、それはいったい何なんだろうと考えると怖いです。
②メモの書き方がどことなくおかしい
次に、このメモが何だかおかしなことに気づきます。
行間の空け方、?マークや句読点の使い方、すべてがおかしい。
仮に急いで書いたのならば、?マークなんてむしろ使わないはずです。
なんで自分の娘の部屋で、娘に対して、しかもメモで「由美?」なんて呼びかけているんだろう。
このメモ、お父さんの会話文の書き方とそっくりなんですよね。
もちろん、物語内の人物は会話文を文字では見えません。
なのでこれは、メタ構造で読者である自分たちへの何かのメッセージなのか??? と考えると怖い。
一体、何のメッセージなんだ?? このメモを書いたのも、お父さんということか? でも一体、何のためにお父さんはメモを書いたんだ?? という点を考え出すと怖くなります。
もしくは、このメモは言葉のひとつひとつに空間が空いているので、実はもともとの文章は、文字を入れ替えていたのではないかという説もあります。
「由美、? 狂っている お父さんは 逃げて」
原文がこうなのではないか、という説も見ました。
なぜ、お父さんの言葉も「由美、」ではなく「由美?、」なのか。
そうすると、この物語の語り手である「私」は誰なのか、本当に「由美」なのかという疑問がわいてきます。
「収納スペース」のところの「ぺ」の文字の後ろが、不自然に空いています。これもこの文章で、「スペース」に注目しろというメタメッセージなのではないかとも考えられます。
③そもそも、この文章全体がおかしい
お母さんのメモや会話文と同じように、この文章自体、スペースの空け方、句読点の打ち方が明らかにおかしい。
この文章が「狂っている人」によって書かれたものであり、その狂っている人の書いた問いに「あなた」として向き合わされているという構図にいつの間にか引きずり込まれている、そういうオチがたまらなく怖いです。
自分の存在が根底から揺さぶられるような怖さをかんじます。
すっきりした解釈を思いついた人は、教えてくださ~い。
元ネタはこれらしいです。読めば分かるのかな??