うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

【漫画感想】「モンキーピーク」4卷は、予想の斜め上の展開。あの人がまさかの死亡。 

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この記事は原作志名坂高次、作画粂田晃宏「モンキーピーク」4卷のネタバレ感想です。

未読のかたはご注意ください。

 

2018年4月発売の6卷の感想はコチラ↓

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2018年2月9日(金)発売の5巻の感想はコチラ↓

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1卷~3卷までの感想はコチラ↓

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田中さんは「鉈猿」ではないようだ。

相変わらず、予想の斜め上を行く展開だった。

早乙女と別れた田中さんは、安斎一派がいる山小屋に辿りついた。

田中さんは、やはり「猿」ではなかったようだ。

www.saiusaruzzz.com まだ共犯者の可能性は捨てきれないけれど。 

 

今後、安斎というキャラをコントロールできるか。

極限状態の閉鎖空間に閉じ込められた安斎一派は、ひどい展開になるんだろうなと思っていたけれど、予想以上の陰惨展開だった。

 

こういう展開のとき、フィクションでは女性や子供、老人が犠牲になることはなかなかない。秩序がなくなったときに若い成人男性が肉体的強者であることは明確で、強者が弱者を虐げる描写というのは、読んでいる人間にすさまじい不快感を与えるからだ。

氷室が拘束されて拷問される描写もひどいのだけれど、それとはまた別種の弱肉強食の世界の怖さを感じる。

 

さすがに佐藤を拷問する展開にはならなかった。

そこまで行くと、エンターテイメントとしてはすごく厳しくなると思うし、作者も安斎というキャラを制御できなくなると思う。

 

こういうところを衝撃度を求めて逸脱しちゃうか、もしくは物語全体のバランスを考えて制御するかが創作をするうえで大切な点じゃないかな。

これで安斎に佐藤まで拷問させちゃうと、猿の存在とのバランスが難しくなると思う。

 「アカギ」で鷲頭と赤木の非人間性度のバランスがとれなくて、鷲頭のキャラを壊さざるえなくなったみたいな感じ。

こういうことをやっちゃうと物語を展開させるのが、ものすごく難しくなる。というか、作者が自分で勝手にハードルを上げている感じになる。

 

「モンキーピーク」は三巻の時点では、猿、安斎、八木兄妹の非人間性や残虐さのバランスをどうとるのかな、というのが今後難しそうだなと思っていたけれど、今のところはうまくバランスをとっている感じだ。

 

まさかの八木薫死亡。

でもそこも、予想の斜め上だったな~。

まさか八木妹が殺されるとは。

そして八木が猿の敵に回るとは。

てっきりこの二人は「猿狂信者」で、主人公たちを裏切って猿の手先になるのかと思っていた。

これはこれで面白いけれど、パワーバランスが悪くないか? と思う。こういうホラーテイストの話は、主人公側がかなり不利くらいで丁度いい気がする。

純粋な味方というよりは、とんでもないことをしでかしそうな雰囲気ではあるが。

 

岡島の死に涙。

主人公の早乙女みたいに徹頭徹尾いい人キャラよりも、岡島みたいに「良くないことかもしれないけれど、周りがイライラするのも分からないでもない」という灰色のキャラが犠牲になったほうが泣ける。

こういうどこかにいそうな普通の人が上手く描かれているところもいい。

 

普通の範囲を大きく逸脱している安斎よりも、社会では「卑怯で自己中な普通の人」である飯塚や南、氷室のほうがムカつくし、佐藤や遠野、藤柴、田中みたいに「自分が出来うる範囲のみでいい人」の気持ちもよく分かる。

そりゃあこんな状況じゃあ、誰しも自分のことしか考えられないよ。

 

安斎がやっていることは怖いし、飯塚がやっていることは最低だと思うけれど、そういうものに対しての「作者の視点」みたいなのを感じない。

こういう人たちを作者がことさら断罪している風でないところも、「モンキーピーク」のいいところだと思う。

「ほうら、人間みんな、極限状態になるとこんなに醜くなるんですよ~~」みたいに描かれると、特にエンターテイメント作品では鼻について読めなくなる。

 

辻殺しの犯人は、氷室だった。  

「辻は経理だから、何か会社の金銭上の問題を知っていたのでは」

「氷室も横領程度ならば、あそこまでやらないだろうし」

と言っていたのに、この二つを結び付けて考えられなかった…。くっそお、悔しい。

経理の辻が氷室の横領を知っていてゆすっていたから、氷室は辻を殺したのね。

 

猿は複数人いる。

鉈猿と弓猿が別人。槍猿は弓猿と同一人物かな?

とりあえず四巻の最後で、猿はまだ最低でも三匹はいることが分かった。

これだけ見るとなんかかわいいな。

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(引用元:「モンキーピーク」4巻 志名坂高次/粂田晃宏 日本文芸社)

 

死んだ鎖場猿は長谷川さんかな、とも思ったけれど、三巻で弓猿が弓矢で狙っているので違うのかもしれない。

(追記)これはもしかしたら狙ったのではなく、矢文を打ち込もうとしたのかもしれない。長谷川が時計を見ているのも、約束の時間だったからなのかも。そうすると、鎖場の猿は、やはり長谷川??

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(引用元:「モンキーピーク」3巻 志名坂高次/粂田晃宏 日本文芸社)

 

あとそのシーンの少し前で、シートをはがして死体を確認していることがやっぱり気になる。

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(引用元:「モンキーピーク」3巻 志名坂高次/粂田晃宏 日本文芸社)

内通者がいるけれど、連絡手段が限られているから死んでいるかもしれないと思ったか、もしくは特に殺したい人間がいるのか。

(追記)靴がなくなっているという描写か。黒い服が馬場なので裸足なのは寺内だけれど、二巻を確認したら、死んだときには靴を履いている。

昼間にとるのは恐らく無理だと思うので、とられたのは夜だと考える。

五十音順で見張りをしていて、長谷川の順番の時に氷室が裏窓を開ける騒ぎが起こっている。

早乙女、宮田、安斎の三人が動き出す人間を見張っていたのだから、見張りの人以外は、靴をとれない。五十音順で長谷川の後に当たる、林、氷室、藤柴、宮田、南には靴は盗めない。足を怪我している黒木も無理。

残るのは安斎、飯塚、岡島、早乙女、佐藤、遠野、長谷川、念のため田中も。

このうち心の声が出ている岡島と早乙女はない。そうすると安斎、飯塚、佐藤、遠野、長谷川、田中の誰かになる。

氷室の尋問でみんなが集まっているときに見張りだった長谷川が、一番靴をとるチャンスはあると思うけれど。

犯人が誰にせよ、なぜ靴をとったのだろう。思いついたら、また追記する。

 

結局、四巻は八木薫、岡島、黒木と犠牲者が増えたのと辻殺しが氷室の仕業だったと分かっただけで、猿については謎が深まっただけだった。

次巻は団体戦に期待。

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(引用元:「モンキーピーク」4巻 志名坂高次/粂田晃宏 日本文芸社)